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絵が描けなかった私が少しだけ描けるようになって思うアレコレ

はじめに

私はせいぜい「描けない人と比べたらまあ少しは描けるようになってきたか」レベルの、絵師と自称するのもおこがましいくらいの一般人です。
ちゃんと絵を描くようになったのはここ数年です。
サムネの目玉焼きは最近さくっと描いたやつです。
でもそんな私だからこそ書けることもあるんじゃないかと、この文章を書いている次第です。

今やあちこちでイラストの指南書、動画などが見つかる大変素晴らしい世の中になりました。
本屋には分かりやすいイラスト指南書が溢れ、Youtubeをつければわかりやすいイラスト講座が無料で見れる。
SNSでも「〜の描き方」みたいな講座が流れてくる。

とはいえ、中を見るとやはりプロになりたいとかめちゃくちゃ上手くなりたい人向けのものが多いです。
そもそも絵が描けない、絵が描けるようになりたいだけのガチ初心者には厳しいものが大多数。
初心者向けのタイトルのものでも肝心の知りたいところがすっ飛ばされている、なんていうのもザラにあります。

あと本当に初心者だとどんな本を取ればいいのかすら分からないんですよ。
何も分からないので情報の取捨選択すら出来ない。
いろいろな情報に飲まれた結果、何も分からなくなります。
ちなみにこの記事の最後でオススメのやさしい本を紹介してます


対戦ゲームに例えると、操作もままならない初心者がいきなり「上のランクに行くための攻略Tips10選」を読んで実践しようとするくらい無茶な話です。
まず間違いなく「しんどい…無理…やめていいですか」になります。
「なんで趣味でこんな辛い思いしなきゃいけないんすか」って。

それがまかり通ってるのがイラスト界隈

そもそも「絵が上手くなりたい」という願望。
どのくらい上手くなりたいのか?は人それぞれです。

例えば「ゲームが上手くなりたい」の上手さが人それぞれなように。
・プロゲーマーになりたい
・最高ランクに到達したい
みたいな人から
・上手い友達に勝てるようになりたい
・脱初心者したい
とか、それはもう十人十色です。

イラストも同じで
「上手くなりたい」と一概に言っても、
・プロのイラストレーターになりたい
・写実的な絵が描きたい
・好きなキャラを描けるようになりたい
・セクシーな絵を描きたい
・SNSでバズりたい
とか人によって様々なわけです。

そもそも上手くなるに越したことはないけどそんなガチでやりたくないかなって人もいます
・友達と絵チャしたい
・メモの端にちょっとしたラクガキが出来るようになりたい
・なんとなく絵が描けるようになってみたい
とかそんな感じの人だってたくさんいます。

「ちょっと好きなキャラを描けるようになりたい」という人に対して
「まず円を綺麗に描けるように毎日10分練習をしてください」とか言われたら、この時点で萎えちゃう人も多いんじゃないでしょうか。
私も初心者の頃「めんどくさいなぁ」とか思いながら円描いたりしてました。
もちろんその練習による恩恵もたくさんあったと思います。
でもめんどくさかったし、お絵描きソフトを立ち上げるのが億劫になって描かなくなった時期もあったりしました。

そもそもデジタルイラストを始めたばかりの人は、お絵描きソフトの使い方もよく分かっていません。
ソフトの操作方法を覚えるのもしんどいのに、お絵描きでもしんどいトレーニングをやらされたらまあ嫌になります。それはそう。
デジタルに限らずアナログでも「鉛筆どういう風に削ればいいの?」とか「鉛筆の動かし方がわからない」とか慣れないことが色々あると思います。
ツールに慣れるだけで大変なのに、お絵描きトレーニングでも更につらい思いをしたくないですね。

あとは、イラスト初心者にまずデッサンをオススメする人もよく見かけます。
模写を続ければ上手くなる、という人もいます。
それこそ対戦ゲーム初心者に対して「とりあえず4時間試し撃ちするのを1週間欠かさずに続けたら上手くなるぜ」とか「上手い人の動画を見て勉強しつつ、動きを真似するといいぜ」と言ってるようなものです。無茶言うな。
よっぽどの根性があるか、めちゃくちゃモチベが高い人、パッションがある人以外はまず辞めるでしょうな。
辞めなかったとしても、楽しくはないと思います。

