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ナマケモノ工房@GARAGE

沖縄の土地で沖縄の空気を吸って焼かれたうつわたちが東京にやってきました。国立のGARAGEで5月31日までひらかれるナマケモノ工房展です。

ナマケモノ工房は、沖縄の恩納村で作陶されている伊藤英明・Hana夫妻の工房です。GARAGEでは伊藤さんの個展をしたことがありましたが、今回は2月に高田邸でGARAGEが展示したHanaさんの作品も見れる貴重な機会だと出かけました。

今回もHanaさんのカップは人気でした。
ナマケモノ工房は沖縄の土を使っていて、Hanaさんはその土の色に合う透明な黄色の色味をカップに使っています。

てのひらになじむ形は、手で削ったできたものです。模様は黒い土を削って白い土をうめる象嵌の技法を使っていて、単に削るだけの掻き落としではありませんでした。

一般的に象嵌は一部に使いますがHanaさんは「楽しくてしょうがない」と表面をほぼ塗り替えてしまうくらい削ってはうめる作業を繰り返しています。そうして描かれた模様はどれも沖縄の生命力ある植物を思わせるようで魅力的です。この柄を掻き落としですると、表面に凹凸がありすぎて手の中でゴワゴワすることでしょう。自由奔放な見た目ですが、かなり使い手の感覚も考えられていると思います。

青瓶とスリップウェアが伊藤英明さんの作品。Hanaさんとはまったく違ったスタイルです。同じ土・釉薬・窯を使っているのに、これだけ違うのがまた面白いです。

伊藤さんの作品が並ぶ棚。いわゆる民藝スタイルの焼物といえるでしょう。使い勝手に定評があるのも民藝に通じるものがあります。

しかし伊藤さんの作品は、たとえば掛け分けの2色使いにしても、絵画的なバランスを感じます。民藝よりも、より現代的なデザイン性があり、それが普段使っている中でじんわり魅力として感じられると思います。

それと比べると、Hanaさんの作品はやはり開放的です。沖縄の陽射しと澄んだ海を感じるような楽しさが溢れています。

この鉢もHanaさんの作品ですが、モネの絵を思わせる美しさです。

ナマケモノ工房展は5月31日の日曜日まで。店主・小田島さんが「GARAGEの定番でおなじみの、伊藤英明さんと、1月に初めて少しお披露目して、その『もの力』の強さに圧倒されたHanaさん」と書かれているお二人の作品が見れるのは東京では他にありません。ぜひ実際に手にとって見てみてください。


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