べるもっとが思う田舎と博物館のお話

前々回「SFとファンタジーと進撃の巨人」という題で投稿した時、序盤の挨拶で「ゴドーを待ちながら」と書いたのですがよくよく考えたらあのお話し、結局最後までゴドーは来なかったような🤔 不吉な表現になってしまいました、ゴドーさんを待つ時間の暇潰しに読まれた方がいらっしゃいましたら申し訳ございませんでした・・・

さて、今回のお題は「田舎の辛いとこ」です
ウィリアムズを待ちながらご覧下さい。

田舎。そう聞いて皆さまどんなことを思い浮かべられますか?
自然が豊かで、人は優しく、食べ物と空気が美味しく、物価も安く、穏やかに時間が流れる・・・そんな夏の青空と山の緑のコントラスト美しい山村の光景でしょうか?

逆に、いわゆる田舎に住んでいたり田舎から上京なさった方ですと、物がない、遊べる場所がない、ちょっと出かけるだけで車や電車やらで時間と交通費がかかる、雪がひどくて冬場は地獄等々、不便な点が思い付いたりするのでしょうか?
思い浮かべるのは公道が無数の鹿に占拠されて通行止め、とか、熊が出たので狩りに来たハンターさんの銃声鳴り響く土曜午前9時とか・・・笑

まぁ色々意見は上がるでしょうし自治体によっても変わりますが、一般的に「田舎」というのは
「自然豊かでのどかな風景」と「都会に比べて発展がなく、色々と不便」という2つの意見に集約されると思います。

そして恐らくは、欠点といいますか、不便だとか人付き合いがだるいとかそういうものが思い付きやすいのかもしれません。

群馬の北の片田舎で暮らすこと20年と3ヶ月のわたくせにとっては、交通の利便とか遊ぶ場所がない店がないとかそんなのは些細なことなのです。

わたくしの思う、田舎の最大最凶の欠点とは・・・!

ずばり、「学術的、文化的資料に触れる機会が壊滅的にない」ことです

県央都市や、東京大阪、もしくはその近郊にお住まいの方はちょっとピンとこないかもしれません。
要するに「博物館、美術館、図書館がないよ!」というお話しなのですが、町内にそうした機関があるかたに、施設が乱立する都心にお住まいの方は「そんな場所あるの?先進国だよここ笑」ってさらっと仰るので・・・

私の持論なのですが、「学ぶ」という事において、「現物に触れる、体験できる」という事はとても重要だと思っています。

日本史を学ぶとして、東進の日本史一問一答の文章の中で、
「土師器は茶色軟質 須恵器は灰色硬質」と言われてそうか、と思うのと
本物、複製の土器を目の前にして そうか、と思うのでは記憶への残りかたは全く違うレベルになると思いますし、
考古学分野への興味の持ち方もまた大きく変わるでしょう。
幼いうちにそうした実物に触れる機会があるかどうかで将来も変わってくるのではないでしょうか?

長年の大変な学術的研究の結果を、有識者の方や専門の方たちが一般の人達に伝えようと分かりやすく楽しく展示してくれる場所で、実物の強烈な実感と共に勉強する。
資料集の写真も素晴らしいですが、やはり大きな違いがあると思えてしまいます。

さて、そんな博物館や美術館図書館へのアクセスですが、都心に住む方からしたら些事ですよね。
ところが少し市街を離れ、田舎、地方都市や市町村レベルになると、こうした学術的機関は身近に
全く!と言っていいほどないのです。そもそも施設がない。
人口も少ない、若い人が居ない、というのもあるかも知れませんが、それ以前に資料を展示できる施設や空いた建物がないなんてこともざらです。
イベントも町起こしのための商店街主導のお祭り的なものが中心になってしまって催し物としての研究発表も厳しいのです

やりたくても出来ない、というのが地方の実情かもしれません。もちろん、県央や県外、栄えている中心市街地に逝けばかろうじてある!も確かなのですが、厄介なのが「交通手段」です。

身近に博物館がある場合、徒歩、自転車、自家用車でさくっと行って、払うのは観覧料だけかもですがが、
田舎に住む人が博物館に行こうとすると電車に乗って往復1000円以上かかったり自家用車で小一時間走ったりというのが当たり前のように前提として出てきます。
バスで行こうとするとして、これまた時間がかかるしお金も往復1000円なんてざらな訳ですが、田舎のバスの場合、そもそも路線が近くにない、本数が殆んど無いという事もあるのです。

それとここまで「お金、自家用車がある」前提でお話をしましたが、小学生くらいの子供だとこの前提がありません。
場合によっては中学生くらいでもこの前提は無くなるでしょう

気軽にアクセスできる環境がない。かなり辛いです。

しかもこの状況は進行すると更に恐ろしい事態を引き起こします。「そもそも博物館美術館図書館に行こうとする発想自体が亡くなる」「そもそもそういう場所を知らない」
という状況になれば、身近にある人たちとの教育格差は致命的なものになってしまいます。
加えてその街で学術研究が発達する目処も絶ってしまう訳ですから、まぁ・・・うん・・・なんかもう色々辛いですよね・・・

なんだか愚痴みたいな書き方をしてしまいましたが幸いべるもっとが住んでいる街には最近、歴史的資料を展示してくれる場所ができあがったのと、そもそも私が乗り鉄(電車に乗ること自体が好きな人)なのと、頭文字Dの聖地に生まれていることもあり運転好きなので遠くても気にしたことがなかったというので決してべるもっとの愚痴ではなくわりかし真面目に考察をした結果でございます、お許しください笑

学芸館周遊券とか、学芸館に行きたい人のためのマイクロバスとか・・・なんかそういう、何でもいいのでとにかく「子供でも気楽に行ける」システムが整って欲しいなぁと

私の住んでいる群馬県でもっとも栄えているのは高崎市というところなのですが、高崎市は全国に先駆けて「ぐるりんバス」という市内全域200円(子ども100円、駅前中心市街地内100円)という格安バスを、市内各歴史的建造物、記念物、学芸館前も含めた路線を45分間隔で巡回させており、加えて昨年8月に「ぐるりんタクシー」
という一切無料のタクシーを各所15分間隔で廻しています。このぐるりんシリーズを見たことがこのnoteを書くきっかけになったのですが、これくらいシステムが整っていれば気楽に出向きやすいですよね、全く同じでなくていいので、なんらかの形で、こうしたシステムが各地に整備されたらいいなぁと思うのでした。

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