青葡萄天地ぐらぐらぐらぐらす 三橋鷹女

葡萄は蔓性なので、本来は天をめざす。人の都合で、収穫しやすいように剪定管理している。野放図な畑の葡萄が電柱を伝い登り、電線まで辿り着きそうな勢いである。見上げると、青い葡萄がぶら下がっている。どれだけぶら下がっているか数えだすと、足元がおぼつかなくなりぐらぐらしてくる。青空が揺れ、青葡萄が揺れ、頭が揺れ、どこまで数えたのかわからなくなってくる。もう一度始めから数えなおすと、また同じことの繰り返し。

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