見出し画像

ニューカペナの街角 ドラフトガイドライン 入門編

こんにちは、スギモトです!

ご無沙汰しております。最近はモダンとパイオニア(テーブルトップとMO)の沼でもがいているんですが、いよいよ新セット発売ということで、ドラフトを楽しみに、MTG Arenaに帰ってこれそうです。

記事としては神河の『入門編』以来です。
神河は40回ほどやりましたが、通算勝率53%でどうにもうまくいかず。緑白のエンチャント+ランプには多少の手ごたえを感じられたものの、環境を理解したとは到底思えず、緑白の下書きだけ残してドロンしていました…笑 (なんだかんだムズかったですよね、神河。)

唯一会得できた最強アーキタイプ、緑白タッチ《達成》(いずれも7勝)

心機一転!『ニューカペナの街角』に気合を入れて臨みたいなと思っています。まずは環境の概観から、カードリストをさらいながら考えていきましょう。

※MTGアリーナプレミアドラフト(BO1)でのプレイを想定し、低レアリティカードを中心に取り上げていきます。

▼環境の第一印象

まずはクリーチャーのサイズ感。マナ総量に沿うサイズ上昇は控えめで、高マナ域のクリーチャーが相対的に弱めな最近のトレンドは踏襲…いや、一層加速されていると言えるでしょう。

クリーチャーのマナコストとサイズの関係を表す「マナレシオ」という言葉があります。詳しい説明は省きますが、2マナなら2/2、3マナなら3/3…6マナなら6/6のサイズがあれば、まぁ及第点のマナレシオを持っていると言えます。そこに飛行などの強い能力がついてれば、P/Tがそれぞれ-1されていても合格、ってところでしょうか。

今回、多くの2マナ域は2/2+能力、という仕上がり。3マナ域は、3/3に能力つきすぎて意味不明な《宝石泥棒》は別格、なぜか「フォーゴトンレルム探訪」にいたジジイに羽が生えた《鼓舞する監視者》は文句なし。その他にも、タフネス2以下が多いのは少し気になるものの、カードカウントのアドバンテージをとれるものがおり、粒ぞろいです。

よく見ることになりそうな面々。

このまま順調に上がっていくのかと思いきや、4マナ、5マナ域はなかなか寂しいラインナップ。4/4や5/5の、期待されるマナレシオを持ったクリーチャーは居ません。4マナ域はそもそも数が少なく、《こだまの検察官》以外はアンプレイアブル寄りに見えます。
個人的に、緑の5マナ域《カルダイヤの力自慢》が額面上は4/5バニラなのはショックでした…。いろいろなギミックが絡んで使い出こそありそうなのですが、なんともなんとも…。

一方で、疑似《稲妻》やほぼ《平和な心》、《殺害》、能力まで封じちゃっていいの?な《証人保護》など、低マナ域の除去は充実。高マナ域にも完全除去があり、重い驚異の価値はかなり低いと感じます。

素直にデッキに入りそうな除去とコンバットトリック。
《不吉な小包》は、マナサポート&青黒墓地参照込みの評価です。

注目の3色カードもその例に漏れません。
ギミック的には面白い、土地に能力をつけるコモンサイクルですが、いずれも高マナクリーチャーとしてはもう一押し欲しいところ。《覆面の匪賊》は6/5/5、警戒、威迫とやる気あふれる見た目ですが、やはりあらゆる除去でテンポをとられます。

威迫+警戒は強力ではありますが、せっかくなら6/6にしてほしかった…。
クリーチャータイプにおいては今回最強だと思います。
ならず者のあらいぐまは、さすがにあざとすぎる。

アンコモンも、各アーキタイプに即した強力な能力を持つものはいますが、いずれもサイズが少し物足りません。押されている盤面では、充分に力を発揮できないことも多いと思います。

これに加えて、過去の3色セットにあった《オベリスク》や《戦旗》、《水晶》にあたるカードは存在しません。

3色セットの伝統

これらから、3色をフィーチャーしたセットでありながら、序盤にマナベースを整え、中盤以降にサイズの差で盤面を取り返すミッドレンジ(ランプ)戦略は、開発段階であまり肯定されていないように見受けられます。

それを裏付けるように、秘匿を除く5種=各一家に割り振られた新規の能力は、すべてクリーチャーの展開(+戦闘)を前提としています。
前述の通り、2,3マナのクリーチャーは粒ぞろいですので、序盤からの積極的な盤面の構築、戦闘を推奨したいようですね。
マナをベースを整えて初動4ターン目、というような牧歌的な動きでは、悪魔が統べる大都会では一瞬でカモにされてしまうということでしょう…。


▼鍵は2色のキーワード?

