八月を里に出てくる山の雷  伊藤白潮

これまで山に居て鳴りを潜めていた雷神が、急に里に下りてきて暴れ出した。雷神様もいよいよ出番とばかりに勇ましい。春先に植えた稲は夏になると葉を茂らせるのをやめて穂を作りはじめ、8月上旬から中旬にかけて花を咲かせる。雷が鳴るほど豊作と言われる所以は、雷放電により空気中の窒素は酸素と結びつき窒素酸化物となり、これが雨に溶けて降り注ぐと稲の肥料となり成長を促進させるからである。颯爽と雷様のお出ましである。





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