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今年とかん味処。

去年と今年は違う。そんな当たり前のことが、目に見えるほどわかる2年でした。
同じ商品(卵、羊肉)ながら、動きも違う。ある意味、チャレンジしかない。それであれば、試すことが出来るのは今。

2020年はコロナの年。いままでの仕組みや生活がガタガタっとなり、その中ではトリッキーな手法が通用した。というか、トリッキーがもてはやされた。商品にくっついている刺激が売れた。
そして、2021年はというと…ちょっと刺激的なものに慣れて、そういう手法は通用しなくなった。商品の能力が単純に試される。
何回か講座を受けたかん味処では、生産能力の向上、余計な飾りつけよりもとにかく商品能力だ、ということが強く頭に残り、トリッキーな「商品タイトル」「お手紙」「ダンボールの装飾」「SNS」がなくなったらどれくらい売れるのか?または売れなくなるのか?を試した。
(いっぽう、羊肉に関しては規格、育て方、料理の様子など写真でペライチのものをつけていた。5秒もあれば見終わる。)

おそらく、「手紙」がなかったら買わない、というのは、卵じゃなくて手紙を買っているのだ。それはエンタメであって、卵屋さんの仕事だろうか、と思う。それは食費でなくて遊興費に入っているのだから、継続性はない。飽きたら終わり。(もちろんその手法が悪いとは言わない…が、食玩と同じことになったら卵屋としての価値はない)
単純な商品力で売れる、ウマい=ウマくない(値段なりではない)のところに立たなければ、卵や羊肉を生産しているんではない、ということ。
リピートする理由の一番真ん中は「ウマい」から。
お寿司屋さんに行って、同伴人がこれはこう、あれはこう、なんてごちゃごちゃ言われたら美味しくても記憶に残りにくい。美味しいに説明は不要。それは商品自ら言葉を使わずして語る。食べる人はただそれに耳を傾ける。

ということで、商品名は「産地、規格、形態」に整え、アメージング封印。
わかりにくかったら買わない。わかりにくい時間が面倒。と、消費者と生産者の立場をぐるぐる立ち回って、いろんな実験をしました。

結果、リピートしてくださる方は「手紙」ではなく「味」が真ん中にあったのかな、という感覚。もちろん、食べて下さる様子はとても嬉しいし、商品のこともお話合えると生産者としては大ヒントなのでありがたかったり。
しかし、適切な距離こそが最も継続性があるのではないか。
声も知らないけれど、何度も買ってくださる方の方が多い。それが何よりの励みであるし、正解はきっとないけれど、食べてくださる方へより良い方法で届け続けられたらと思う。

ちょっと先のこと、もっと先のこと、考えてもどんな形になるかはわからないけれど、一緒にこのテーマを学んだ人たちがいて、教えてくれる人がいて、とても嬉しく思う。いつでも頭が痛くなれる、そんな講座をありがとうございます。ずっと考え続けるテーマです。

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