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フォーゴトン・レルム探訪 ドラフトガイドライン 中間報告編

こんにちは。「フォーゴトン・レルム」の探訪、捗っていますか??

ぼくは仕事の関係で、リリース後2週間ほどプレイができず、この1週間で15回プレイして、なんとか中間報告にこぎつけました。

と言っても勝率はなかなか悲惨です。計77ゲームやって35-42。早く負けたから15回できたというのは間違いなくあります…笑 完走(7勝)もなし。

まぁ、ここまで調子が上がらないのはいつものことです。ひとまず自分の頭の中を整理するという意味で、MTGアリーナ・プレミアドラフトでのAFR環境のおさらいと、解像度が上がってきた緑白、赤白の話をしようと思います。よければお付き合いください!

▼環境のおさらい①―先手優位

「入門編」で書いた通り、攻撃的キーワードを有する色が多く、攻撃偏重環境。

《ホブゴブリンの隊長》《武勇の歌い手》という環境の中心クリーチャーが、にらみ合いを赦さないこともあり、殴れる回数の多い先手が圧倒的に有利です。サンプル数としては決して多いと言えませんが、ここまでの77ゲームは先手35回/後手42回。そして勝敗数がそのまま、35勝42敗です。改めて見ると笑ってしまいました。

いや、笑っている場合ではありません。「ダイスロールの不運を嘆く」というのは、個人的にマジックで最もやりたくないことのひとつ。どうやっても干渉できない要素ですから。
運を克服する要素として、プレイングももちろんありますが、「そもそも先手でしか勝てないデッキ使ってない?」という疑問は常に持ち続けたいと考えています。自分が構築フォーマットでデッキを選ぶときの条件として「後手でも強い」は、間違いなく3本の指に入ります。(《秘密を掘り下げるもの》が嫌いで、《タルモゴイフ》が好き。《目くらまし》が嫌いで、《意志の力》が好きです笑)

ここからは「いかに後手時の勝率を上げるか」を意識しつつ、アーキタイプの評価に移っていきます。

▼環境のおさらい②―色の評価

赤がトップ評価なのは万人が認めるところでしょう。上で挙げた2大アタッカーに《ドラゴンの火》という強力な軽量除去を有し、攻撃側に立てた時のマウント力は随一。攻撃偏重環境の後押しもあり、最も”勝てる色”です。

他より評価を上げたいと思っているのは、白と緑
白は、攻守どちらでも輝く2マナ域の3枚が、後手での勝率を上げることに貢献してくれると考えます。人によっては評価が低めで、悪いカードではない《プレイナー・アライ》や《ハーフエルフのモンク》がパック終盤で回ってくることもままあります。

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お気に入りの3枚

緑もそこまで嫌っていません。特に《月の円環の賢者》。守っては素の《ホブゴブリンの隊長》を返り討ちにするタフネスがありながら、殴れば高マナ域とも相打てるパワー。《雄牛の筋力》も、攻防どちらでも使えるコンバットトリック。これらで終盤戦に持ち込めれば、《アウルベア》《ヒル・ジャイアント》という安定した戦力があります。
対空防御の弱さ、地上を膠着させた後の勝ち方は、どのセットでも緑の課題です。航空戦力を補充でき、アンコモンを中心としたシナジーも強固な、緑白で運用することを考えたいですね。

一方で、あまり評価していないのは黒と青です。
黒は、コモン除去2種が強いことは疑いようがなく、黒赤こそ環境のTier1ですが、それ以外の色の組み合わせ(白黒・青黒・黒緑)が、いずれもそこまで魅力的ではありません。装備品でのサポートや”陰鬱”メカニズムが攻め偏重の特性をもつのも、後手での勝率を上げたいならマイナスです。

青は、特に2マナ域が弱いため他の色だのみになりやすく、メインカラーとしてはまず選びえないと思います。
唯一青赤だけは積極的に青の固有戦力を生かせそうですが、競合しやすい赤のコモンの中で”青赤でしか使わない”のは、力不足の《ブラス・ドラゴンのドワーフ》のみなので、完成度の高いデッキにするのは、かなりの難易度だと感じます。

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この2マナ域ではなぁ…

これを踏まえながら、今回は有力なアーキタイプとして、「緑白」「赤白」という2つについて掘り下げたいと思います。
それぞれについて【概要】【優れている点】。続いて以下のとおり、ドラフティングの方針についてお話しします。

【ピックの指針になるコモン】:「これが1枚も取れない席で、そのアーキタイプをするのは厳しい」というコモンカード。デッキの軸になります。1パック目中盤で回ってくるこのカテゴリーのカードによって、進む色を確定するイメージ。

【底上げしてくれるアンコモン】:コモンが形成するアーキタイプの方針に沿って、デッキの完成度を1段階上げてくれるカード。流れてくるようなら、とても強いサインになります。

