冬川に青々と見ゆ水藻かな 村上鬼城

冬が深まるにつれ、川の水嵩が減り水が澄んでくると、春から秋にかけて栄養をたっぷり含んだ水を吸って、深々と茂っていた水藻が水面まで浮き上がって目立ってくるように見える。しかも、濁りが消えて青々としてくる。これは、栄養分が少なくなって微生物たちの繁殖が抑えられてきているせいである。生き物には成長しやすい最適温度というものがあり、寒くなると活動が鈍くなってくる。息を潜めて見つめる心が揺れはじめる。

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