トレーニングしたら確実に上手くなるのは事実です。
でも絵の初心者に必要なのは、まず何よりも「描く楽しさを知ること」だと思います。
ここが分からない状態で黙々と練習頑張っても挫折する可能性が高いし、ひたすらつらいですね。苦行。

ゲームだって最初は何もわからない状態で触ってみて「わー楽しー!」だと思うんですよ。
で、ある程度慣れてきたら「もっと上手くなりたい!上手い人がやってるあの動きはどうやったら出来るんだろう?」と色々調べたり練習します。
そうやって段階的に上手くなっていくものだと思います。

「なんもわからんけどこのままでも楽しいからいいや!」って人もいるだろうし。
それこそ子どもってよっぽどの神童じゃなければみんな絵なんてへたっぴだと思います。
でも本人たちはすごく楽しそうに描いてる。上手い下手とか気にしてないからです。
別に上手くならなくても、本人が楽しければそれでいい
プロを目指すなら困るかもだけど、趣味の場合は自分が楽しければそれでいいんです。

幼い頃から絵を描けた人と描けなかった人の差

絵を描けない人というのは、絵を描ける人からしたら当たり前の事が分かってないです。
描ける人からしたら本当にありえないレベルで何も分かってないんです。

私は初心者の頃、顔のアタリをどうやって書くのかがわかりませんでした。
「丸ってどんな風に描けばいいの?」「線の太さはどれくらい?」とかそんな疑問が浮かぶわけです。

描ける人からしたら「アタリはアタリだよ」「ペンとか線の太さは適当に」「自分のやりやすいように丸描いて線引く」とかそんな認識だと思います。
そしてこう思うでしょう。
「アタリの引き方がわかんないってどういうこと?なんで?」

でも本当にわかんなかったんです。
絵が描ける人は、まさか描けない人がこのレベルで何もわかってないとは思ってないんじゃないかと思います。

ちなみに一応解説しておくと、アタリはパーツを置く目印に過ぎません。
目印にさえなれば多少ぐちゃぐちゃでもいいし、使うペンもなんだっていいし、人それぞれです。

ただアタリが無いとパーツ同士のバランスをとるのがすごく難しい。
口がすごく上の方になっちゃって、アゴがすごいことになったり。
左右の目の高さがズレて不安定な絵になってしまったり。
アタリは設計図のようなものです。
設計図なしで建物を建てようとして「作ってみたら土地からはみでちゃうんだけど」「なんか屋根がおかしくなった」とかなったら困りますよね。

だから目印を引こう
これがアタリの存在意義です。

なんか脱線したけど、とにかく描ける人と描けない人との間にはこういう認識のズレがあり、それによりすれ違いが発生しています。
描ける側の人にとっては当たり前の事でも、描けない人にとっては全然当たり前じゃない。

小さい頃から絵を描き続けてきた人は、好きな絵を描く過程で様々な事を感覚として身につけます。
感覚として身についていったものなので、他人には上手く説明出来ません。

初心者用のイラスト参考書を読んでも全然わからない。
一番知りたいところの説明がない。なんか説明がふんわりしている。
こんな経験をした人も多いと思います。

これは著者がいじわるしているわけでも何でもなく、「単に当たり前すぎて説明するまでもない事だと思っている」「そもそも著者の中では当たり前の事すぎてこれがわからない人がいることが認識できていない」という可能性があります。

「どうやったら言葉を話せるようになりますか?」「話すために何から勉強すればいいですか?」
誰かにこう聞かれたら困ってしまう人が大半だと思います。
「なんとなく…」「気付いたら喋れるようになってたからなぁ…」
の発音ってどうやればいいんですか?」
「え、なんか口を縦に大きく開けて………」
こんな曖昧な答えになっても仕方ないですね。

幼少期の頃に大人の真似をしながら、ときには簡単な言葉を教えてもらいながら、成長するにつれ少しずつ言葉を話せるようになる。
みんな「言葉を学ぼう」と思って話せるようになったわけではないと思います。
そんなお子様がいたら怖いです。
だんだんと自然に喋れるようになったはず。

