見出し画像

フォーゴトン・レルム探訪 ドラフトガイドライン まとめ編

こんにちは、スギモトです。

こうしてスタンダードセットでドラフトのまとめをするのも、3回目になりました!今回も、プレイ頻度としてはかなり控えめになってしまいましたが、なんとか30回、MTGアリーナのプレミアドラフト(BO1)をプレイできました。

いつものぼくのペースなら、ここからようやく勝率が上がってくるところですが、『イニストラード:真夜中の狩り』も発売間近ということで、30回の中で固めた方針について、引き続き「半年後でも、この記事を読めば、もう一度そのセットのドラフトを再開できる」をコンセプトに、「まとめ編」として振り返っておこうと思います。

今回はドラフトそのものより、ぼく自身のトライと課題のボリュームが多めかと思いますが、どなたかの参考になれば幸いです。よろしくお願いします。


▼ドラフト方針の変化

『フォーゴトン・レルム探訪』のドラフトを始めるにあたって、意識していたこととして、「ピック指針のツリー化」というのがありました。

例えば、自分が1番やりたいアーキタイプが赤緑であった場合、それが叶わなそうな場合の第2候補に、全くカードが重複しない青黒を選ぶのではなく、「赤が薄そうな場合には緑白」、「黒が濃いときは黒赤」というふうに、うまく枝分かれしていくような選択肢を、あらかじめプランニングできるようになりたいと考えています。



これまでの数セット、シグナルを読んで、協調的で柔軟なドラフティングをすることがリミテッドの地力を高めると考え、優先してきたつもりです。今回もその考えを180度切り替えるわけではありませんが、もう少し自分の中での軸を作らねばならないと、以下の記事を読んで感じました。

リミテッドの大会に出るとき、私は必ず自分なりの戦略を明確化させます。「本番のパックから出たカードを見てから考えよう」と思いながら大会に足を運ぶようでは、少し努力不足です。私はあらかじめ決めたプランA、B、C……を携えて会場に着くようにしています。(中略) 明確な青写真を持たずに無暗にドラフトをするのではなく、自分の目的地を把握しておくと良いでしょう。

色の格差を強く感じていたこともあって、『フォーゴトン・レルム探訪』は、「軸を持つ」という意識がかなり高まったセットだったと言えます。

先に結論を書きましょう。今セットのドラフトで周囲の評価が低く、同時に自分の一番勝ちやすい色は緑でした。ある程度勝ち星を重ねられたデッキは、すべて緑絡みです。逆にTier1と言われる黒赤では、ほとんど勝てませんでした。

以下に、大まかなドラフトの流れを書きます。

●1パック目の入り方は、赤か白の低マナ域クリーチャー、あるいは緑白用のアンコモンから。
▶中盤(1-5~9)で、【ノールの狩人】【狩りの戦利品】【アウルベア】あたりが来たら緑に。
▶▶相方は白がベストだが、赤でもいいし、2パック目序盤(2-1~4)次第では、黒へ進んでも。
▷もし緑に行けなければ、そのまま赤白。黒赤に進めそうなら黒赤。

青はやらない。1パック目のレアが、【マインドフレイヤー】でも【モルデンカイネン】でも取らない。【イムリス】ならちょっと迷うけど、やっぱり取らないと思う。どうせやらないので、ここから下家が青を目指してくれて協調できれば御の字。全体的なカードパワーが低く、うまくまとめられてとしてもプレイが繊細になる青は、完全に切りました。

●黒も、黒赤以外はやりたくないので優先度は低い。が、上家が「黒赤やってもいいよ」と言ってくれた時のリターンはあるので、初手の【西門の主】や【ゼラチナスキューブ】は取る。
「黒赤やっていいよ」の指針になるのは、中盤に”パクリファイス”パーツが流れてくるかどうかで判断。(今セットの黒赤で一番強さを感じるのは、簡単に攻守を入れ替えるこのパッケージ部分で、これが確保できていない黒赤には魅力を感じていない。)

