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西村邸のこと

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2019年、奈良町にオープンした【西村邸】にまつわる、主宰 杉本雄太のエッセイです。
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#エッセイ

ウイルスと地球と生きるために、やっぱりぼくは“数”を超えなくてはいけない

主要都市の緊急事態宣言が発令されてから3週間が経ちました。 マスクをして、家に篭って。インターネットには自由な世界が広がっているかと思いきや、そこにもやっぱりデマと同調圧力をブンブンに振り回している人がたくさんいて。何につけても息苦しい日々が続きますが、心身の健康は保てているでしょうか。健康第一です。 ぼくはもともと家にいること、人と会わないことが、そこまで苦にならないタイプなので、いたって平穏に過ごしています。 流行りのオンライン飲み会もしていない。そもそもお酒をほとん

『西村邸』のこと―暮らしのこと⑤これからの豊かな暮らし

「富とは、持っているお金の多寡ではなく、持ちうる可能性の豊富さです。」 これは以前、佐々木大輔 @sasakill さんという方の文章で読み、気に入ってる言葉です。 諸説あるとはおもいますが、今日はひとまず、これに乗っかって「豊かな暮らし」について話してみます。 車を持ちたくない、家を持ちたくない、そういう人が増えている。自家用車や持ち家は、かつて富―豊かな暮らしの象徴だったと聞いています。ではそれを持ちたくない人は、豊かさを放棄しているのか? そうとも言えないと思いま

『西村邸』のこと―暮らしのこと④ドラマを日常にする

今日は、少し前にぼくが書いていたメモで始めてみます。2018年3月に、友達の結婚式に出るのを兼ねて、1週間ほど東京方面に行った時のメモです。 (前提情報の補足です。 そのときは中目黒のAirBnB、当時は許されていた住空間そのままの民泊に泊まりました。 奈良に帰ってくる直前のぼくは、神奈川県の逗子・葉山に住んでいました。 友達と深夜の代官山蔦屋のカフェで、結構なお値段のあんみつとコーヒーを頂戴した記憶があります。 当時勤めていた奈良のイタリアンレストランは、そこそこな高級店

『西村邸』のこと―暮らしのこと③音楽と暮らす

ちょっとカタい話もつづいたので、気分転換。ゆるめの音楽の話を。 ぼくは4人家族だけど、みんな音楽が好きだ。 父は大人になってから、チェロやウクレレを嗜むようになった。母は本当に歌が好きで、いまもいろいろなコーラスサークルに参加しているようだけど、なにより普段の鼻歌と、謎の替え歌がめちゃくちゃ多い笑 妹は小さいころピアノとバイオリンを習わせてもらっていて、キリスト教系の大学に通っていた間は、公認のゴスペルの団体で活躍していたらしい。そしてぼくも、おそらく母の鼻歌の影響で歌が好

『西村邸』のこと―暮らしのこと②永く愛せるものを使う

ぼくが整理収納アドバイザーという資格にふれてからまだ日は浅いですが、これはひとつ大切だな、と感じていることがあります。単純にモノの数を減らすことは本質ではない、ということです。重要なのは「使わない」モノを減らすこと。 近頃の整理収納アドバイザーというと「断捨離」がやたらとピックアップされがちなイメージですが、どのアドバイザーも、とにかく手放しましょうという提案はしません。あなたがいま持っているモノとの付き合い方を見直して、ちゃんと使える状態にしましょう、ということが本旨なん

『西村邸』のこと―暮らしのこと①丁寧な暮らし

「マストバイ」という言葉が本当に嫌いです。ファッション雑誌とかでよく目にしました。「買わなければならない」ですよ?信じられない。消費を煽動する、強迫的な響きがある。 それと同じくらい、簡単に口にされる「ていねいなくらし」も嫌いです。インスタグラムのハッシュタグでつけられる、「#ていねいなくらし」がどれくらい丁寧なのか、と。手垢のついた言葉選びに、丁寧さを感じられない。 すぐ「ストーリー」って言うのも好きじゃない。ストーリーと呼ばれるものは大事だと思ってますよ。こうまで当たり

『西村邸』のこと―『西村邸』のこと④心地よい鄙(ひな)び

こんにちは。今日からお仕事はじめの方も多いと思います。ぼくも午後から、お手伝いしている企業のオフィスに初出勤です。この企業についても、そのうち話すかもしれません。 さて、昨日はついつい思い出話が長くなってしまいました。「ビルをつくりたくない」という感覚を思い出したあと、「なんでそういうふうに思うんやろ?」と考えるようになりました。この話をするための思い出話だったのです。 奈良町の「心地よい鄙(ひな)び」 いろいろと思いを巡らせる中で、小さいころ長い時間を過ごした祖父母の家

『西村邸』のこと―『西村邸』のこと③杉本雄太の履歴書

こんにちは。1月3日です。西村邸の向かいには花園新温泉というクラシックな銭湯があります。1日2日とおやすみされていましたが、今日が初風呂営業。今年も一年、よろしくお願いします。 さて、ぼくの―ひいては『西村邸』のビジョンのひとつ「持続可能な社会の実現に貢献する」についての話です。 まずはその前提となる、ぼくの経歴と、その中で影響を受けた2人の活動家について。胸をはって語れる経歴ではなく、恥ずかしさばかりの自分語りですが、よければ覗いて行ってください。 ビルをつくりたくなか

『西村邸』のこと―『西村邸』のこと②コンセプト

新年2日目、いかがお過ごしですか。昨日ぼくは、近くのゲストハウスでお雑煮とおせちをよばれてきました。これでお正月は終わり!今日からは、かなり普段通りです。 今週は『西村邸』の中心コンセプトとその思いを、改めてお話ししていきます。 『西村邸』のコンセプトは「おばあちゃんちから巡る、これからの奈良町」。いろいろ考えましたが、シンプルにこれでいこうと思います。今日は、このコンセプトを構成する4つの単語を、かみ砕いて説明しますね。 ●「おばあちゃんち」 祖父母が暮らした古い町屋を

『西村邸』のこと―『西村邸』のこと① 書初め

(写真は鳴川町のゲストハウス 古白さんより) あけまして、おめでとうございます。2019年が始まりましたね。 noteでは初投稿です。杉本 雄太と申します。奈良県出身在住の32歳男性、2019年の夏に、祖父母が住んでいた築100年の町屋をつかったゲストハウスをオープン予定です。 ここにはしばらく、本家?WEBページに書き始めた文章を転載していきます。よかったら覗いて行ってくださいね。 ホームページを開設し、最初の記事を書いたのが2018年の4月。そこから8か月を経て、2