【遅い手順で取りたいカード】:「1周期待」「決して“タダツヨ”ではないが、完成形のデッキには入ってよい」というカード。特に1パック目8手目までの感触が良くない場合、ここに注目できれば、2パック目以降での色替え、リカバーの道を探れるかも。

▼アーキタイプ①:緑白

【概要】
ライフゲインシナジーを有するアグロ~ミッドレンジ。

【優れている点】
攻防のバランス。前述の通り、低マナ域が攻守にわたって活用できる上に、そもそもライフゲイン機能が、アグロミラーで効いてくる。先手時のマント力も、サイズ差や飛行での押し付けがあり、他アーキタイプに引けを取らない。

【ピックの指針になるコモン】

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《ドワーフホールドの勇者》《不動のパラディン》《月の円環のドルイド》《君は見張り中に物音を聞いた》《雄牛の筋力》:基本パーツ。その強みは前述の通り。《ノールの狩人》は防御力が低いので1段下がりそうではありますが、そもそも2マナ域が薄いと話にならないので、つべこべ言わず取ります。

《天界のユニコーン》:ライフゲインとシナジーする唯一のコモン。これを育てて地上を制圧するのが、中盤の戦い方です。

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《アルボレーアのペガサス》《プレイナー・アライ》:地上が膠着したときに飛行での詰め筋を持つのが、赤緑との大きな違いです。確保しておきたい。

《幽閉》《狩りの戦利品》:除去。取ろう。それぞれに使いづらさはありますが、システムクリーチャーに触れないという弱点は、つぶしておかないといけません。

《古代の伝承の僧侶》《鼓舞するバード》《アウルベア》《群喰らいのヒル・ジャイアント》:ETB誘発がいい感じのグッドスタッフたち。これらで脇を固めていきます。


【底上げしてくれるアンコモン】

コモンのラインナップを見てもらえればわかりますが、《ユニコーン》以外は汎用パーツ。アンコモンがあって初めて、ライフゲインを絡めた強いムーブができるようになります。
幸い、シナジーを持つカードは多く、「《トレラッサーラ》が居ないとデッキにならない」という感じではありません。これらのうちどれかから入ってポジションを確立し、2パック目と3パック目で、1枚ずつ追加していくようなイメージでいいかと思います。

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《月の踊り手、トレラッサーラ》:1マナ軽くなった《ユニコーン》であり、おまけのような占術も、ドローの弱い緑白にとっては唯一無二の働きをします。

《クレリック・クラス》:一億総ユニコーン化。テンポは悪いですが、レベル3まで合わせて、強力な効果です。

《隠れ潜むローパー》:5マナ域すら返り討ちにする突出したサイズを持ち、緑白なら疑似警戒までつきます。やりすぎ。

《裕福な亭主》:継続的ライフゲインシステム①。《トッサレーラ》との組み合わせは、お互いにライフと生物を供給しあえて、実質永久機関です。

《ドルイド・クラス》:継続的ライフゲインシステム②。緑白はドローが弱い分、マナフラッドが致命傷になりかねませんが、それをそのまま打点に変換できるのも噛み合っています。《クレリック・クラス》と一緒にデッキに入ったときは、テンポロスが大きくならないよう、展開に気を遣いましょう。

【遅い手順で取りたいカード】

《ハーフエルフのモンク》:出すのも運用するのも少々重いのが玉に瑕ですが、タッパーが弱いはずもなく。終盤の空中戦などを支えてくれるカードで、攻撃時誘発や装備品に強いのも高評価です。緑白のゲームレンジ、プランに合ったカードだと思います。

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6-3。最後のゲームで、100人いたら99人は間違えないブロックを間違えて、完走を逃しました。(なので実質完走…笑)2マナが薄いですが、タッパーがかなり頑張ってくれた記憶があります。《酒場》も結構好きです。


▼アーキタイプ②:赤白

【概要】
アグロ。テンポ・展開力と装備品で勝負する、いつものボロス。

【優れている点】
攻撃優位環境でのアグロ最右翼。装備品での”点”攻め以外にも、トークンや速攻を活かした"面"での攻めもとれる。ボロス系の例に漏れず、コモンでマナカーブを整えることが最重要で、特定のアンコモンへの依存度が低いのも○。

【ピックの指針になるコモン】

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《ホブゴブリンの戦長》《武器庫の古参》《ドワーフホールドの勇者》《不動のパラディン》《武勇の歌い手》:環境を定義する軽量アタッカーたち。後述しますが、4ターン目に2アクションをとるために、3,4マナ域はあまり膨らませたくないです。《略取するバーバリアン》や《古代の伝承の僧侶》も弱いカードではないですが、少し優先度は下げてもいいのでは、と感じますね。