少し話は逸れますが、こういった軸を決めるまでの流れは、ピック戦略だけではなく、プレイの上達という観点での考え方の変化も影響しています。

いままでは、「いろんなアーキタイプを触って、ゲーム全体の理解と総合力を上げていかなければならない」と考えていましたが、いまは「特定のアーキタイプのプレイパターンを蓄積し、まずは狭い範囲でも構わないので、正確に思考できるようにする」ということを第一目標にしています。これについては、記事の終盤でもう少し詳しく…。

前置きが長くなりました。ここからは一番手ごたえを感じた緑白を主軸に、赤緑にも少し触れながら、いつものスタイルで細かいガイドラインをまとめていきます。


▼緑白コモン優先度ランキング

【Sランク】(3枚以上あっていい)

画像1

緑白のエンジンです。テンポ環境での2/2/2絆魂が優秀なことに加えて、コモンで継続的にライフゲインする数少ない手段。目の前を通ったら全部取りましょう。


【Aランク】(2枚欲しい)

画像2

いろいろな役割がありますが、基本はマナカーブの整理を優先して順位付けするのが良いと思います。

《雄牛の筋力》…比較的遅い手順で回ってきているので、そこまで優先度が高いわけではありませんが、中盤の攻防を支える1枚で、勝利貢献度は高いです。

【Bランク】(1枚欲しい)

画像3

《ハーフエルフのモンク》…中間報告編でも書きましたが、緑白のゲームレンジに合ったカードで、中盤の守り、終盤の詰めに貢献してくれる、という認識は変わりません。

《予備の短剣》…地味ですが、結構評価しています。S,Aで挙げた2マナ域3種すべてとシナジーを形成する上に、黒赤の《ホブゴブリン》《グール》をテンポよく除去できる手段として、環境的な後押しもあります。

【Cランク】(B以上が足りないときの数合わせ)

画像4


▼緑白アンコモン優先度ランキング

【Sランク】(Sコモンより優先)

画像5

カードアドバンテージを期待できるコンバットトリック2種以外は、緑白専用カード。詳しくは中間報告編に書きました。ここから2~3枚はデッキに入っていて欲しいです。


【Aランク】(Aコモンより優先)

画像6

《武器を選択せよ》…最初は”おもちゃ”だと思っていたのですが、回数を重ねるにつれ気に入ったカードです。緑の苦手とする飛行戦略への対策になり、フィニッシュの破壊力も魅力的。二段攻撃とは違い、ちゃんとタフネスが上がるので、火力避けとしても仕事をしてくれるのが有難い。どのゲームでも仕事をしてくれます。


【Bランク】(Bコモンより優先)

画像7


▼緑白レア優先度ランキング

【Sランク】(Sアンコモンより優先)

画像8

【Aランク】(Aアンコモンより優先)

画像9

【Bランク】(Bアンコモンより優先)

画像10

画像11

6-3。タッチドラゴン。このとき1-1は《不動のパラディン》でした。

スクリーンショット (2959)

7-2。アンコモンのラインナップが心もとないですが、
1度も引かなかった《ハンド・オヴ・ヴェクナ》以外の、全員野球で完走。


▼赤緑について

白に入れなかった場合の選択肢。緑白の専用アンコモンが持つ安定感・爆発力がなくなり「いたって普通」のリミテッドデッキになります。ですが、その「いたって普通」の展開が強力な《ホブゴブリンの戦士》と《ドラゴンの火》。序盤からプレッシャーをかけて、トランプルやドラゴンで押し込みます。

ガイドライン、緑の部分は基本的に変わりません。アンコモンSランクの《隠れ潜むローパー》《裕福な亭主》《ドルイド・クラス》がBランクに下がります。残りの赤いカードだけランキングしておきます。

