段畑に人ゐて茅花流しかな 大谷たか子

茅萱は世界最強の雑草で、ところかまわずどこにでも生え、たちまちのうちに群生する。春先細い鞘に花穂を包み、初夏になると銀色の美しい穂を靡かせる。庭や路側帯にはびこると駆除するのが厄介である。ところが、降雨などによる土手の崩れを防ぐ段々畑には有難い存在である。定期的に刈り入れを行い、管理されている。黒々と耕された畑をとり囲むように茅花の白い穂が風に揺れる。夏野菜の苗が植えられ、夏の盛りを待ち受ける。







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