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日々に遅れて

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詩・散文詩の倉庫03
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2022年9月の記事一覧

ヘビ石

臥龍橋の手摺りにもたれて 潮の引いた川を眺めていた 背後は車が行き交う国道二号線 露出した川床の泥土が黒く光り 前方を見渡せば 海に開く河口までは1㎞もない 橋の名前からは 龍が臥している姿を想像する でも 龍に見立てたにしては この橋は小さいし短過ぎる 龍は何処かこの近くで のんびり寝ているのかも知れない なんてことを想いながら 川の中央に目をやる 痩せ細った河水の流れを縦に二分して 川床に石積み造りの導流提が横たわり ゆったりとカーブを描きながら ずっと向こう