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ラスカル             ――画像しりとりはじめました(#46)

(#45)いざキャバクラ→「ら」→ラスカル

「私が洗ってるところは決して覗かないでくださいね」
「…いや、丸見えだし。そもそも、それって一体全体なに返しやねん」


あらいぐまラスカル』は、1977年にフジテレビ系列で放映されたテレビアニメ。いわゆる『世界名作劇場』というシリーズの3作目にあたる。

主人公スターリング・ノースと、母親を猟師によって奪われ「孤児」となった幼いアライグマ「ラスカル」とのほのぼのした毎日を描いている。

出会ったときは、まだ目も開いてるかどうかあやしいくらい小さかったラスカルは、スターリングのもとで無事に成長し、その後しばらくは楽しい日々が続いていた。

しかし、成長するにつれ、最初は他愛のないイタズラ程度だったラスカルの行動も次第にエスカレートし、しまいには近所の畑を荒らすようにすらなってしまう。畑を荒らされたサーマンという隣人からは銃殺されそうになる始末だ。

スターリング自身も、入院中だった母親の死、次いで父親の事業失敗と、立て続けに不幸が襲いかかり、進学のこともあってミルウォーキーに住む姉の許へ行くことに。

そういった諸事情に鑑みて、スターリングはラスカルを森に返そうと決意する。
今回のネタ画像は、ラスカルが人里に戻ってこれないよう、また猟師に狙われなくてすむよう、なるべく森の奥深くまで連れていってから別れようと、スターリングがラスカルとともに手作りカヌーに乗っているところである。

まぁ、ラスカルにとってみれば、乳飲み子状態で母親を突然失い、実質スターリングに育てられたようなものだから、「一体全体なに返しやねん」と言われるまでもなく、フツーに育ててもらった恩返し (*1) ではある( ̄∀ ̄)

*1:育ててもらった恩返し:ただ、ラスカルが母親を失った経緯を考えるとちとビミョー。そもそも、釣りをしに森の中に入った時に、スターリングの飼い犬ハウザーが樫の木のウロの中に潜む気配に気づき、スターリングも一緒になってウロの根元の土を掘り返しだしたのが事の発端である。
掘り進むうちに中から母親アライグマが飛び出してきて近くの木の上に避難、スターリングらを威嚇するが、そこにたまたま出くわした猟師が、おっ♪アライグマだ♪――からの銃でドン!なのだ。「ひどいよ、おじさん」とか言ってるけど、いやいやスターリングよ、おまへが余計なことしなけりゃ、この母親アライグマは撃たれずにすんだんぢゃないのか?( ̄∀ ̄)?
 しかも、母親アライグマが樹上で威嚇し始めた時にウロの奥からまだ幼いラスカルが這い出てきたのを見て、かわいい♪飼いたい♪――てなったスターリングは、この母親アライグマも捕まえようとするのだ。どうやって捕まえよう、と策を練っている間に猟師のおっさんが通りかかるわけで、おまへさんたちが巣穴の周りを荒らしちゃってごめんね、と言ってそそくさをその場を離れていれば母親アライグマだってすぐ巣穴に戻るだろうし、猟師に見つかることもなかったはずだ。
……そう、冷静に考えると、スターリングがラスカルを育てたのは、恩義ではなく罪滅ぼしといってもいい。

この最終回の「ラスカルの森への帰還」は、生まれ育った森へ戻るのだからまだ何の問題もない。

しかし、この『あらいぐまラスカル』によってもたらされた、とあるリアルな問題にも、この際だから少し触れておきたい。

『あらいぐまラスカル』が放映されていた日曜20:00~21:00枠の
『世界名作劇場』は、基本的に1月から12月までの1年間で1作品が放映される人気シリーズで、人気の高い作品だと平均視聴率が20%を優に超える

1977年に放映されたこの『あらいぐまラスカル』も大いに人気を博し、私もスターリングみたいにアライグマを飼いたい♪(≧▽≦)🎵
――と思う少年少女が巷にあふれるのは、いわばごく自然な流れともいえるだろう。

だが、その人気に便乗して大量にアライグマを輸入 (*2) し、ペットのアライグマが増えたはいいが、飼えなくなって捨てられた、あるいはケージ等の管理が甘くて逃げられた (*3) アライグマが野生化し、田畑に被害を及ぼしたり生態系に影響を与える、なんてのは、好ましからざる不自然な流れである。

