そのショップカード、本当に必要ですか?
こんにちは。うつわ屋enの佐原です。
お店をしていると、よくショップカードを褒めていただくことがあります。
一般のお客様もそうですが、やっぱりご自身で何かお店をされている方は特に反応してくださって。
「どこで作ったんですか?」っと尋ねてくださいます。
カフェのちょっとしたスペースに置かせてもらったり、お客様に配ったり。あると便利ですよね。
だけど私は正直、ほとんどの業種でショップカードは必要ないんじゃないかなって思っています。
なんなら別に、うつわ屋さんにも必要ないと思っています。
「あれだけ主張あるショップカード作っといて何言ってんだおいおい!」って感じですよね(笑)
これにはきちんと理由があるので、今回はこのショップカードについてお話ししたいと思います。
出先で出会ったお店のショップカードって大切に取ってる?
私は基本的にショップカードやらポイントカードやらは持たないようにしていて、ここ最近は電子マネーが普及していることもあってか、スマホだけ持って出ることも多いです。
それでも「あ、このお店覚えておきたいな」と思ったお店のショップカードはたまに手にとったりするのですが・・・
Instagramのアカウントを見つけたら用済みになってしまい、申し訳ないですが「ポイ」しています。(本当にすいません)
もしくは行方不明になっているか、取ってきたこと自体忘れているか。
皆さんも身に覚えはありませんか?
SNSが普及しているこのご時世において、ショップカードの存在意義ってなんなのでしょう?
覚えておきたいだけならショップカードがなくても、写真を撮るなり手帳に書き込むなり、その場でInstagramで検索するなりできるはずです。
それなのに、ただのメモ代わりに使われるショップカードを数千円、数万円のコストをかけてまで作る必要性はあるのでしょうか?
または自分で作るとして、開業前の貴重な時間を消費してまで作るものなのでしょうか?
私はそんなことしたくありませんが、気持ちはすごくわかります。
私も以前は、義務的にショップカードを作ったことがあるし、なんならショップカードに頼ろうともしていました。
マーケティングの知識もなく、主人の美容室が経営難だった当時は「とにかく何かやらなきゃ」という一心で、主人自作のダサいショップカードをいろんなお店に置かせてもらっていました。
いろんなショップへ「ショップカードを置かせてください」とお願いして周り、なくなったかなと思う頃にまた置かせてもらいに行ったり。
いろんなショップを回るので数時間は消費されます。印刷するコストもかかります。
だけど結果は、ショップカードを見て来店される方は月に1人いるかいないか。いや、もっと長かったか?
そしてその後はリピートされることがあったりなかったり。
完全に労力に見合ってない。この時、「どうせ捨てられるショップカードなら、別になくてもいいじゃん」って思いました。
自分が思ってるよりきっと、お客様は大切にしてくれません。
そもそもショップカードがなければ知ってもらえないような、思い出してもらえないようなビジネスなら破綻している可能性のほうが高くって。
私たちの美容室が経営難だったように。
なのでショップを知ってもらうなら、覚えてもらうなら、ショップカード以外で工夫した方が絶対にいい!と考えています。
その他に目的があるのならもちろん作っていいですよ。
私がショップカードを作った理由は
ちなみに私はと言うと・・・
「相談してほしかったから」なんですよね。
同じように起業した人、既に起業して頑張っている人や、会社に所属していてもスキルアップしたいと考えている人と繋がりを持てることは、私にとってとても価値のあるものなんです。
私一人で地元を良くするなんてできないので、同じような志を持った人を応援することでそのスピードは倍になると考えています。
だからこそ向上心のある方と出会う必要があるし、私が持っているノウハウで良ければ提供する。その結果良い方向に進むのなら万々歳です。
前職でマーケティングやSNS運用の方法は学んだし、その結果主人の美容室をV字回復させ、自分でショップを立ち上げ順調に伸びている。自分のスキルが通用するとわかった今、出し惜しみする必要はどこにもなくて。
集客のノウハウを販売している人には悪いけど、私は公開します。(すいません)
収入源は自分で何とかすればいいから。
せっかく起業するんだから、やる気があるんだから、うまくいってほしいし応援したい。それが最終的に、地域を元気にすることに繋がると思っています。
だから相談のきっかけとなりそうな物には全てこだわった。これが私のショップカードが必要な理由です。
▼ちなみに主人の美容室についてのお話はこちら
SNSが普及した現代においてショップカードがもたらす効果とは?
