傘ひとつほたる袋に屈みをり 平田君代

提灯のようにふっくらした花を咲かせる。和名の由来は昔、子どもたちがこの花の中にホタルを閉じ込め、家に持ち帰ったからとされている。日が暮れるころ、川の流れる辺りに子どもたちが遊ぶ。幻想的な風情のある光景が広がる。その昔を懐かしみ、蛍袋の中を覗けば童心に返る。雨に濡れる蛍袋を間近に見ようと膝を折り屈んで見ている人がいて、傘をさす人を見るもうひとりの作者がいる。蛍袋で繋がるしっとりとしたニ重構造を成す。

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