▼コモン
【Sランク】

画像13


【Aランク】

画像14


【Bランク】

画像15


【Cランク】

画像16

▼アンコモン
【Sランク】 

画像17


【Aランク】 

画像18


【Bランク】 

画像19


▼レア
【Sランク】 

画像20


【Aランク】 

画像21

素直なビートダウンですので、マナカーブのデザインを最優先に。《ペガサス》や《アライ》が居ない分、飛行を持つドラゴン系は確実に取って、終盤の押し込みができるように。6マナとしては残念な《グリーン・ドラゴン》であっても、無いよりはいいと思います。

画像22

7-1。無駄のない2マナ域と、フィニッシャーのドラゴン。理想的です。
4マナ域のレア2枚は、特に何もしていません。


※赤白や赤黒もまとめるところまでいきたかったのですが、不甲斐なくも、納得のいく指針と戦績が組み立てられませんでした。


▼さいごに~上達のためのステップ

前半で書いた、「特定のアーキタイプのプレイパターンを蓄積し、まずは狭い範囲でも構わないので、見落としなく、正確に思考できるようにする」という目標。これはドラフトに限らず、ここから1年の自分のマジックの取り組み方の指針としたいと考えています。

定期的・計画的にMTGアリーナをプレイするようになって、これまで1年と少し。自分なりに考えながらリミテッドに取り組むことで、いまの自分のレベル、立ち位置を知ることが出来ました。以下、参考にしている記事のリンクを2つ。


いまの自分は、杉山さんの記事で言えば、レベル1。高橋さんの記事で言えば、レベル30に行くか行かないか。
(関東でテーブルトップをやっていた6,7年前は、構築フォーマットで店舗大会を勝ったり、GP2日目に行ったこともありますが、いまはそこまで勝てないだろうなと思います。リミテッドフォーマットでは言わずもがな…。)

いまの自分にとってまず必要なのは、「見落としなく、正確に思考できるようにする」習慣をつけることだと考えています。「特定のアーキタイプのプレイパターンを蓄積し」が、そのための手段。「まずは狭い範囲でも構わないので」というのは、「視野」ではなく「分野」の話ですね。無限に時間があるわけではないので、分野=アーキタイプを絞って蓄積を重ねるイメージでいます。

(杉山さんの記事の中では、このような言及もあります。

練習ではデッキの選り好みをしないこと、そしてできればプレイが難しいデッキ(プレイの選択肢が多いデッキや小さなミスでも負けてしまうデッキ、ゲームスピードが可変的なデッキなど)を選ぶべき。



ここに関しては、「時間が限られている」という前提に加え、「許容できるリスク/できないリスク」という価値観の問題があり、アーキタイプを絞りたい。これについてはまたどこかで!)

リミテッド以外には、ヒストリックや、マジック・オンライン(MO)のモダン、レガシーも折を見て触っていましたが、これから1年、構築フォーマットはスタンダードに絞ってやっていきたいと思います。

下環境の強いカードを使うのが好きなんですが、モダンやレガシーは環境に存在するアーキタイプが多く、それぞれに対するプレイパターンを考え、記憶するのは大変です。以前と比べると新セットの影響が大きい、最近の下環境はなおのこと。

細く長く?十数年マジックを触ってきましたが、ここらでひとつ、気持ち新たに学び直そうと考えました。初心に帰るという意味でも、久しぶりにスタンダードにちゃんと目を向けようと思います。取り組み方がまとまってきたら、何か記事を書くかもしれません。


最後に宣伝&スペシャルサンクスです。(いつもの。)

ぼくも参加している、リミテッド中心のDiscordサーバーです。

今セットは余裕なく、全然参加できなかったのですが、既に新セットの意見交換も活発です。

通話に参加しなくても、チャットでは7勝のデッキを共有や意見交換をしていますので、楽しいドラフトライフのお手伝いができるのではないかと思います。気軽にJoinしてくださいね。

以上です!最後まで読んでいただき、ありがとうございました。またすぐに、『イニストラード:真夜中の狩り』入門編で!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?