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イニストラード:真夜中の狩り ドラフトガイドライン 入門編

こんばんは、スギモトです。

『イニストラード:真夜中の狩り』のフルカードリストが揃ってから数日。いよいよ、MTGアリーナでのリリースも近づいてきました!

初代『イニストラード』からずっとプレイしているぼくとしては、オーソドックスなゴシックホラーの世界観がより濃くなって戻ってきて、とても嬉しいです。イラストもシックな感じで最高!
めっちゃ余談ですけど、フレイバーテキストが優しくて嬉しくなっちゃう3選、置いておきます。

優しい世界。
《跳ねる狼》もかわいすぎて毎日見ちゃう。

犬派からは以上です。

今セットも、リリース前『入門編』→リリース後2週間程度『中間報告編』→リリース後1か月程度『まとめ編』と言う流れを目標に、MTGアリーナ・プレミアドラフト(BO1)環境を考察していきます。

前フリしておくと、様々なカードにかなり細かいシナジーがあり、昼⇔夜を巡るプレイングも重要な、玄人好みのセットになりそうな気がします。ぼくもまだまだ手探りですが、誰かの参考になれば嬉しいです。対戦よろしくお願いします!




▼コモンからの環境概観

1.除去が多く、使いやすい

特に除去のお家芸である赤と黒に枚数が揃っていて、いずれもそれなりに扱いやすいです。白は最近のセットから見ると少しひかえめですが、青のライブラリーへのバウンス、アンタップ阻害、緑の格闘など、いつものラインはきれいに揃っています。
また、アーティファクトの《銀弾》は、どの色でも使える3(+1)マナ3点火力という及第点に、「狼男なら破壊」というボーナスがついています。これをふまえると、「どの色も充実している」と言っていいでしょう。

なお、白と青のオーラ除去は、生贄コストに利用されてしまいます。いつものことですが、特に今回、黒には生贄コストが多いので、注意しましょう。


2.(緑だけ少し大きいが)3マナタフネス2、4マナタフネス3が一定数おり、一回り下のマナ域から相打ちしやすい。

額面上のクリーチャーサイズは控えめで、盤面でまともにぶつかり合うと、防御側が有利に見えます。ただ、攻撃に発動することのおおい「集会」や、「戦場に出たとき」能力で手札を補充・トークンを出す・カウンターを撒くものも多く油断はできません。除去と合わせて「フラットな盤面にはしやすいが、攻撃側も継戦能力は高い」といったところでしょうか。

3.6マナ以上のカードが無く、高コストの行動として、フラッシュバック・降霊が配置されている。

ぼくが本格的に触り始めたここ1年強のセットの中で、一番画期的なのはこの点でしょう。

マジックのリミテッドは、毎ターン土地を置いて(1ターン目をパスして)マナカーブ通りにカードをプレイしていけば、6ターン目でほぼ手札が尽きる構造になっています。頂点の6マナに、サイズの大きいクリーチャーや効果の大きいスペルがセットされているのが通常でした。
今回、それがコモンには1枚もありません!

基本の設計意図としては「高マナ域のカードが手札に溜まってプレイできず、夜になる/昼に戻せない危険を回避する」というものだと思いますが、「軽いマナコストで複数回行動することが推奨される」「6マナ行動のインパクトが小さい(フラッシュバックや降霊は再利用のアドバンテージ分、マナコストに対して効果が低くなっている)といったことも予想できます。

以上の3点から、墓地にカードが溜まりやすく、どの色もキャントリップやFB・降霊で行動回数を維持していく、消耗戦環境ではないかと感じました。

▼”部族”ではないアーキタイプの研究

イニストラードといえば、初期のころから、白青:スピリット、青黒:ゾンビ、黒赤:吸血鬼、赤緑:狼男、緑白:人間、という部族構成が定番で、今回もそれが踏襲されています。
…されてはいるのですが、直接部族をサポートするシナジーはそれほど多くありません。(コモンではごくわずか。アンコモンでも散見される程度。)それよりは、各色に得意な行動があり、それが横断的なシナジーを形成していることに注目したいと考えています。



・得意な行動
【白】+1/+1カウンターと集会。人間/スピリットトークンを出す。降霊。死亡誘発。
【青】腐乱ゾンビトークンを出す。3体タップ能力。降霊。切削。昼夜。
【黒】「絢爛」。腐乱ゾンビトークンを出す。3体タップ能力。生贄。死亡誘発。
【赤】「絢爛」。昼夜。スペル連打。夜固定。
【緑】+1/+1カウンターと集会。切削。フラッシュバック。夜固定。各種トークン。

