見出し画像

不入渓谷森林鉄道跡

「津野町に森林鉄道跡がある」
と知ったのは10月に入ってまだすぐのころだったか。

いの町の吾北に森林鉄道跡があることをネット上の情報で半年ほど前に知り、それはぜひ写真を撮りに行きたいな。と目論みつつ月日が流れ…秋深まりつつあるこの時期にそろそろ、と思い検索をかけてみたのでした。

漠然と「高知 森林鉄道」と調べてみると安芸市や四万十町のものが出てくる傍、津野町や土佐町の森林鉄道もあることを知った。

今回はこちらの方のサイトを利用させていただいた。↓↓↓

いの町の森林鉄道跡は有志の方が2012年よりいの町森林軌道探検隊を発足され、現在もツアー等行っておられるようでフェイスブックにもページがあります。
いの町の森林軌道に行く時は、いつかツアーに参加させていただこうと考えてます。
いの町森林軌道
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsk/80/0/80_26/_pdf/-char/ja

そして、今回は津野町の不入(いらず)渓谷の森林鉄道跡に行ってみることにした。

この林道には2つ隧道(トンネル)がある。
国道から一番近い場所に岩戸隧道(いわど)
不入渓谷内に開山隧道(ひらきやま)
この2つがあるとサイトには書いてあった。
中でも開山隧道にはなんと隧道内分岐が見られるとのいかにも興味をそそられる内容だ。
場所は津野町芳生野(よしうの)
よしゅうの、よしゅーの、と言ったイントネーションの方がしっくりくる。



かの脱藩維新志士「吉村虎太郎」の生誕地であります。正確に言うと吉村虎太郎の生家よりは車で5〜10分ほど奥へ走った所です。

吉村虎太郎生家
観光地化されており、中でうどんやそばを食べることができる。

今回は外観のみ。

不入山

須崎市から国道197号線を梼原へと向かうと津野町役場のある力石地区に出る。

津野町役場を左に、吉村虎太郎の像を右に見て津野町商店街へと出ると右折し、国道439号線を北上して行く。

役場のある津野町中心部から15〜20分ほど走ると不入渓谷入口へと到着する。

途中、道路ぶちに与作狸の像があり、それが見えたらもう少し。

津野町役場側から来ればこのように分岐になっており、この橋を渡り右折。

仁淀川町から439号線を通って来れば、この案内板がある。

津野町側から来てもこれほど大きければわかりやすいが…


橋を渡り、いよいよ不入渓谷へと入る。
渓谷に入る前に民家もあるのでくれぐれも運転や騒音には気をつけていただきたい。

まず見えてくるのが岩戸隧道

岩戸隧道

小さいかと思っていたが意外と大きくて驚いた。

渓谷側から

さらに奥へと進むと舗装が途切れて、林道らしい道になりました。
ぬかるんだりはしていないものの、四輪駆動車の方が安心かと思います。
オフロードバイクだと楽しいでしょう。


このカーブミラーのある広場に車を停め、歩いて向かうことにした。
到着した時刻は九時半ごろだったか。
レンズキャップを外すと途端にレンズが曇りだす。こんな現象ははじめて。
曇っては拭きを繰り返し撮りながら進む。

空気がとても良い。特に朝方の森は本当に素晴らしい。
ふと見るとこの日一番最初に見つけた森林鉄道の痕跡(確証はないが…)

このような苔むした石垣は斜面にいくつか確認できた。

撮りつつ進むと渓谷に日の光が差し込んできて、少しずつ気温が上がるのがわかった。

谷から来る風は冷たいけれど、日差しはじんわり優しく暖かい。

そびえ立つ岩壁に松の木が生えているのを見ると、えも言われぬ良いものを見た感覚に陥る。
水墨画のような、俗世と線を引いた世界と言うか…


この山が見えてきたらもうすぐ前方に広場が見えてくる。
東屋とトイレがあるが、現在は使用不可のよう。
老朽化が見られる。
「あぶない」と赤字で印刷された紙がロープに吊るされている。
倒壊の危険性を具体的に示唆するのならまだしも、この場の雰囲気で言えばなんとなくそれ以外の不気味な「あぶない」を想像する。

もっと人が訪れれば、整備も進むのだろうけど…


この東屋からさらに奥へ進むと
「開山隧道」がある。

開山隧道


今回参考にさせていただいた方の記事には大々的に補強や整備がされていて形が昔と変わっているとのこと。

くだんの隧道内分岐とは一体どのようなものだろうか。
足を進める。

なるほど。確かに分岐している。
かつては岩戸隧道のようにゴツゴツとした岩肌だったのだろうか。
左方向へと進む。

道が絶たれていた。
かつてはここを線路が通っていたのだろう。
苔むした人造物が自然と溶け込んでいてまるでRPGゲームのような景観だ。

残念ながら、飛べるアイテムも浮く靴も持っていなかった…

仕方なく戻ることにした。
もう一つの出口へ向かう。

来た道を振り返る。

高低差の関係で先程まで断崖で降りられなかった川へたやすく降りられた。

対岸にある石垣。

軽装で行ける範囲はここまでと判断しきびすを返した。
車で行くにはちょっとなぁ…と思いだいぶ手前で駐車したけど、よほど車高が低くなければ、この辺りまでは来れたようにも思う。
ちなみに開山隧道より奥へは車両通行は禁止されていますのでご注意を。
東屋の少し手前には不入渓谷散策をされる方のための駐車スペースがありました。

今回はここまで。
ありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?