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【自主ゼミ】産学官共創学習ゼミ第九回 2023/12/4

今回のnoteでは、第九回を迎えた産学官共創学習ゼミの様子をお伝えします。

ゼミに興味のある方は下のホームページをチェック!途中参加も可能です。

過去の様子についてもnoteで発信していますので、少しでも面白そうだなと思ったらぜひ覗いてみてください!

↑本ゼミのスポンサーでもある東大OBのシリアルアントレプレナー・井野先生が講義をしてくださった回

↑医療×ITで学生起業した吉永先生が講義をしてくださった回

 では、早速今回の内容に入っていきたいと思います。第九回は、本ゼミ講師の井野考紀さんが第七回に引き続き講義を行なってくださいました。今回のテーマは、「アイデアのコンセプト化」です。

 社会が抱える問題に対して、あなたが何か素晴らしい解決策を考えついたとしましょう。「このアイデアは絶対にうまくいく自身がある、だってこんなにも優れたやり方は他にないのだから。」とあなた自身がいくら思っていても、それが他の人にきちんと伝わらなければ、その効果は半減するどころか全くなくなってしまう可能性さえあるでしょう。いかにしてアイデアを社会に普及させていくか、そのためにはアイデアを簡潔な内容でコンセプト化してまとめることが必要です。
 自分のアイデアをコンセプト化すると、対外的に伝えやすくなることはもちろん、対内的、つまりそのアイデアを共に実行する仲間たちに対しても目的や役割を明確化することができます。今自分達が何を何のためにやっているのかをはっきりさせることは、チームとしての活動を行う上で非常に重要です。これは第七回のゼミでも学んだ内容ですね。

 具体的にどのようにすればアイデアをコンセプト化することができるのでしょうか。これを考える前に、まずはどのようなアイデアを出せば良いのかについて、ビジネスの視点から持つべき着眼点を学んでいきます。
 実際にアイデアを実現してビジネスを行うとなると、収益を維持する必要があります。どんなアイデアに対してならユーザーはお金を払ってくれるのでしょうか。最も重要なのは、ユーザーが困っていると言うことです。ユーザーの悩みが深刻であればあるほど、それを解決するようなアイデアに対して対価は支払われることが期待できます。そのような悩みは、ユーザーのインサイトと呼ばれます。インサイトとは、ユーザーの矛盾する心情が葛藤する中にあり、例えば既存の宿泊施設に対して「初めての街に行ってみたいけれど、よそ者扱いされたくない」といったものがあります。これを解決したのが、空き部屋や空き家と旅行客をマッチングさせたAirbnbです。
 インサイトが深いほどユーザーの悩みも深いため、誰かが既に解決策を提示している可能性も高いです。そこで大事になるのが競合分析です。自分と似たようなアイデアが存在していないか、もしくはより良いアイデアを持っているものはいないか、業界に囚われずに分析を行う必要があります。

 ここまでアイデアについて検討してきました。いよいよアイデアのコンセプト化に移りましょう。必要なのは3つのステップです。①誰が(顧客)②何のために(目的)③何をするのか(役割)、この3つを考えることで、自身のアイデアを簡潔な概念でまとめることができます。ここからさらに情報を削ぎ落とし、目的と役割について、アイデアがによってより新しい意味を与えることができるのはどちらなのか考え、一行で伝えることができる「規定する力」が大きい方を選びます。最後に必要なのが、言葉の磨き上げです。人が一度に認識できるのは2概念までであることを踏まえ、2つの概念でアイデアを表すようにします。このステップを踏むことで、アイデアのコンセプト化が可能になります。


講義の様子

 今回の講義を聞いて私が感じたのは、人を理解する難しさでした。井野さんがおっしゃっていたように、人間は思っていることの5%程度しかきちんと言語化できていないと考えると、自分が本当に求めているものを見つけること事態が非常に難しいことでしょう。実際自分自身も、与えられたものの中からAよりはBがいいかな、というふうに比較して選んだものを、あたかも自身の真の欲求であるかのように錯覚してしまっているのかもしれません。そのように自分を騙すとさえ言える行為をしなければ、簡易的にでも欲求を満たすことは難しいので仕方がないことですが。そこに対して、自分自身も気づいていないような悩みにたいして的確な解決策を提示すると言うのは、並大抵のことではないです。ビジネスを成功させるには、類まれなる観察眼と必要な情報をキャッチするアンテナが必要なのだろうなと強く感じると同時に、自分もそうしたことに対する意識を高めていこうと改めて思わされました。

 次回は株式会社オーガンテックの代表取締役として活躍する実業家の近藤嵩さんによる講義です。毛髪と歯の再生医療を行うオーガンテックの事業は世界的にも注目されており、近藤さんの豊富な経験と、先端医療の最前線での活動のお話を伺えるのが今から楽しみです。

文責 溝渕想一朗


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