これはイラストにも当てはまります。
「どうやったら絵を描けるようになれますか?」
幼少期の頃から絵を描いてきた人にこの質問をしたら、困ってしまうと思います。
彼らは漫画やアニメを見ながら好きなキャラを描いたりしていくうちに、自然と描けるようになっていったからです。

今絵を描けない人だって、小さい頃はクレヨンでお絵描きとかやってたはずです。
それが、成長していくにつれて何かしらの理由で描くのを辞めてしまった。
クラスメートに描いてる絵をバカにされて辞めてしまった、みたいな人もいるかもしれない。

小学生の頃、好きなマンガやアニメを真似して描いてみたけど「全然上手く描けない」「なんか変になる」
私はこれでだんだん絵を描かなくなっていきました。

ここでめげずに描き続けたら、私は「当たり前のように絵が描ける人」になっていたことでしょう。
結局は根性とか絵に対するモチベーションの問題です。

当たり前のように描ける人からしたら、絵が描けない人に対して「絵描けるようになりたいならとにかくペンを持って描くといいよ」「好きなキャラをひたすら描いてれば自然と描けるようになるよ」「模写するのがいいよ」と言いたくなります。
このアドバイスは正しいけど間違っています

絵がろくに描けない状態で好きなキャラを描きます。
「誰やこの微妙すぎるキャラは………」「つらすぎる」「どうしてこうなった」「かわいくない」
殴り書きで恐縮ですが、分かりやすく図にしてみました。

字が汚いのはゆるして

たまに神絵師が昔の絵を出して「昔の絵はこんなに下手だったんですよ!」って黒歴史ご開帳してますが、「おい全然上手いじゃねーか
本当に下手な人間の絵をナメないでいただきたい。どの口が下手って言ってんだ。あんたは上手いぞ。誇れ。

下の画像を見てください。12年前の私の絵です。

2012年8月8日に描いたらしい

たしか板タブを買って初めてのデジタル絵とかそんなんだった気がします。
微妙ですね。そもそも眉毛がねえ!線もガタガタ!ツッコミを入れるとキリがないです。
でも何より「かわいくない」というのが最強につらいポイント。
当時の私は絶望しました。

こんなんでも当時の私からしたら初めて触るお絵描きソフト、慣れないペンタブを駆使してそれなりに頑張って描いた絵のはずです。
むしろこんな状態でも絵を描いた自分を褒めてあげたい。もはや偉業ですよ。

まだまだあります。

あの花めんまですね。懐かしい。
一目でめんまだと分かります。特徴をよくおさえていますね。
陰影の事が全くわからないながら影をつけようとした形跡もあります。えらいです
ただ、かわいくはないです。今多少描けるようになったからそう感じたわけでなく、描いた当時も普通にそう思いました。悲しい。

お手本をよく見て」「資料をよく観察して
絵を勉強し始めると様々な場所で目にする言葉です。
でもこのめんまは当時の私がちゃんとお手本を見ながら描いたものです。
初心者ながらバランスもそこまで破綻してないです。が、かわいくない
かわいい元絵めんまを再現しようと一生懸命頑張った結果がこれです。

「頑張って描いたのに………」
「自分にはセンスがない。絵心がない」
挫折。こうしてペンを折った初心者は数多くいるはずです。

ちなみに今なら、当時上手く描けなかった理由を言えます。
この絵を描いた頃の私がそうなんですが、そもそもお手本の見方、観察のしかたが分かっていませんでした
資料を見るのが大事だということはわかっているのですが、どう見て活かせばいいかがわからないんです。

お手本の絵があるとします。
まず絵が描ける人は、このお手本を脳内でシンプルな形に置き換えます
シンプルな形でアタリをとります。
アタリでパーツの位置を定めます。目の高さとかですね。
それからきちんと各パーツを書き込んでいきます。
だから破綻のない整ったバランスの絵を描くことが出来るわけです。

