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被造の森と非造の森とコカ・コーラ

都会は冷たい、という人がいるけれどそんな事はないのです
より便利に、より効率的に、より楽しく、より美しく、と
多くのプロフェッショナルが情熱を込め懸命に作り上げた
まさに「都会的」と言うべき無数の建築物が立ち並んでいるではありませんか
乱立する建物の一つ一つに、住む人、訪れる人の事、街の未来と発展を思った無数の人々の無数の思いを考えれば、むしろ暖かさがあるのではないでしょうか

田舎は何もない、という人がいるけれどそんな事はないのです 多種多様、幾千万の生命が蠢く、自然が満ちています。
人間の力では再現しようもない、自然の力が生み出した摩訶不思議な環境が広がっています
命の集合体、必然、温かみがあるのではないでしょうか

どちらも素晴らしく、どちらも尊いものです。ですが、一つ、明確な違いがあるように思えます。

それは、想像力が介入する余地が残されているかどうか。です

都市を構築する被造物たちは、その道の優秀な多くのプロたちが懸命にその想像力を働かせて作ったものです。
あとからやって来た人間が、何の気なしに想像を働かせるのは、ちょっと難しいのではないかと

自然の世界は、人間に作られていない非造物の構築する世界です。そこには誰の想像力も、意図も含まれていません、無数の命と共に無数の謎が隠れています。
であれば、あとからやって来た素人が、あれやこれやと想像力を働かせるのは、そう難しくないのではないかと

都会から想像を発展させて、人間ドラマや、会社員の奮闘、SFモチーフの作品を作れるのは本当に凄いと思います

田舎の風景から、イーハドヴに100エーカーの森を思いつけるのもまたとんでもなく凄い事だと思います

これは私個人の話ですが、私はどちらかというと田舎の風景から発想を膨らませたお話が好きです。
SF好きを名乗っておきながらなんじゃそりゃってお話ですが、近未来のお話を読んでいると、たまーに自然に帰りたくなるものです。要はバランスですね

バランスと言えば、最近流行りの「木材をふんだんに使った木目調の建築物」。床やら柱やら天井やらが、むき出しの木で作られているあれでございます。
木、というわかりやすい自然と、近代的な建築様式をくっつけることで、都会的なスタイルに田舎的な風景を合わせてバランスを取ろうとしているのでしょうか・・・

なんて事を、茶色い木材で床が作られた市役所の中で思ったのでした。用事を終えて、庁舎内の自販機へ。
コカ・コーラを買おうとして ふと。

コカ・コーラの砂糖やクコの実やらは自然の素材。でも、多分ですけど炭酸水飲料って人間くらいしか飲まない、人間のための人間による人工物ですよね。

ふぉっふぉっふぉっ・・・これもバランスなのじゃ・・・と脳内ヨーダが喋る喋る。

そういえば、あと1スタンプあればコークオンのチケット一枚だったなぁ。もう一本無料でもらって、お風呂上がりに飲もうかしら!意気揚々とコーラを購入したのでした。

・・・・・・・・あれ

・・・・・スマホと自販機、接続してなかった

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