湯上りや涼風吹て眠うなる  正岡子規

湯上りに涼風が吹いて気持ちのいい時期というのは限られている。薪を焚いて沸かす風呂の場合、外気温との差が10~15℃の頃である。夕暮れに気温が下がり、湯上りに吹く風が涼しく感じられると、夏から秋へ移り変わりを思い知る。暑さの峠を過ぎ、やっと過ごしやすくなってきた。とりまく森羅万象が安らぎを得、次にやってくる厳しい季節への備えをする。今は健やかな眠気にまかせ、こわばる身体の緊張がほぐれ幸せなひととき。

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