殴り書きでアレだけどこんなイメージ

初心者はそもそも単純化とか出来ません
だからアタリもなくお手本をそのまま描こうとします。無謀です。
バランスぐっちゃぐちゃの悲しみしかない絵の出来上がり。

アタリなしで完璧なバランスの絵を描ける人は、よっぽど描きまくったプロフェッショナル人間かよっぽどの天才かだけです。

こんだけ書いたのでアタリがいかに大事かがお分かりいただけたかと思います。あの頃の自分にも教えてあげたい。
ちなみに初心者向けお絵描き講座では「なぜアタリを書くのか?」についてはほぼすっ飛ばされてると思います。絵が描ける人にとっては「地球が丸い」くらい当たり前のことだからです。
ただ「まずアタリをとります」とだけ教えられます。
初心者はよくわからないながら、なんとなくアタリをとるようになります。私がそうでした。

が、前述したとおりアタリとはすなわち設計図です。
設計図次第で出来は大きく変わります。
顔を描くうえで何より大事なのはパーツのバランスです。
どんなにパーツが細かく描きこまれていても、バランスがおかしいと違和感のある絵になってしまいます。
逆にシンプルな形のパーツでも、バランスさえちゃんと取れていれば「ちゃんと描けてるじゃん」感が出る、とも言えます。

目の高さが高いと大人っぽく、低いと子供っぽくなる


だいぶ話が脱線してしまいました。

みんながみんな「めっちゃ下手でもめげずにいっぱい描いてたらそのうち上手くなるはず!」って頑張ってたら、そもそも大人になってから絵が描けない人になってないです。
いや頑張ってきた人もたくさんいるでしょうが、かなり辛く苦しい思いをしてきたはずです。

今回この記事を書くにあたって、上の12年前の絵をリメイクしました。
といってもめんどかったので適当です。
殴り書きです。ほんとに適当です。雑。上手くはない。
でもそこそこかわいくは描けたと思う。
これ、多分12年前の絵の方が描くのに時間かかってます。

5分で描きました


雑めんま。

12年前と比べるとだいぶ上達した気がします。
かわいくなるようパーツを配置してるのでちゃんとかわいいですね。

この12年間、毎日欠かさず絵の練習をしてたわけじゃないです。
というかほぼ描いてない時期の方が長かったと思います。
本格的に描くようになったのは5年くらい前からでしょうか。年齢的には30とかそんなんです。
iPad proとApple pencilを買ったのもあり、よし今度こそやるぞ!という気持ちでイラスト指南書を何冊か模写してました。
「どこがやさしいのか全くわからない」でお馴染みのルーミス先生「やさしい人物画」の模写もやりました。とてもいい本ですが初心者にはオススメしません

描けない時期を味わってきた人間なので、自分基準で徐々に上手くなっていく過程は純粋に楽しかったです。大変だったけど。
自分より若くてめちゃくちゃ絵が上手い人が身の回りにゴロゴロいました。
なるべく意識しないように頑張ってました。
「彼らは小さい頃から欠かさず絵を描いてきた人種だ。経験値が違う。比べてもしゃーない。こっちはマイペースにいこう」

下のやつは当時描いた「お絵描きチュートリアル」という本を模写した時の画像です。
わー前より描けるようになってる!しかも全身!すごーい!

2020年7月に描いたやつらしい。

なんで傾いとんねん。

アタリの重要性を理解してなかった私は、この時真面目にアタリを引いていませんでした。そのせいでこの時期描いた全身図はだいたい傾いてます。うける。
キャンバス内に全身をおさめるつもりがなぜかはみ出てしまった、みたいな事も多々ありました。

模写だけじゃダメだよなと思い、「模写だけじゃなくオリジナルもどんどん描いた方がいい」という世に出回るありがたき言葉を真に受けて、オリジナル絵を描きました。

2020年8月

どうしてよ。
模写しながら学んだはずのあんなこと・こんなことが全く活かされてないです。いや、多少はどうにかしようとした痕跡が見られます。
こんな微妙作品量産したところで楽しくもなんともない…というか辛いだけなので「これなら模写だけやってたほうがいいわ」になりました。


