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クラフトマンシップとの語らい

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西村邸に関わってくださった奈良のアーティストに、主宰の杉本がインタビューする対談記事。個性豊かなクラフトマンシップ=「おだやかな生産の中に濃厚につまった、誇りと願い」をお伝えしま…
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#インタビュー

クラフトマンシップとの語らい―第4回 池田含香堂6代目・池田匡志さん③

奈良団扇(ならうちわ)の池田含香堂(がんこうどう)6代目・池田匡志さんへのインタビュー、完結編です。(前回までの記事はこちら→ ①、② ) 手づくりの団扇の良さを知ってもらうために、奈良に在る実店舗を盛り上げ、実際に手に取ってもらいたいと語る池田さん。 さらにその先、奈良、工藝全体へ向ける視点についてお話しいただきます。 新しい事って、失敗するまでやらないと、どれが正解なのかわからない 杉本 ―実店舗への注力の他に、これから力を入れて取り組まれたいことはありますか。

クラフトマンシップとの語らい―第4回 池田含香堂6代目・池田匡志さん②

奈良団扇の池田含香堂6代目・池田匡志さんへのインタビュー、2本目です。(前回の記事はこちら→① ) 「家業を継いで間もない頃よりも、いま現在の方が、ある種のプレッシャーを感じる」と語る池田さん。そんな現状の中で、大切にされているポリシーについて伺います。 「僕が好きな奈良団扇への評価ではなくなってしまいますから。」 杉本―いま、お仕事をされている中で、一番大事にされていることは何でしょうか。 池田さん「そうですね…これは、中学生の頃、6代目を継いだ頃、そしていまもずっと

クラフトマンシップとの語らい―第4回 池田含香堂6代目・池田匡志さん①

こんにちは。西村邸 主宰の杉本です。 西村邸に関わってくださる、職人さん/作家さんへのインタビューを記事にする「クラフトマンシップとの語らい」。 ゆったりとした不定期連載ですが、4回目になりました。 今回は、2020年夏に西村邸で開催した制作体験&展示販売会【工藝合宿】にて、奈良団扇(ならうちわ)づくりのご指導をいただいた、池田含香堂(がんこうどう)6代目・池田匡志(いけだ ただし)さんへのインタビューです。 池田さんのお父様、お祖父様、さらにはその先代から連綿と続く

クラフトマンシップとの語らい―第2回 庭師、茶道家・土屋裕さん(後編)

土屋裕さんとの対談、後編です。 前編では、土屋さんが、県外から奈良に引っ越されてくるまで。修業時代のお話を伺いました。 後編では、現在のお仕事のスタンスや、奈良とのかかわり方について伺っていきます。 杉本 ―古川先生のもとから独立されてからのお庭の仕事は、奈良が中心ですか。 土屋さん 「そうですね、他の地域は、呼ばれたら行くくらいの感じで。」 ―庭造りに、地域性みたいなものはあるんでしょうか。 「気候がありますからね、まず植えるものが変わってきます。あとは、石が違

クラフトマンシップとの語らい―第2回 庭師、茶道家・土屋裕さん(前編)

「クラフトマンシップとの語らい」2回目です。 今回のお相手は、庭師・茶道家の土屋裕さんです。西村邸のお庭を整えてくださった庭師であると同時に、最初のイベントである【お披露目茶会】にてお点前を披露してくださった、茶道家でもあります。 奈良町周辺の様々な施設で庭造りのお仕事をされながら、独自の飾らないスタンスで、お茶の稽古・茶会を開いていらっしゃいます。 ご自宅は、山陵町(みささぎちょう)という、奈良町から少し離れたところにある、少し山間の静かなエリアにあります。その中でも

クラフトマンシップとの語らい―第1回 妖怪書家・逢香さん(後編)

こんにちは、西村邸主宰の杉本です。 逢香さんとの対談、後編です。前編では、学生時代のルーツから、現在に至るまでのキャリアについて、お聞きしました。後半は、現在の活動から、これからの展望について、話していただきます。 杉本 ーいま現在の制作で、逢香としてのブランドづくりというか…妖怪×書道の時点で、突き抜けたオリジナリティがあると思いますが、その他に大切にしていることってありますか。 逢香さん「ブランディングっていう程でもないですけど…奈良で自分の制作を再開したタイミング

クラフトマンシップとの語らい―第1回 妖怪書家・逢香さん(前編)

こんにちは、西村邸主宰の杉本です。 西村邸は、これから活動していく上で、大切にしたいことをまとめて、「3つの宣言」として掲げています。 1.永く付き合える、もの と ことを愛します 2.クラフトマンシップを愛します 3.きょう会える、あなたを愛します この記事は、2つめの「クラフトマンシップ」についてのものになります。 Craftsmanshipを日本語に訳すと、「職人技」でしょうか。ぼくはこの言葉の中に、「おだやかな生産の中に濃厚につまった、誇りと願い」という意味を