安易な多色化は序盤の出遅れを招くので、2色タッチ1色を基本構造にしたいところ。3色目のカードは、よほど優秀か、2色のコンセプトに合ったもの以外使わない方がよさそう、ということです。
従来の多色セットではピック優先度の高かったタップイン多色地形のようなカードも、初手で重なると序盤の展開を阻害するので、複数枚採用したくないデッキが多く、若干下方修正されそうと予想しています。

ここで注目したいのは、実は各一家の能力は、それ自体が"ボーナス"とは言えないということです。【奇襲】も【犠牲】も【謀議】も、どれだけ起動・誘発したところで、それ自体に大したメリットはありません。

実は今回のリミテッドのアーキタイプを構成するのは、友好2色の組み合わせが持つ"裏テーマ"(白青のカウンター/青黒の墓地のマナ総量参照/黒赤の生贄/赤緑の宝物/緑白の市民)の方であり、各一家の能力は、その"トリガー"に過ぎないのです。
"トリガー"となる能力が発動した(させた)ことで起こる、「カウンターが乗る」「墓地のカードが増える」というような最終的な結果が、友好2色の組み合わせが持つ"裏テーマ"に於いて初めて"ボーナス"として昇華されます。
関係性をなんとなく図にしてみました。伝わるかな…。

見づらくてすまん…

唯一、舞台座の【団結】に関しては、効果自体が"ボーナス"でしょうか。「クリーチャーが場に出る」ことが"トリガー"になりますので、緑白のテーマである【市民】とは、相互補助的な関係にあるといえます。2色を共有する土建組の【奇襲】も、若干軽いコストで【団結】を誘発させる"トリガー"になりますね。

また、黒赤の【生贄】は、「クリーチャーの生贄」が主なものの、「パーマネントの生贄」を参照するものもありますので、赤緑のテーマである【宝物トークン】とも関連付けられます。

例えば、先ほど酷評した緑の5/4/5バニラくんですが、「カウンターの供給」や「生贄の提供」をこなせるので、黒赤の3色目としても、白青の3色目としても"メイン2色のコンセプトに合った"カードです。"使い出のある”と評したのはこの部分。やはり3色目のタッチには慎重になりたいですが、見た目に反してやり手なのかもしれません。

即・雇うとは言っていないが、仕事はありそう。

いずれにせよ、友好2色の”裏テーマ”を軸に、デッキの攻撃的なコンセプトを構築、遂行していくのが基本戦略になるだろうと考えます。(ちなみに、敵対2色のカードは存在しません。)

もちろん、フィニッシャーになるボムレアが引ければ、多色土地をかき集めた除去コンのようなデッキも組めると思いますが、前述の通り、高い制圧力と除去耐性を持つ汎用的なフィニッシャーは、アンコモン以下では期待しづらい点は、注意しておきましょう。

ここからは、5種の組み合わせに於いて、注目のカードを見ていきたいと思います。

▼各色のアーキタイプ

・白青:カウンター

伝統の飛行戦略に、カウンターを参照する効果を絡めて。
定番の青のコモン4マナ飛行枠《こだまの検察官》は、ついに3/4+戦場に出たときルーティングまで来てしまいました。物足りない4マナ域の中では抜けて強いでしょう。
3,4ターン目に展開できるマルチカラーのカードはいずれも強力ですので、2,3ターン目にカウンターを持つ生物を展開できるようにしておきたいですね。《ラフィーンの密通者》からの動き出しが理想。《超常使いの詮索者》の3/1/4も、最低限ではありますがある程度信頼できる数字だと思います。

