朝顔に水やりしあと月待ちし 細見綾子

お盆が過ぎてもまだ暑い。危険な暑さと警鐘を鳴らす。といっても、人はクーラーを利かせて避難できるが、草木はそうはいかない。朝に水やりをしても、昼過ぎにはぐったりしてしまう。異常な暑さに、大切に育てている樹や草花の悲鳴が聞こえてくる。日が暮れるのを待って、再び水を撒く。これでひと安心。少し心の余裕が生まれ、外に出たついでに月の出を待とうという気になった。一日が終わろうとするときに豊かな時間が生まれた。

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