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2023年(令和5年)の旧盆はいつ?|沖縄独自の文化

はいたい!

お盆といえば、ご先祖様をお家にお迎えする夏の恒例行事で、8月13日〜15日に行う地域が多いですよね。

企業の多くもお盆休みを導入したり、お盆を故郷で過ごす人の帰省ラッシュも夏の風物詩となっています。

ですが沖縄を始めとした一部の地域では、お盆に対する考え方の違いから、他の地域とは異なる時期にお盆を行う文化があるようです。

2023年の沖縄のお盆(旧盆)は「8月28日~8月30日」

沖縄地方や奄美大島地方などでは「旧盆」でお盆行事が行われます。

ちなみに、2023年(令和5年)の旧盆は、8月28日(月)〜8月30日(水)です。

これは「お盆は満月の日に行うもの」という、昔からのお盆に対する考え方を新暦にあてはめたもの。

沖縄はご先祖様を大切にする文化がとても強く、お盆に対する考え方を変える事を望みませんでした。

なので、8月〜9月にかけて満月となる日(旧暦の7月15日)をお盆=旧盆としていると言われています。

なお、月の満ち欠け(29日毎) ⇔ 新暦の月単位(カレンダーの日付)でズレが生まれるので、旧盆の期間は毎年変わります。

そもそもお盆の期間はどうやって決めたの?

お盆の期間は「月の満ち欠け」に関係しています。

お盆文化は江戸時代に庶民の間で広まったと言われています。

江戸時代には、満月となる7月15日をお盆の最終日として、7月13日〜15日に行われていました。

しかし明治時代に新暦が採用され、旧暦の明治5年12月3日を新暦の明治6年1月1日へ置き換えられました。

それによりお盆などの年中行事に対する考え方に、地域で違いが生まれたようです。

・沖縄地方など 
8月8日〜9月6日頃(毎年異なる)
旧盆本来の「月の満ち欠け」を重んじた為

・東京や横浜などの都心部 七月盆
7月13日~7月15日頃
明治政府の方針に従順だった都市部では月の満ち欠けとは関係なくこの期間に固定化した

・その他の地域 八月盆
8月13日~8月15日頃
旧暦の7月15日が新暦では8月中旬頃になるのでこの時期に固定化した

沖縄独自の旧盆文化

沖縄の旧盆には、他の地域には馴染みのない文化があります。

旧盆1日目を「ウンケー」・2日目を「ナカヌヒー」、3日目を「ウークイ」と読んでいて、それぞれの日で行う行事があります。

1日目「ウンケー」

ウンケーはご先祖様をお迎えする日です。

朝から仏壇の掃除をして、お供え物をそろえます。

お供え物には青バナナやパイナップル、ウンケージューシー、サトウキビ、ウンケー団子などがあります。

夜はいよいよご先祖様をお迎えです。

門前で「今日から3日間おもてなしをしますので、ゆっくりしていってください」という気持ちを込め、沖縄の線香「ヒラウコー」を焚き、ご先祖様をお迎えします。

本州で言う「迎え火」のようなものですね。

ちなみにお供え物のウンケージューシーとは炊き込みご飯の事です。

この日は家族もご先祖様と一緒にウンケージューシーを食べます。

スーパーのお惣菜コーナーにはたくさんのウンケージューシーが並んでいますよ。

2日目「ナカヌヒー」

ナカヌヒーは一般的に仏壇を持っていない家の人が、仏壇を持っている親族の家を回り、お中元を届ける日です。

お中元で人気な物は、やはり定番のお米や素麺、洗剤セットなど日持ちのする物ですね。

そんな中、沖縄ならではの人気お中元が「ツナ缶セット」。

沖縄の人はツナ缶料理が大好きで、炒め物やソーメンチャンプルーなど何にでも使えるのでとても喜ばれます。

ナカヌヒーのお昼はソーメン汁、夜は煮物を食べる習慣があり、訪問客にも振る舞われます。

最終日「ウークイ」

ウークイはご先祖様をお見送りする大切な日です。

重箱料理のお供え物(ウサンミ)を用意し、ご先祖様と一緒に家族も食べます。

ウサンミには赤かまぼこや昆布、豚の三枚肉などが入っています。

最近では重箱料理だけではなく、オードブルセットを準備する家庭も多く、スーパーやコンビニでは旧盆シーズンになるとオードブルの予約販売もあります。

子供は重箱料理よりもオードブルの方が食べれる物がたくさんあって嬉しいですもんね!

そして夜遅くにご先祖様への感謝の気持ちを伝え、お見送りをします。

この時に、あの世で使うお金「うちかび」を焚き、仏壇のお供え物をあの世へのお土産としてクワズイモの葉で包みます。

この日は県民にとって大切な日なので、商店など閉まっているお店も多くなります。

みんな忙しいですからね!

チェーン店の「ほっともっと」でさえ、ウークイの昼以降は事前予約販売のみ受付、17時頃には閉店といった感じです。

エイサーってどんなもの?道ジュネーって何?

エイサーとは先祖供養の為の伝統芸能で、本州で言う盆踊りのようなものです。

旧盆最終日のウークイには、各集落の青年会がエイサーを演舞しながら練り歩く「道ジュネー」を行い、各家庭のご先祖様が無事にあの世に帰れるようお祈りをします。

エイサーは旧盆だけではなく、結婚披露宴やお祝いの席のシメ、運動会などでも行われる県民にとって日常的な存在です。

また毎年旧盆後の時期には、沖縄最大のエイサーイベント「沖縄全島エイサーまつり」が沖縄市で開催され、各青年会の魂のこもったエイサーを鑑賞できます。

青年会によって構成や型が違ったりと様々なので、自分の推し青年会を見つけるのも楽しいですよ!

沖縄の長男の嫁は大変!

よく「長男の嫁は大変」という言葉を聞きますが、沖縄ではその大変さもトップクラスのようです。

仏壇を持つ本家の長男宅には、旧盆期中たくさんの親族が訪れるので接待(おもてなし)をしないといけません。

「いやいや、旦那は何してんの?」と思う人もいると思いますが、もちろん準備など積極的に参加する旦那さんもいますよ(^^)

でも大半の旦那さんは、訪問してきたお客さんと一緒に飲んでベロンベロンになっています(笑)

親族の繋がりがとても濃厚な沖縄では、お嫁さんの負担は相当なものだと思います。

仕事のシフト管理も、旧盆中は主婦パートさんがこぞって休むので「内地から来た管理職が、旧盆をなめてたら痛い目を見た」なんて事も。。。

魅力がたくさん!沖縄の旧盆文化

沖縄には、ご先祖様を大切にするステキな伝統や文化がたくさんありますね。

こんなに手厚くおもてなしをしてもらえたら、ご先祖様もきっと毎年帰ってくるのが楽しみでしょう!

沖縄を訪れるなら、旧盆の時期を目掛けるのもおすすめですよ。

街では道ジュネーを見学できたり、スーパーでは珍しい旧盆グッズが売られていて、沖縄の独自の文化に触れる事ができますよ。

ただし、旧盆中は時短営業や閉店しているお店も多いのでご注意を!

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