【特別講義:佐上峻作先生】産学官共創学習ゼミ第十一回 2023/12/1
今回のゼミでは12月18日に行われた第十一回産学官共創学習ゼミの様子をお知らせします。
このゼミは弊団体Diligentが主催しているゼミとなっています。少しでも興味をお持ちの方はこちらのホームページをご覧ください!
それでは早速今回の内容を紹介していきます!
今回はM&A総合研究所代表取締役の佐上峻作先生に特別講師としてご講演いただきました。佐上先生は大学卒業後デザイナー、エンジニアとしての経験を積まれ、それをもとにメディアサイト事業を起業、M&Aでこの会社を売却した後、新たにM&A仲介を専門に行うM&A総合研究所をたちあげ若くして成功をおさめられた方です。
佐上先生はご自身の現在に至る経緯にからめて起業で重要な考え方をお話くださいました。
神戸大学に入学した当初はテニスや麻雀で遊ぶ普通の大学生だったという佐上先生。在学時に新たな価値を創ることをしたいと考えた佐上先生は、大学院に進むことなく、サイバーエージェントのグループ会社マイクロアドに入社し広告システムのアルゴリズムやエンジニアスキルについて学びました。この時すでに起業を思い描いていて、この入社もそのための経験だったと振り返られました。
細かい市場分析により、スマホが普及し始めた当時メディアサイトがこれから流行すると予測された佐上先生はサイトを立ち上げ、Pinkyなどが軌道に乗り、事業は波に乗りました。
この最初の事業の成功経験から、この後の成功につながる様々なカギを得たと語られました。その中でも特に、佐上先生が繰り返し強調されていたのは、徹底的な「分析」と「逆算」でした。事業を始める前に市場をマクロでとらえ、分析してどの市場がこれから伸びるか査定。その分野で起業した場合、予算がどれくらいで数年でどこまで年商が成長するか、すべてを数値で逆算していくことが、起業の成功の大部分を占めているとおっしゃっていました。起業とはパッとアイディアを閃いて、それが当たるかどうかの運のようなものだというイメージを大学生は持ちがちですが、実際には緻密な逆算と分析が必要なのだと気づかされました。
創業から1年後、同社を大手に9.5億円で売却。子会社の社長として、大手のM&Aを学んだことにより、企業買収のプロセスの効率化は需要があると感じ、M&A総合研究所を設立。企業間のM&Aにおいて、NLPやAIのアルゴリズムといった技術を用いて仲介に当たるというこのビジネスは、世の中のお金の流れを把握するという佐上先生の思考にそったものでした。世の中の市場、お金の流れはずっと変わらないものであり、それを掌握していく。そのために学生のうちは新聞でも、ネットでも、Youtubeでも、とにかく市場を学び、分析する習慣をつけたほうがいいとアドバイスされていました。
残りの時間で先生は受講者からの様々な質問にお答えくださいました。
金融、M&Aに関する詳細な質問から学生起業に向けての助言、果ては先生の好きな本など、有意義な質問が飛び交い受講した皆さんに時間の限り話してくださいました。
全体を通して、佐上先生は仕事関係において分析と逆算、効率化、そして数値化において突き抜けていらっしゃる方だなと実感しました。先生はご自身の世代は感情的な評価よりも数値による評価を重視する傾向が強く、その考え方が根底にあるとおっしゃられていましたが、非常に明快で合理的な考え方だなと感じました。仕事のみならず人生で大切な決断、選択において、勘や運に任せるのではなく、自信を持てるだけの分析と予測を立てる姿勢について学ぶことができました。特別講師の佐上先生には貴重なお時間を割いて頂きありがとうございました。
残り回数もすくなくなっていますがまだまだ当ゼミは続いております。来月には特別講演会なども行われる予定ですのでぜひお越しください。
文責 山口誉主哉