《ドラゴンの火》《君は見張り中に物音を聞いた》:2マナの除去。後手からまくる際に重要な、4ターン目の2アクションを担います。どちらの除去も4マナ域まで射程にできるのがありがたい。《君は見張り中に物音を聞いた》がブロッカーを捌けないのは攻撃的な戦略と相性が悪いですが、そもそも相討ちされづらくすれ違いがちなことや、全体強化のモードがあることなどをふまえたら、おつりが来るのではないでしょうか。

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《ブーツ・オヴ・スピード》:集団戦術の達成で十分に注目されている装備品だとは思いますが、後手での勝率を上げる手段としても重要です。一番の問題は攻撃回数なので、速攻で1ターン先に殴り始められれば、後手からも逆転が目指せるのではと考えます。マナカーブへの干渉が柔軟かつ最小限な点も優秀で、2マナ域を多くとりたい赤白にマッチしています。

《献身のパラディン》《群がるゴブリン》:展開力にこれらを絡めた"面"の攻めがあるのも、赤白独自の強み。《パラディン》の存在感は、緑白で使う時よりはるかに大きいと思います。

《アルボレーアのペガサス》:5マナ域は上の2枚がマッチしていることもあり、《プレイナー・アライ》の点数は緑白より低め。詰めの航空戦力としては、こちらを採用したいです。


【底上げしてくれるアンコモン】

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《雄叫ぶゴブリン》:前述の通り、アンコモンへの依存度は低い(ついでに言うと白のアンコモンが弱すぎる)のですが、こいつだけは別格です。頭数が並んでいるときはもちろんのこと、更地からでも突然全体の打点を上げてくる化物。
こちらの終了ステップに《君は二匹のゴブリンを見つけた》からメインでこれ、と動かれたときは、《欠片の双子》コンボか何かかと思いました笑
赤白の方向性にもマッチしていますし、マルチカラーアンコモンの《ブルーノー・バトルハンマー》が1段デッキの強さを上げるとしたら、こいつは3段くらい上げてくれる印象です。

《板金鎧》:最高峰の装備品。装備品は赤白のテーマの一つではありますが、やはりテンポがシビアなので、数をとりすぎるのも危険ですね。前述の《ブーツ》や、2マナ除去としてもカウントできる《予備の短剣》など、軽い装備品でまとめたいところです。

《ゴブリンのモーニングスター》点攻めに強い装備品。赤白ではまぁそれなり程度でしょうか。ここであえて挙げたのは、「肉質はいいのに回避能力に乏しい赤緑では、必須級だと感じる」という話をしておきたかったから。

【遅い手順で取りたいカード】

《君は道で待ち伏せに遭遇した》:まだ使ったことも使われたこともないですし、遅い巡目で回って来ますが、17Landsのデータ上での「デッキに入っていた時の勝率」が、なんと白のコモンでNo.1。(「プレイしたゲームでの勝率」ではありませんよ!)7勝デッキにちらほら入っているのを見かけます。確かにテンポはよく、後手からの返しにも貢献できそうなので、今後試してみたいと思います。

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4マナが厚すぎ、さらにブルーノ―に引っ張られて
無駄な装備品が増えてしまった例。先手で1勝、後手で3敗。いいパーツも取れているだけに残念。


▼今後の課題

いまのところのピックの方針としては、赤と白をにらんで、緑白系のアンコモンが来たらそっちへ、という意識でいこうと思います。

黒はあまり評価していないとはいえ、強力レアを剥いたり、除去や《隠棲した絵描き、カレイン》が流れてきたときには積極的に入りたいので、選択肢として黒赤、白黒の精査をしたいですね。

黒赤は最初の1回しかやらせてもらっていないので、まだちょっと理解不足。白黒はロングゲーム指向になると思います。レアや除去ありきですね。青も検討できるといいのですが、そこまでは手が回らなさそうです…笑

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現状、最初で最後の黒赤。5-3。いま見ても、結構いいパーツが揃っています。5マナ域の部分がもうちょっと洗練されれば理想形では?

まだまだ大きく負け越していますので、ここから盛り返していきたいところ。先手後手の割合も、ここから収束していくでしょうし…(してくれないと困る笑)
今回考えをまとめていて、うまくピック出来たと思っていたデッキも、かなり不純物が混じっていたということが認識出来ました。《アライ》と《パラディン》の対比なんかは、地味に大きい要素ではないかと自分で書いて感じましたね。同じように苦戦している方の参考になれば幸いです。

最後に宣伝&スペシャルサンクスです。(いつもの。)

ぼくも参加している、リミテッド中心のDiscordサーバーです。メンバーの記事から参加してくれる方が多く、100人目前!?ありがとうございます。

最近は、画面共有しながらドラフトのピック&プレイもご無沙汰ですが、ぼくも慣れてきたので、近々やらせてもらおうかな…

通話に参加しなくても、チャットでは7勝のデッキを共有や意見交換を活発にしていますので、楽しいドラフトライフのお手伝いができるのではないかと思います。気軽にJoinしてくださ~い!

「まとめ編」は、2週間後くらいに出せればいいなと思っています。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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