【謀議】全体に関して、最終盤までは、土地カードを捨てる選択肢はほぼないと思います。従来のルーティングと異なり、手札に土地が余ってきますので、【謀議】が多めのデッキは構築段階で少し土地を絞りつつ、5マナ前後のカードを気持ち厚めにとれるとよいと思います。


・青黒:墓地参照

《詮索する新聞記者》からスタートし、【謀議】で墓地を増やしていきます。《新聞記者》は重ねることで能力開放が早まりますので、かき集め系のアーキタイプかもしれませんね。ただ、中盤以降の3/3絆魂にどれくらい価値があるかは、注意して見守りたいところです。
黒の5マナ域2枚は、どちらもしぶとく戦える戦力です。これらで地上を膠着させて、《こだまの検察官》や《下水クロコダイル》でフィニッシュする動きになりそうです。


・黒赤:生贄

《殺人魔》からスタート。【奇襲】を絡めて育てながら、積極的にライフを詰めていきましょう。【奇襲】を繰り返すだけでは自分の盤面が弱くなる一方ですので、《殺人魔》のサイズアップでイニシアチブを取り続けることが重要です。
5マナ域の層が比較的厚く、継戦能力も高めだと思います。《機知ある怨怒取り》、《大火槌の放火魔》、《鍛冶場の親方》などの能力でフィニッシュ。除去も強く、序盤からの殴り合いに長けたアーキタイプでしょう。【奇襲】がデッキを掘り進めますので、安定性も高そうです。


・赤緑:宝物

赤緑の2色だけ見ると、《宝石泥棒》を起点に《カペナ特急》をどれだけ運行させられるかが鍵でしょうか。当たり前ですが、宝物は無尽蔵に湧いてくるものではない(《煌き売り》は、さすがにアンプレだと思うのですが…)ので、マルチカラーの能力が生かされる機会は、そこまで多くなさそうです。
幸い、自然に多色化が安定しますので、3色目、4色目のカードを積極的に運用して、デッキの濃度を上げたいところ。


・緑白:市民

《市民の奉仕者》から始まる横並べビートダウン。こちらは《新聞記者》と違い、結構な確率で3ターン目から3/3絆魂で殴れます。《新聞記者》や《殺人魔》と違い、これ自体をかき集めても旨味が少ないとはいえ、やはり複数枚ピックを目指したい中心戦力ですね。
《天使の観察者》《裏酒場の給仕人》などの航空戦力は、結構いろいろな相手をこまねいてしまいますが、全体強化以外にもオプションがあるにこしたことはありません。

《天使の観察者》が4/4でないのは、結構悪意感じます。
《こだま》つよい。


▼おわりに~プレリパックなにとる?

以上、ざっと考えを巡らせてみましたが、いかがだったでしょうか。
「やられる前にやれ!」な殴り合い環境だったり、各一家が裏で暗躍して2色のテーマに戦力を供給しているのは、スリリングでサスペンスなフレーバーに合っていて素敵だと思います!
個人的に高速環境は苦手ですが、やることは比較的シンプルだと思いますので、なんとか大都会の荒波で生き残っていきたいものです。

アーキタイプの強弱に関しては、白青、黒赤、緑白が強そうな第一印象
特に、斡旋屋(バント)3色は、アンコモンマルチカラーのクセも少なく使いやすそう。あとは【謀議】から「カードを引く」に繋ぐアンコモンも強そうなので、白青には注目したいですね。

青黒は、墓地参照の条件達成の難しさに対して、リターンが物足りない。赤緑に関しては、多色方向なので未知数、環境のスピード感次第でしょうか。

そういえば、明日からのプレリリース、今回のプレリパックは好きな一家を選べるようですね。やはりニクシリスを期待できる貴顕廊が一番人気なのでしょうか笑
シールドであれば、宝物で多色カードをしっかり使える土建組、舞台座もよさそうです。ぼくも金曜夜に近くのお店で参加する予定です!

最後にスペシャルサンクス。(いつもの)

ぼくも参加している、リミテッド中心のDiscordサーバーです。

チャットでは7勝のデッキを共有や意見交換をしていますので、楽しいドラフトライフのお手伝いができるのではないかと思います。気軽にJoinしてくださいね。

以上です。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今回こそは、神河の分までいいまとめが書けるよう頑張ります!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?