SNS・スマートフォンが普及していなかった90年代であれば、確かにショップカードは有効な集客手段だったと思います。
しかし現在はSNSが普及しているため、ショップカードは「集客」面で効果を発揮することはほとんどありません。
効果を発揮できるのはおそらく「ブランディング 」面。
そのお店の在り方や人となりがわかるとか、会話のきっかけになるとか。
あくまできっかけに過ぎません。
その点を踏まえた上で、ショップカード作りに入られるといいのかなと思います。
とはいえ、イラストレーターの使い方なんてのは紹介しませんよ。ネットにたくさん知識が落ちてますし、私そんなに扱えないので。笑
私が教えるのは『テストでここおさえとけば大丈夫!』てきなポイントのみです。
でもこれが一番大切ですからね!誰も教えてくれなかったけど!
ではではさっそくGO!
ショップカードを作るコツ
前置きが長くなりましたが、「私にはショップカードを作る意味があるわ!」と言う方のために、ここからはショップカードを作るコツやtoolについてご紹介しますね。
まずは現状把握!基準を知りましょう。
どんな場面においても、現状把握が何よりも大切です!
実際に他の人が作ったショップカードを観察しに行きましょう。
それからクオリティごとにランクを分けます。
ダサいやつ、普通のやつ、いいやつ。
何がどうだからそう感じたのかも整理できるとベストです。難しいければ感覚でOK。
どれくらいのクオリティが必要かを考える
次に、使うシーンや人に合わせて、どれくらいのクオリティが必要かを考えること。
私の場合は、「うつわが大好きな経営者や仕事に向上心のある人が、レジで素敵なショップカードを見て手に取る。そのクオリティに思わずどこで作ったの?と聞いてしまう」ことを前提に作っています。
その信頼関係と出会いはいくら広告費をかけても獲得できるものではないので、高くても作る価値のあるものだと思い制作しました。
100枚で1万円ちょっとしたかな?(相場は2〜3千円とネットに書いてあったけど本当かな?だとしたら10倍?ヒッ。)
そんな訳で、自ら手配りするようなことはしません。お客様が自主的にくださいと言われたときのみどうぞと言っています。
もちろん他のお店に配りに行ってもないです。(ショップに置かせてと言われてお渡ししたことはありますが)
もし集客のために手配りしようもんなら毎月2万円ほど飛んでいきます。集客のリターンはあまり期待できないのに。そんなことに費用をかけるならSNS広告に使った方がマシでしょ?
皆さんの場合はどうでしょうか?
「どんな方法でお客様の手にわたり、どんな行動をとってもらうか」を踏まえてどれくらいのクオリティにするかを決めてみてください。
先ほどもお話ししたように、知ってもらう・覚えてもらうだけなら圧倒的にSNSの方が費用対効果がいいですし、他にいくらでも方法はあります。
また、ハイセンスじゃなかったとしても、変わったカードでも十分会話のきっかけになります。
ハイセンスなショップカードが必要な場合は、その他のショップカードに対してどれくらいのクオリティで差をつけるかしっかり作戦を練って行きましょう!
何を記載するか決める
店名や連絡先云々はもちろんですが、そう言った基本的な話は「名刺 作り方」とかで検索して調べてください。笑
このパートで私がお伝えしたいのはただ一つ。
大切にすべきなのは「店名よりもどんなショップかが伝わること」です。
私の場合は「うつわ屋」と店名に入っていますので、何屋さんかは予想できると思いますが、店名から何屋さんかわからない場合は、何のお店か思い出してもらうのは難しいですよね。
皆さんは、気になって持って帰ってきたショップカードを後から見返して、どんな特徴のあるお店だったか思い出せなくて「捨てちゃお」って思ったことありませんか?(私はめっちゃあります)
そんなことにならないように、「こんな特徴があるお店です」というのをショップカード全てを使って表現する必要があります。
私の例をお話しするとこうです。
この3点に絞って作っています。具体的に説明すると・・
「特別なうつわとの運命的な出会い」は赤色と糸のような線で、「ほっこり癒される」は用紙の質感や裏面の写真で表現しています。(移動販売の車も赤だしね)
ここで注意すべきは、詰め込み過ぎは良くないということです。
なので以下の2つに絞って考えるのがおすすめです。
皆さんも自分のショップに置き換えて考えてみてくださいね。(この置き換える作業が頭を悩ませるんですけどね。笑)
これが決まればあとはサクッと行くんじゃないかな〜。
逆に、「何を伝えたらいいかわからない」という方は要注意。
自分が何を伝えたいかわからないようなビジネスでは、お客様も何がいいのかわかりません。
ショップカードよりも先に、「誰の何のためのビジネスか」「周りに同じことをやっている人がいないか」を考え直すことからやり直しましょう。
用紙選び
さて、何を伝えたいか決まった方はいよいよ用紙選びです!ワクワク♡
伝えたいことにぴったりな用紙を選んでいきましょうヽ(´▽`)/
ちなみに先ほどクオリティのランク付けをしてもらったかと思いますが、もしいいショップカードが必要な場合は、「他の人が使っていない特別感のある用紙」を選ぶのがおすすめです。
百聞は一見にしかず。ぱっと見で違いがわかる用紙はやっぱり、インパクトがすごいです。
だからこそ他の人が作ったショップカードをまず観察する必要があったんですね。
ちなみに私が使っているのは、whooオリジナルの用紙です。
おしゃれな用紙や加工方法などが選べるのでこだわりたい人におすすめ。
逆に、普通のクオリティで良ければ用紙にこだわる必要はありません。
普通の用紙でもいいし、少しだけ差をつけたいなら印字の際に凹凸ができる用紙を選べばいいと思います。
どの印刷会社でも扱っているので、担当者との相性とかサイトの使いやすさで選ぶといいと思います。
用途に合わせて選びましょう。
最大の難関、デザインはどうする?
