旅終わり母に戻りて盆支度  内田陽子

お盆には家に居て、先祖を供養するものであるという古風な人である。新人類は、休みとばかりに海外へ旅に出る。年齢を重ねると、今に自分もされる側になるのだという自覚をし、置かれた状況を認識する。誰しも誰もが知っているようで知らない遠くへ旅立たねばならない。旅からもどって来られる幸せに感謝する。そして母になり、家を出ていった子どもたちが帰ってくるのを迎える。集う子どもたちの健やかなることに手を合わせる。

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