風死せり板書を写すペンの音 高井去私

しいんと静まり返り、鉛筆を走らせる音だけが教室内に響く。児童・生徒は真剣な眼差しで黒板を見つめ、先生のまとめた板書を丁寧な字で書き写す。古き良き時代風景である。今は違う。クーラーの効いた環境で、ITを駆使した視覚、聴覚を刺激する授業が行われ、一人ずつ与えられたタブレットのキーボードを叩く。主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善が行われ、生涯にわたって能動的に学び続ける児童・生徒が主人公だ。

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