模写しか出来ない人になった

まあ紆余曲折ありつつも色々模写を続けて、見たものはだいたい描けるようになりました。

2022年9月に描いたらしい

画像は「制服女子キャラ描き込みドリル」という本を模写したものです。
描き込みドリルという名前ですが、この絵はそのままなぞったわけではなく、自分でアタリとって描いてます。
まあだいぶ上達したものだなぁと。

ここまで描けるようになるとまあ何でも描くのが楽しくなって、とにかく模写しまくってました。
ただ、模写だけじゃ物足りなくなってきます。
模写で上手く描けたからといって、それはただの模写でしかない。
自分の作品とは言えないわけです。
私は自分の作品といえるものが描けるようになりたかった。

でもどうすればいいのかわからない。
そもそも、模写は上手く出来るけどいざオリジナルのものを描こうとすると全然上手くいかない。
”自分の作品”というものの具体的なビジョンも見えませんでした。
あと、絵が描きたい人って「このキャラが描けるようになりたい!」って強いパッションを持ってる人が多いと思うんですけど、私はあまりそういうのがなくって…。
単純に絵を描く行為そのものに楽しさを見出していたんです。

ゲームだって目的を持ってやる人と楽しいから漠然と続けてる人といると思います。イラストも一緒です。私は完全に後者でした。
インターネットを眺めると前者が圧倒的に多いです。

描きたいキャラクターがいないわけでもなかったんですが…。
自分の中でもよくわかんない事になってました。

そんな中でも好きなキャラクターとこのポーズを組み合わせて…とか色々試行錯誤はしてました。

2022年10月

スプラトゥーンのイカちゃんを眺めながら「制服女子キャラ描き込みドリル」に載ってたポーズをとらせて体型をイカちゃんにフィットさせる、みたいな事をやってたりしました。
今思えば方向性は間違ってなかったのかなと。
で、色塗り本を眺めながら色塗りの練習もしてみたり。

イカちゃん

上の絵はわりかしいい感じに塗れて気に入ってるんですが、色塗り本の逆光・バストアップのイラストをそのままイカちゃんに当てはめただけでした。
だから応用はきかない。

今思うと、この頃はとにかく真似てるだけで構造とかきちんと理解しようとしてなかったんだと思います。
最初にシルエットとか大まかな形取るだけで、その部位がどうなってるのかという意識が足りてなかった。

で、次。

ビミョーになった。どうしてこうなった
なんかもうこの絵描いてる途中で「イメージと全然違う!」って投げやりになってます。

久々に描きたいものが思い通りに描けない状況に陥りました。
てか陰影わかんねえ

で、陰影のつけ方についてめちゃくちゃ調べます。
いろんな文章を読んだ。陰影についての説明が書いてある。
わかるけどわかんない
理屈はわかるけどじゃあこれを絵に反映させるにはどうしたらいいの?そこがわからない。
デッサンとかやらなきゃだめなのかなぁ…とか考えたり調べたりしてました。でも何もわかってない状況でデッサンやっても辛いだけな気もします。
モヤモヤして寝れません。
この日は結局7時間くらい考え続けて徹夜しました。

これも結局、なんとなく模写ばかりして構造を理解してなかったからなんだと思います。
「漠然と模写してるだけではダメだ」ということは知識としては分かっていました。
が、今振り返るとこの頃の私は漠然と模写してましたね。自分が落とし穴にハマってても案外わからないものです。

まあ陰影について調べまくってたら、パルミーにある講座にわかりやすく説明してくれそうな動画があったので、思い切ってパルミー契約してみることにしました。

で、そっからまた模写模写模写祭り。
動画見ながら真似してみたりしてました。

パルミーの講座見ながら描いたやつ

陰影についても「なんもわからん」から「こういうこと…なのか?」くらいにはなりました。
また模写祭りに戻ったのは、プロの様々な描き方を実際に目にして「知識欲が満たされて楽しい!」になってたんだと思います。
病的なコンプ癖なのもあり「とりあえず動画全部見るぞ!話はそれからだ!」と変な方向で意気込んでました。
ただ、今までの模写と違ってちゃんと構造を理解出来るようになった、実体を意識して描けるようになっていった気がします。

