突如出現する2時間限りの愛のハレム〜広島出張編〜
不思議なもんです。
最近はオーケンと筋少に現を抜かし、イベントやらライブやらまぁまぁな頻度で行っていたのにも関わらず、noteに書いちゃうくらい自分の中で言葉にしたいことが出てくるのはBUCK-TICKなんですね〜。
それは、Twitterにも書きましたが、BUCK-TICKのライブは観客が自分の中に落とし込める余白を作っているからだと思っています。意識的かどうかは分かりませんが、MCもないし、大きな失敗もないので気が散らないというか。凄いなぁ、本当に。体力も気力もあって、そういうところ、ストイックで格好よくて好きです。
今日は7列目のドセンという大変見易くありがたいお席で、今回のツアーでは初日から徐々に今井さん側へと近づいています。(高崎か東京は今井さん側でオネシャ~ス!)
しかし…やっぱりホールライブは真ん中で見たほうがあの美麗映像をバックにした5人が映えて良かったり。シルエットからして格好いいですし。
メンバーみんなの衣装はあまり見ていませんが、今井さんは眉なし金髪ロン毛片目隠れ(忍術?)で前髪を邪魔そうにしている姿が印象的でした。
パッと見Six/Nineの頃のような髪型に近い気も…。
脚はもう相当回復したようで、担当のダンスもしっかりとこなしていました。あ〜本当に、よかった…
#全治1ヶ月とは
今回私はライブ前に原爆ドーム、平和記念資料館へ行きました。本当に私と変わらない普通の暮らしをしていた人間が一瞬にして焦げた肉の塊となってしまう残酷さを、やっと本物の写真と証言で知ることができました。とても気分の良くなるものではないし最初はあまり乗り気ではなかったけど、知らないまま帰るのもなぁ、という葛藤の末に…。途中原爆ドームの前でモデルばりのポーズを決めながら写真を撮り合っている外国人観光客を見かけたら複雑ながら大分気持ちが軽くなり、“こういうことがあったんだ”と知見を得ることを目的にしたおかげで必要以上に引きずることもなく、あ、ていうかそもそも今回のライブに繋げようなんて全く考えていなくて。
観光として割り切ってライブに向かいました。(今思うと私って鈍すぎ〜)
だけど太陽とイカロスの映像は途中で見ていられなくて。熱に溶けていく建物や太陽に近づきすぎて火の海のように見える瞬間が怖かった。そしてそんな映像と、美しい命への賛歌はなんだか猛烈に相性がよくて、トラウマレベルです。
普段なら全然こんなこと思いもしないけど今回はちょっとね…。
最近(でもないけど)の櫻井さんは一人の責任あるちゃんとした大人として、子を持つ親として生きている印象が強くて、歌詞にしてもそうだけど数少ないMCでも口にする言葉は比較的、反戦メッセージが多いと思います。そんな人が広島公演で気合入らないわけないですよね。今回はもうゴリゴリ。最初からずっと低く怒っているように厳しい声でした。
私は“えっ、テンション低くね〜!?”と思いながら聴いていましたが6曲目のさよならシェルターでやっと“テンションが低いんじゃなくて、力が入ってる”ことに気がつきました。声が凄く優しかったんです。
最後に子供をあやす素振りも、なんだかいつもより演劇性があった。気持ちが一層強かったんだなぁ。Campanellaの“花束〜!(どうぞ)”が“花束〜!(花束持てや!)”という圧のあるものになっていたり、MCでも「偽善者なので平和平和と言います」とか。まぁ、広島でやるのに触れない方が不自然でしょう。ただメンバーのわちゃわちゃが見たい地元ファンの方がいたら少し可哀想なくらい、真面目で静かな回でした。
しかしそんな中でもさすがBUCK-TICK、個人的おもしろポイントは色々あります。
Campanellaは櫻井さんが少し移動した瞬間、すかさず今井さんがセンターを取り、2番が終わるまでずっとコンテンポラリーダンスを私達に披露していました。途中で櫻井さんは戻ろうと振り返ったのに。ずっと踊ってる今井さんを見て、諦めて上手で歌ってたな…。しかも今井さんギター弾いてもない。生粋のダンサー、踊れる喜びを噛み締めているようでした。
それが終わってからのTHE SEASIDE STORY。いつもより力強い櫻井さん。瀬戸内海から自力で這い上がってくる人魚姫に見えたし、背中から黒いオーラが出てました。(昆布かも) 多分一度捕まったら終わります。
次曲は海繋がりなのか無限Loop。イントロは一瞬サンバのアレンジがされていて、元々あの曲が持つ爽やかな昭和歌謡曲のイメージもあって大場久美子のスプリング・サンバがチラついてしまいます。(アーイエ!オーイエ!アーイエ!) 今井さんも昭和の人間ですから勿論知っているでしょうし、心か耳のどこかに引っかかってたんでしょう…。35年経ってやっと今井さんの中の久美子が出てきたんですね。引き出しの多い男だ。
THE FALLING DOWNの今井さん、自分のパートは全力で両手中指立て。少年性をこんなところで出してくるなんて…!たまらないですよね、可愛いなぁもう。
アンコールのヒズミ。櫻井さん劇場〜開幕〜「私はヒズミです。お化粧をして、普通に生きているだけなのに、皆、私を笑うの…」あれっ、いつの間にか説明的になってる…!よっ…、余白は…!? きっと、ヒズミファンは垂涎滴る演劇パート。なのに今井さん…ギターの“ギュイーン”被っちゃいました。そういうとこだと思う。櫻井さんファンが今井さんにちょっと厳しい理由。この会場の中で今井さんに内心舌打ちした櫻井さんファンどんだけいんだろ…とか考えたらちょっと笑っちゃった。
と、楽しかった部分はこんな感じ。
あとはこのツアーの醍醐味、名もなきわたし。
これで感情全て掻っ攫われていくので。
今井さんテルミン上手すぎない?正直ギターより上手いと思う。偉そうでごめんなさい。でもこの間、テルミンだったら今井さんの右に出る者はいないよねっていう話で盛り上がって。それ念頭に聴いても思います。テルミンで人を泣かすの今井寿だけだから、まじ。Googleの検索で「今井寿 テルミン」って出てくるやつあれ本当に間違いじゃないです。(もう直ってたけど)
我慢しなければ泣いてたくらい、良かった。
歌詞とメロディと音がこんなにガッチリ嵌まることあるんだ。
やっぱり、BUCK-TICKの音楽が大好き。心の深層部にまで届く音楽です。
生きてて嬉しい、よかった、ライブに行ける環境にいて幸せ、そんなことを強く思う公演でした。
普段私は余計な事をグチャグチャ考えて誰も助けてくれない、といじけるような弱い人間だけど、甘えんじゃねぇって。人と比べるのはよくないという風潮はありますが、自分より明らかに悲惨な目にあった人を前にその甘えを出せるような恥知らずではないので、私は。もうちょっと強く生きます。資料館で見たこと感じたことは忘れないように、多少辛いことがあっても、死ぬまでは耐えてみようと思います。
なんか長くなっちゃったけど、結果広島公演行ってよかったなぁ、という話です。
いないとは思いますが最後まで読んでくださった物好きの皆さま、お付き合いありがとうございました。
次は高崎公演でお会いしま……あ、でもオーケンのイベント被ってんだよな…いやぁさすがに高崎蹴るわけには…え、でもオーケンのカラオケ大会…あ……どうする………?
生きてる限り、悩みは尽きません。(そんな締め方?)
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