ヒープリは「地球のお医者さん」なのか?

2021年2月21日。日曜日。

また一つ、プリキュアTVシリーズが幕を閉じた。

「ヒーリングっど♡プリキュア」

この時代の荒波に巻き込まれつつ、全45話で幕を閉じた。感謝祭のアーカイブや映画はまだあるので完全に幕を閉じたとは言えないが、一旦の区切りとしてまた記事を書くことを決意した。

42話時点でも書いたが、のどかは「お医者さん」ではなく「患者さん」だと思っている。(これについての考察は以前のnoteの方に書いてありますのでそちらをご覧ください)45話を見終わった時点でもそれは変わらなかった。45話を見終わって、ちゆも、ひなたもやはり「お医者さん」ではなかったと感じた。
44話の最終決戦で彼女たちが叫んだのは「生きたい」だった。
それは、人類の叫びだったと感じている。
間違っても、「お医者さん」の叫びではなかった。

正直、ずっとモヤモヤしていた。
彼女たちを「お医者さん」と呼ぶことにずっとどこか抵抗を感じていた。
彼女たちが「プリキュア」であることは間違いない。
でも、でも。
お医者さんは、どんな相手でも救わなきゃいけない。
どれだけ相手が憎くても。
どれだけ自分が苦しくても。
それが仕事だから。自分が選んだ道だから。
お医者さんはそう自分を納得させて日々仕事をしている。(と思う)
いくらビョーゲンからの願いだからとはいえ、拒絶をしたのどかを「お医者さん」と呼ぶことは、私にはできなかった。せめて「救えない」「浄化が必要である」ことを示す何かをもっと鮮明に描ききって欲しかった。

のどかたちは「お医者さん」ではない。
では、キュアグレースたちは「地球のお医者さん」ではないのか?

私の答えは「NO」だ。

のどかたちは、パートナーのヒーリングアニマルたちと力を合わせることで初めて「地球のお医者さん」になりえる。「プリキュア」になることで、直接ビョーゲンに立ち向かう力を得て、「地球のお医者さん」になることができる。彼女たちはプリキュアになることですこやか市、そして地球をビョーゲンズの脅威から守ってみせた。これは紛れもない事実だ。だから彼女たちを「地球のお医者さん」と呼ばないわけにはいかないのだ。

戦いは終わることはない。戦争が無くなっても、戦いが終わることはない。身を守るためには戦わなくてはならない。苦しいことも残酷なこともある。でも戦わなければ前に進めない。その最前線に立つ「お医者さん」としての「プリキュア」。そして戦いの中で諦めず「負けなかった」プリキュア。
お医者さんにとっても「勝つ」は難しい。
今までお医者さん、というより医療に携わる者が撲滅することができたのは、天然痘だけ。たった一つだけなのだ。(もちろん勝つための努力はこれからも続いていくが)
「負けない」
ふたりはプリキュアの頃からのこの言葉は変わらず生き続け、今回のシリーズでは新たな解釈の一つを私たちに見せた。

地球環境について45話で少しだけ触れられていたが、ここでは地球に住む皆がお医者さんとして環境破壊を促進するような行為はしないようにしましょうね、程度の言及に留めておきたいと思う。(今までの話とは少し趣の異なる話になってしまうため)
また、感謝祭でのキュアグレース(私の解釈ではのどかの言葉に思えるが)の言葉などにも本当は触れておきたいが、感謝祭は有料コンテンツだったため、ここでは言及を差し控える。気になる方は今すぐチケットを買いに行ってください。または円盤を買ってください。

いろいろな意見はあれど、いろいろな思いはあれど。
プリキュアがある今に、感謝。
ヒーリングっど♡プリキュアに、お疲れ様でした。
トロピカル〜ジュ!プリキュアとの新たな出会いに胸を弾ませつつ。

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