合間に落書きとかもしてました。

ささっと描いた割にはいい感じに描けたと思う。横顔美人。


ジェスドロ

パルミーでも人気講座のジェスチャードローイングにたどり着きました。
最初は「ほんとに効果あんのかな?」なんて半信半疑になりつつ「たのしー!」って描いてた気がします。

ジェスドロ。1分か2分で描いたやつ

ジェスドロって印象を線にする練習ってことだけど、アタリを描く練習にもなってる気がします。
アタリ、この記事でも散々話題にしたのでめちゃくちゃ重要なのはお分かりいただいたと思います。

ジェスドロは1分とか2分で上の画像のような人体を1体描きます。30秒とかの場合もあります。
棒人間的なものとはいえ、人体を1分で描くとか意味わかんないですね。
失敗作もたくさんあります。

1分で描かないといけないんで、当然細かいパーツを丁寧に描いてる暇なんかないです。
上半身、骨盤、脚、手、頭をシュシュッと描いてく感じ。
脚なんて線1本でビュッです。だって時間がないから。でも不思議と脚だってわかります。
上のジェスドロ画像を見ると、確かに棒人間だし顔とかもない。
ないんだけどどんなポーズをしてるかっていうのは何となく分かると思います。横向いて胸反らして杖みたいなの持ってんなーって。
どことなく自信満々な感じが伺えます。凛々しさが全面に出ているというか。
表情もわからないのに不思議ですね。


ジェスドロって絵を描くにあたって大切な、パーツをシンプルな形に置き換える練習になるんです。
絵を描ける人っていうのは、単純化できる。
複雑な形でも、脳内で円柱とか直方体とか単純な形にぱぱっと出来ちゃうわけです。
よく言われている「円や四角形が上手に描けるようになったら何でも描けるようになるよ」とはそういうことです。
で、単純化したおおまかな土台から細かいパーツを描きこんでいく。

上でもちらっと書きましたね。それでも最初のうちはやっぱりパーツを細かく捉えようとしちゃうわけです。シンプルな形に変換しきれていない。
それを鍛えるのがジェスドロです。
この考え方だとクロッキーの方が近いのかな。まあいいや。

ジェスドロ初日のなんもわからんかったやつ

1時間一生懸命描いた絵が微妙だったら「めちゃくちゃ悲しいつらいやめるわ」ってなるけど、1分で描いたやつがめちゃくちゃでも「まあ1分だしなガハハ!はい次次」ってなるので精神衛生上良かったです。
あと講師の先生がめっちゃ愉快な方だったので動画見ながら楽しく続けられました。

5分もかからずさっと描いたやつ

ジェスドロ何日も続けて、上の画像みたいなラフがマジでささっと描けるようになりました。模写じゃないです。
変な迷い線とか全然ないです。消しゴムもほぼ使ってないはずです。

お絵描きのハードルがめちゃくちゃ下がりました
ジェスドロの真の恩恵はこれだと思う。マジ。

2022年12月

これも3分くらいで描いたやつです。ラフなのにどことなくいい雰囲気ですね。
ジェスドロもだけど、パルミー講座のいろんなTipsの成果が出てる気がします。
パルミー様々。でも金と時間が必要なのと、講座動画のクオリティも結構ピンキリだったりします。素晴らしい講座もたくさんあるけどちょっとこれは…な講座もあります。
構造も意識出来るようになってきました。ぼちぼちオリジナル絵も描けそうです。

そして…


ゲームにガチでハマって1年以上絵描かなくなる。

ズコー。
楽しかったんです許してください。
でもゲームしながら頭の片隅で絵の事は考えていました。
描かなければいけない強迫観念とかではなく「今キャラにこう光が当たってるからこう陰になるんだな」とかそんなんです。
別にちゃんと考えてたわけじゃないけど、ぼんやりそんな事を思いながらゲームしてたって感じです。

最近になってゲーム欲も落ち着いてきて、またぼちぼち絵描き始めました。

学マスのリーリヤ

単純な正面立ち絵ですけど、だいぶ構造とか理解出来てきたような気がします。トレースじゃないですよ。ちゃんと自分で0からアタリとって描きました。
影つける時も自分の中で納得しながらつけました。
どうしてここに影やシワができるのか?を多少は意識出来た気がします。

