「セプテンバー」はなぜ切ない?竹内まりや・RAD・EW&F“3つの名曲”を考察
ここ数年は9月になっても暑い日が続くようになりました。
涼しくなるのは10月頃からでしょうか。
それでも「9月」「セプテンバー」を題材にした歌を耳にすると季節を感じます。
「セプテンバー」は言葉の響きからして切ないですよね。
この記事では、カラーが違う3曲について「切なさ」を考察してみました。
私がいつも文字を入力するデスクトップパソコンの横には壁掛けカレンダーがあります。
皆さんも似たようなカレンダーを使われているのではないでしょうか。
昔ながらの日めくりカレンダーはわかりませんが、文字月表などは該当する月が「数字」と「英語」で書かれています。
9月は英語でSeptemberやSept.と表記して「セプテンバー」と読みますよね。
「なにわかりきったことをウダウダ説明してんの!」
そんなボヤキが聞こえてきそうなので、先に進みましょう。
暦における「9月」「セプテンバー」
紀元前8世紀。古代ローマで初めて作られた暦は「ロムルス暦」でした。
次いで「ヌマ暦」となり、さらにヌマ暦が改革されます。
ロムルス暦とヌマ暦では「7月(7番目の月)」が「September」でした。
しかしヌマ暦の改革によって、12ヶ月が現在の暦とほぼ同じ呼び方と順番に近づきます。
「September」はもともと夏の「7月」だったところ、移り変わって秋の気配漂う「9月」になったのです。
この暦の変遷による事情を頭に入れておいてください。
竹内まりや:「SEPTEMBER」
竹内まりやが「SEPTEMBER」をリリースしたのは1979年8月21日のこと。
その年の12月には「第21回日本レコード大賞」で新人賞を受賞しています。
「SEPTEMBER」は歌詞をロックバンド・はっぴいえんどのドラマーだった松本隆、曲と編曲を作曲家・林哲司が担当しました。
それから時を経て、2017年放送のラジオ番組に出演した彼女は「9月の新譜だから『セプテンバー』にしたわけではない」と振り返っています。
歌詞を依頼するにあたり、学生たちが夏休みに経験する出会いと別れ、そして「秋の切なさ」を表現してくれるのは松本隆しかいないと思ったそうです。
※ここからは私の完全な妄想になりますのでご了承ください😅🙏
竹内まりやは仲の良いアン・ルイスが1980年8月にリリースしたシングル「リンダ」の作詞・作曲を手がけています。編曲を担当したのが山下達郎です。
彼女は2019年に別のラジオ番組で当時の山下達郎について「この人誠意があるな」という印象を持ったことをほのめかしました。
レコーディングで多重録音によるコーラスがあり、山下達郎が一人だけ徹夜で頑張っている姿を見て好感をもったそうです。
それがきっかけとなり交際に発展。二人は1982年に結婚を発表しています。竹内まりやは結婚当時、27歳でした。
J-POP界の重鎮ともいえる松本隆のことですから、竹内まりやと山下達郎が意識しあっていることにいち早く勘づいていたとしても不思議はないでしょう。
その恋心を「SEPTEMBER」に隠し味として反映させたかもしれませんね。
RADWIMPS:「セプテンバーさん」
RADWIMPSが初のワンマンライブを行ったのは9月3日、そのときに「セプテンバーさん」をはじめて披露したといわれます。
ファンの間では「9月(セプテンバー)3日(さん)」と解釈する説が有力で、SNSもその関連の投稿で賑わうそう。
リードボーカルの野田洋次郎はほとんどの楽曲で作詞・作曲を手がけています。
「セプテンバーさん」はキラキラと輝くような「夏」を過して、やがて「セプテンバー」の到来を感じる切なさを歌ったように思えます。
次の動画は『RADWIMPS 野外LIVE 2013「青とメメメ」』で同曲をパフォーマンスしたときの映像です。
野田洋次郎が中盤あたりから「OHセプテンバー」と観客に合唱をうながすシーンが続きます。
彼はその際に、片手を挙げて指を折りながら「七つ」数えるのですが、私は「心憎いことやるじゃん」と思わず唸りました。
Earth, Wind & Fire:「September」
アース・ウィンド・アンド・ファイアーはアメリカのバンドながら日本でも根強い人気があります。
日本記念日協会は9月21日を『アース・ウインド&ファイアー「セプテンバー」の日』に認定したほどですからね。
EW&Fの「September」は12月のことを歌っているという解釈が有力です。
「Do you remember」に続く「The 21th night of September?」というフレーズは「覚えているか。9月21日の夜」という意味です。
しかし終盤で歌われる歌詞は・・・
「Now December」(今は12月さ)
「Found the love that we shared in September」(9月に分かち合った愛を見つけた)
という意味にとれます。
古代ローマの暦を思い出してください。
ロムルス歴では「7月(7番目の月)」が「セプテンバー」ならば「10月」は「ディセンバー」になっています。
まとめ
竹内まりやの「SEPTEMBER」、RADWIMPSの「セプテンバーさん」、アース・ウィンド・アンド・ファイアーの「September」。
歌詞の内容に加えて古代ローマ暦からの変遷を思うと、なおさら「切ない」感じがしませんか。
ちなみに「秋」を歌った名曲といえばジャズのスタンダードナンバー「オータム・イン・ニューヨーク (ニューヨークの秋) 」などがあります。
J-POPでは松田聖子「風は秋色」もそうですね。
そのように季節を表現するうえで「秋」と「セプテンバー」が使い分けられているのは、歌詞に込めたこだわりの違いではないでしょうか。
以上、私の個人的な解釈および“妄想”も入っちゃいましたが「セプテンバー」についての考察を終わります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
☀この記事はクロサキナオさんの企画参加記事です☀
#クロサキナオの2024CalmSept
【参考にしたサイト、SNSなど】
・レタスクラブ『セプテンバーはラテン語で「7番目の月」という意味/大人の最強雑学(24)』
・ニッポン放送『竹内まりや「SEPTEMBER」で歌いたくない歌詞があった?』
・grape『竹内まりやの子供は? 夫・山下達郎とのなれそめは徹夜』
・【歌詞和訳】September - Earth, Wind & Fire
・07セプテンバーさん
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