おもふことみな白雨に流しけり 夏目成美

日々の暮らしには起伏があり、嬉しいことばかりでもなく悲しいことや辛いことも訪れる。些末なことに翻弄されながら生きている。心が折れそうなときもなんとか息も絶え絶えに溺れそうになりながらへとへとである。思い詰めたら身動きが取れなくなる。わかっていても、へばりついて離れないものなのである。鉛のような錘を遺憾ともしがたい。そのような状況のとき、激しい雨が降ってきて激変する姿に呆然と立ち尽くす。爽快である。

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