何となく分かった状態になったんで、これからはめっちゃいろんな絵描いていきたいです。
いつか絵の描き方講座みたいなのもやってみたいですね。
もともと描けない側の人間だったのもあって、説明に関しては自信あります。
もっと絵が上手くなって説得力が上がったらやりたいなと思ってます。

私が大人になってからそこそこ描けるようになったのって、自分の時間がたくさん取れて、その時間を描くことにあてることが出来たからです。
でも時間をかけずにもっと効率よく、楽しく色々理解する事が出来たんじゃないかと思ってます。

アタリの話しかり、楽しく描き続けるための基礎知識をいつかまとめられたらなぁと思います。


なんか前半部分で言いたい事言いきって、後半謎に自分の絵の振り返りとか始めた結果、めっちゃ長い文章になってしまいました。
なんか理由もなく突然書きたくなっちゃって…。執筆で1日が吹き飛びました。
9000文字だって。こわ。
(色々追記したら更に文字数増えて10000文字になりました)

あと1つだけ言いたい事がありました。
イラストって本来すごくカジュアルなものだと思うんです。
選ばれた人間しか出来ない高尚な技術とかじゃないです。
紙とペンがあって、描こうと思えば誰だって描ける。
少なくとも、文字や記号が書ける人なら必ず絵も描けるはずです。というか文字と記号も言ってしまえば絵です。
多少の上手下手はあると思いますが「まったく書けない」ということはないと思います。
絵もそれと一緒です。描き方の手順さえ知れば誰でも描けるようになります。絵心がないんじゃなくて描き方を知らないだけです。

こんななっがい文章をここまで読んでいただいた方、ありがとうございました。

オススメ本

ガチ初心者向け最初の1冊としてオススメな本。
どれもいい本です。全部読め!ってわけじゃなくて気になったやつがあれば読んでみてください。
初心者だけじゃなくて、スランプの人が初心に立ち返るのにもいい本なんじゃないかなと思います。

ラクガキマスター

肩肘張らずに絵描こう!と思える絵を描く楽しさを教えてくれる良書です。
本屋でたまたま気になって買った本だけど、いまや私のバイブルです。
さらっと読むだけでも楽しい。

ヒロマサのお絵かき講座

小学生も読める感じでマンガ形式になってます。
めちゃくちゃ噛み砕いて説明してくれるので易しいし優しい。
体編と手編もあります。
助手ちゃん(表紙の女の子)の絵がめちゃくちゃ下手な状態からだんだん上手くなってくのが一緒に上達してる感あっていいです。

ゆるっとかわいいイラストの描き方

いわゆるゆる絵ってやつです。
シンプルなので模写もそこまで苦じゃないし、かわいい。
ゆるいながらパーツ単純化してアタリとるプロセスから教えてくれてます。
「ゆる絵は興味ないよ~」みたいな人でも一度目を通してみるといいかもです。

制服女子キャラ描き込みドリル

表紙のとおりめっちゃかわいい女の子が練習出来ます。
説明もわかりやすくていい。なぞり描き→描き込みという形式なのでハードルも低い。
かわいい女の子が描きたい人に特にオススメです。

伝わる絵の描き方

キャラクター絵とかじゃないけど、物の構造を理解する、形をとらえるとか超基本的なことを徹底的に易しく教えてくれます。

10パーセントの力で描く はじめてのジェスチャードローイング

上で書いたジェスドロ講師の方の本です。
ゆるい気持ちで取り組めます。著者の経験に基づいて書かれてるので説得力もあります。
キャラが濃いしその濃さが本にもにじみ出ているので多少の合う合わないはあると思います。

絵がふつうに上手くなる本

初心者は最初のグリッド模写の項目だけ読んで実践してみればいいです。
大まかな形をとる、観察眼を鍛える練習が出来ます。
それ以降の項目は初心者には難しい内容なのでひとまずスルーで大丈夫です。
プロのイラストレーターになりたい人向けの話も書いてあります。

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