はい、おそらく皆さんが頭を抱えているのはこちらではないでしょうか。
私も苦手な部分であります(汗)
「そんなこと言って、いい感じに作ってるじゃん!」と言われるのですが違うよ本当に!
ゲームに攻略法があるように、大体のことに攻略法は存在するのです。それさえ知っていれば誰でも私くらいのモノは作れます。
このパートでは、使用するtoolとデザインに分けて紹介していきます。
何のツール使えばいい?
自作する場合によく使われるのは「illustrator」や「Photoshop」なのかな?
最近ではスマホで完結できる「canva」なんかもありますが、どれがいいのかという話ですが・・
結論、どれでもいいです。笑
自分で入稿まで出来なくても、こんな感じで作りたいんですって画像データを渡せば印刷会社の人がやってくれるし、やりたいことが決まっていればクラウドワークスなどで安価に依頼も出来ます。
今の時代、illustratorが扱えないと作れないなんてことはありません。
自分で作りたいけど時間がなければcanvaでサクッと作ればいいし、時間があってスキルを身につけたければillustrator使って作ればいいし。
私の場合はillustratorでしたが、触ったことあるよ程度です。
ネットにはたくさん知識が落ちているので、検索しながらすれば何とかできました。めっちゃ時間かかったけどね。いい経験になりました。
ご自身の環境に合わせて選択してください。
ちなみに先ほどおすすめしたwhooは、Aiデータの他にPDFデータでも入稿できるので、illustratorがなくても入稿できます。便利〜。
デザインはどうすればいい?
さてみんなが気にしているデザインですが・・・。
素人が0から構成を決めて、デザインを決めて・・・なんてそもそも無理なんです。だって勉強してないから。
まずはお手本にしたいプロのデータを漁りまくること。
ここでポイントなのは、構成(写真や文字の配置)を参考にしたいデータと、配色を参考にしたいデータを見つけることです。
構成も配色も完璧に理想系なデータはまぁ、あんまり見つからないので。
色と配置は分けて考えましょう。
また、写真を使うとより伝わりやすくなるのでおすすめです。
(写真に関しても、フリー素材などにある写真の構図を真似して自分に置き換えるといいですよ)
余裕があればフォントにも拘ってみてくださいね。
そこには参考データと同じフォントか、似た感じのフォントをひたすら探す地道な作業が待っています!笑
(私のショップカードはデータが出来上がるまで1ヶ月くらいかかりました。ぴえん)
そんな地道な作業する時間ないよという方は、クラウドワークスや印刷会社の方に参考データと大体の構成、配色イメージを伝えて作ってもらうといいと思います。
データは一度完成すれば次回からはコストも抑えられますし、依頼するのもアリだなーって思います。開業前って何かとバタバタするし。
時間は貴重なモノですからね。
作り方まとめ
ざっくりこんな感じです。
とにかく自分で考えるより、お手本を見つけてマネしつつ、自分なりのアレンジは加えるって感じですね。
その行動に『意図』と『ゴール』はあるか?
さて、ここまでいろいろ書いてきましたが、今回お伝えしたかったのはその行動に対して「意図」と「ゴール」はあるかということ。
これに尽きます。
「みんながやってるから」という理由でやるのは本当にもったいない。
「なぜやるのか(意図)」「その結果どうなるのか(ゴール)」を考えみてほしい。
特に長いこと当たり前のようにやっているマニュアルやルールには落とし穴がたくさん。
長い習慣こそ疑え、です!
まとめ
ショップカードにおいては長いこと作るのが当たり前でしたが、SNSが普及した現代においてショップカードの存在意義とは、集客のためでなく「ブランディング」のためにあるべきではと私は考えています。
はぁ・・
今回は長すぎてまとめるの難しかった。
ちゃんと伝えられている気がしない。
悔しい〜。
そのうちまた書き直して整理します。
ではまた。
「地元には働きたい会社がない」という理由で地元を離れてしまう若者たち。そんな田舎で、「働きたい会社がないなら自分で作ってみよう」と思いうつわ屋さんを始めました。いつかは地元の「就職先」問題を解決するメディアを作りたく、サポート資金はそのメディア運営用の資金に貯金します!