*2:大量にアライグマを輸入:最盛期には年間1500頭ものアライグマが輸入されていたとされる。

*3:管理が甘く逃げられた:アライグマは手先が非常に器用なので、チャチな飼育設備だと簡単に「脱走」される恐れがある。飼育するのなら少なくともしっかりとした施錠はマスト。

そもそもアライグマは、見た目は確かに愛くるしいが、基本的に気性は荒々しい。
スターリングのように生後間もない幼少期から育てるのならまだしも、ある程度成獣となってからは、おいそれとは人には懐かない。凡そ犬や猫と同じ感覚でペットにできる類の動物ではないのだ。

一方で、これはアライグマだけの問題ではないのだが、様々な要因で日本国外から流入し、日本在来の生物を捕食したり、生活空間が競合したり等で生態系を損ねたり、農作物等に被害を及ぼす生物が増えたことから、
2005年には「外来生物法 (*4)」という法律が制定された。
アライグマは第一次指定種にリストアップされ、以降「特定外来生物」として学術目的以外の輸入は禁止され、国内に根付いたものも、見つかり次第駆除される対象となってしまった。
彼らの多くは、わざわざ海を渡って連れてこられてペットにされた挙句捨てられ、それでもただ懸命に生きていただけなのに、だ。

これは決してアライグマに限ったことではないが、ペットとして迎え入れた以上、どんな生物であれそれは家族だ。
扱いきれなくなったからといって簡単に捨てるくらいなら、最初はなっから飼うなや、と言いたい。

*4:外来生物法:正式名称は「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」。相変わらず、日本のお役人の書く法律の名称は長い。まぁそれはともかく、この法律により国や自治体は、必要に応じて指定された外来生物の防除を行うことになるわけだが、指定される外来生物のリストは年々追加されていて、最新のリスト (2020年11月2日) はもう「第十四次指定リスト」である。どんだけ増えてんねん、外来生物(笑)。

 

さて、ガラにもなくマジなトーンの話題になったので、無理矢理にでも、スルの恩返し……もとい、『あらいぐまラスカル』へと戻す( ̄∀ ̄)。

今宵の1曲は、『あらいぐまラスカル』のOPオープニングテーマ。
今週の1曲目、大杉久美子、セントメリーチルドレンコーラス、コロムビアゆりかご会で『ロックリバーへ』。

この曲、2021東京オリンピック、スケートボードのストリート女子で銅メダリストとなった中山楓奈選手がお気に入りにしていることで、ちょっと有名になった曲でもある。

彼女が言うように、確かにいい曲だし試合前に聴いたらテンソンも上がりそうな気はする。

ただ、あくまでひねくれ者の個人的な見解ではあるが、サビの歌詞

ラスカルに あわせてくれて
ラスカルに あわせてくれて ありがとう
ぼくのともだち ラスカルに
あわせてくれて

――ていうのは、ラスカルがスターリングの許に来ざるを得なくなった経緯を考えたら、必ずしももろ手を挙げて絶賛できる歌詞ではないが( ̄∀ ̄)
(ラスカルの方は、おまへさんに会ってしまうより、お母さんと仲良く暮らせていた方がはるかに幸せだったかもしれんぞ――と)


おっと、今宵もこんな時間か。ウェントワースの森の樫の木の穴に献花しに行く時間だ。

そんなこんなで、
明日も、なるべく多くの人が
身の回りの生きとし生けるものに優しい目を注げる一日でありますよう👀🌈


■ おまけ

今回の画像しりとり列車 (46両目) の前の車両です。タイトル「いざキャバクラ」と右下のネタ画像で、なにこれ?て引っかかりを覚えた方がおられましたら、時間が許すような時にでも、覗いてみてやってください。嬉しさのあまり、♪はいでぃ はいでぃ りろ らすこー らいだ うぃん お りろ らすこー♪と歌いながら小躍りします( ̄∀ ̄)♪


こんなダラダラと長ったらしい記事に最後まで目を通していただき、その忍耐強さと博愛の御心にひたすら感謝☆です ありがとうございます ご覧いただけただけで幸甚この上なっしんぐなので サポートは、私なんかではなくぜひぜひ他の優れたnoteクリエイターさんへプリーズ\(^o^)/♪