山の音山へかへりて冬に入る 石嶌岳 

山は自然の宝庫である。海の恋人である森によって豊かな自然が守られている。森には鳥が囀り、湧き出る泉からあふれる川となり、海に注ぐ。森が育む浄化された水は、生き物たちの命の源になっている。春になり、みなぎる生命力は山から街へと雪崩込む。山の音とは、森によって生まれる息遣いである。その山音が、だんだん息をひそめ、すそ野から山の方へ静々と引きあげていく。すっかり山に帰ってしまうと冬になる。


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