海外ドラマ「ブレイキングバッド」感想

某所で書いた感想を転載。

全5シーズン。
冴えない化学教師のおっさんがガン宣告されてからメタンフェタミンというドラッグを作り始め、麻薬の帝王になる話。
めちゃ重たい話。心に余裕がある時に見ましょう。
心理描写と構成が秀逸で、物語にのめり込めた。
主人公のおっさんがとことんクズすぎて、普段フィクションのキャラにそこまでヘイトを持たない私でも「ウォルター早く死ね!」と何度も言ってた。

ぶっちゃけS3くらいまでは派手な展開もほぼ無く、淡々と続く。
最初は面白くないなーと作業用BGMとして流し見てた。
S1序盤はおっさんのブリーフ姿がやたら出てくる。
S3くらいからどんどん面白くなっていく。気付いたらのめり込んでいた。

海外ドラマってS1がめちゃくちゃ面白くて尻すぼみになっていく印象だけど、進むごとに面白くなっていく作品は珍しい。

S4のラストでブチ上げつつも、S5の序盤は低迷…したかと思いきや、ラスト5話くらいから急速に面白くなる。
もはや作業BGMに出来ず、手を止めて見入ってしまった。

ラストシーンはこれしかないってくらい素晴らしい。
評価が高い理由も納得。
後日談の映画と前日譚外伝のドラマも面白いらしいので見ていこうと思う。



以下最終話までのネタバレあり注意





ラストシーンではジェシーとウォルターの複雑な絆?をこれでもかと感じられた。
ハンクがとにかくかわいそう。ハンク勝利エンドで二次創作したいレベル。

ハンクは最初デリカシー無いおじさんだし若干うちの親父に似てるのであまり好きじゃなかったんだけど、話が進むごとに好きになっていった。
双子射殺した時とか、リハビリ頑張ってたところとか、何よりもハイゼンベルクを追い詰めたところ…見せ場が多い!

ハンク以外にもマイク、ガスと魅力的なおっさんが多い作品。
ラスボスがチンピラなのは萎え。
というかチンピラに来て欲しくなかったらきちんとそう伝えろ。ウォルターの無能。イキリバカ。アホ。

トッドをはじめS5のチンピラ共は、S4のガス・フリングには遥かに劣る。そこは不満点。
ハンクが殺されてから崩れかけていた家庭が一気にめちゃくちゃになるのはジェンガの如く。
ウォルターの事は大嫌いだったので、息子に電話で罵られたシーンは正直ざまあと思った。
最後のスカイラーとの別れのシーンは、ウォルターにヘイトが溜まりまくっている私でもうるっときた。
俳優さんの演技が素晴らしいんだわ。
散々「家族のためだ」とか言い訳がましく言い続けていたのが、最後の最後で「自分の為だった」と認めたのも良かった。
ウォルターの事は大嫌いだしとんでもない悪人なのだが、悪になりきれない人間臭いところもあった。それが物語に深みを増してたというか。
まあ私はその人間臭さ込みで彼が嫌いなのだが。

それにしてもこの作品、ウォルターと関わった人全員不幸になってる気がする。

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