※「絢爛(けんらん)」は、「このターンに対戦相手がライフを失っていたら~」能力の別称です。(元ネタはラヴニカ。そこではマナコストにまつわる能力ですので、厳密には今回のものと違うのですが、用語として使いやすいので。)
※”昼夜”は、「昼が夜になるか、夜が昼になるたび~」能力を指して、ぼくが独自に使っています。
※”夜固定”は、主に狼男を中心にした、夜であることでボーナスを受ける能力を指して、ぼくが独自に使っています。

赤のスペル連打は、昼夜と好相性ですが、夜固定とはアンチシナジーな点など、地味に注意したいですね。

ここから2色を組み合わせて、10アーキタイプの得意な戦術を考えてみます。例によって、アンコモンが指標になりますね。
メイン戦術以外にも、各色の「得意な行動」がシナジーを形成する場合は、「白のAAー青のBB」というように書き添えています。

【白青】降霊のアドバンテージ&飛行クロック。
・青の腐乱トークンー白の死亡誘発
・青の切削ー降霊
・白のトークンー青の3体タップ

【白黒】トークンを並べる、生贄にする。
・人間&スピリット&腐乱トークンー黒の生贄、死亡誘発、3体タップ
・白の降霊ー黒の生贄、死亡誘発

【青黒】腐乱トークンの生成と活用。
・腐乱トークンー3体タップ
・腐乱トークンー黒の生贄、死亡誘発
・青の降霊ー黒の生贄、死亡誘発

【青赤】スペル(インスタント、ソーサリー)プレイビートダウン
・赤のスペル連打ー昼夜

【黒赤】絢爛ビートダウン
・絢爛ー黒の腐乱トークン(安い命なので、チャンプアタックさせやすい)

【黒緑】「このターンに死亡したクリーチャーの数」―黒の生贄、腐乱トークン。

【赤緑】夜固定

【赤白】昼夜ビートダウン
・赤のスペル連打―昼夜

【緑白】+1/+1カウンターと集会

【緑青】切削、フラッシュバック
・緑の切削ー青の降霊


これらを、「攻撃的アーキタイプ」と「防御的アーキタイプ」の2つに分けてみます。

●攻撃的アーキタイプ…できるだけ盤面の戦力を維持して、複数回行動でテンポを取って殴り切る。
→青赤スペル、黒赤絢爛、赤白昼夜、緑白集会

+1カウンターでのサイズアップ、除去などのスペルで、ビートダウンをバックアップしていきます。
スペルを連打することが、夜→昼のトリガーになります。昼夜効果がどの程度の頻度で誘発するのか、やってみないとわかりませんが、赤緑との対戦などでは相手も夜にしたがるので、思ったより誘発するのかもしれません。
自分より遅いデッキに強力な効果のヘビースペルが少ないこと、細かい動きを重ねるという行動自体が、夜固定への対策行動になるというのは、環境的な追い風です。


●防御的アーキタイプ…盤面の戦力を1対1交換で消耗させ、墓地のリソース差で勝つ。
→白青降霊、青黒ゾンビ、黒緑陰鬱、赤緑夜固定、緑青フラッシュバック、白黒トークン??

前述の通り、下のマナ域で相手クリーチャーと相打ちができること、除去が多いことは、消耗戦をしたい側への好材料。
赤緑といえば脳筋ビートダウンのイメージがありますが、相手のスペルが尽きれば夜固定がしやすくなり、自分のトップデッキも強くなるので、基本的に長期戦になればなるほど有利です。
緑は単色で優秀なフラッシュバックカードが多いです。それらでカードアドバンテージを稼ぐのが得意で、一番防御的な色に見えますね。

防御的アーキタイプは各システムの親和性が高く、スゥルタイ(UBG)、アブザン(GWB)、エスパー(WUB)など、多色墓地利用グッドスタッフを目指していいかもしれません。2色地形こそありませんが、多色サポートは、緑とアーティファクトに一定数あります。

かぼちゃ軍団におまけのようについている墓地リムーブは、
ほとんどのデッキが墓地を使うことを考えると、見た目以上に強力な効果。
防御的アーキタイプでは十分プレイアブルではないでしょうか。


▼どの色・戦略が強い?~さいごに

どの色が強いかは、実際にぶつけてみないとわからないです…。攻撃的アーキ/防御的アーキのゲームレンジにかなりギャップがあるように感じるので、同じ軸の上に乗せて評価しづらいですね。どの色の組み合わせも、それぞれのギミックをちゃんと整理して繋いでやれば、かなり戦えそうに見えます。

「消耗戦環境」と書いたことに加えて、オーソドックスな飛行持ちがいつもより若干少なく、降霊にひと手間かかることと、最近のセットの中では装備品や強化オーラが少な目なこともあって、一方的なゲーム展開になることは少ないんじゃないのかなと思いますが…どうでしょう??

一方でシンプルにカードパワーだけ見ると、マナカーブに沿って配置される集会クリーチャーや+1カウンターに加えて、数少ない装備品《垣魔女の仮面》が強力な、火力の強力な赤が強く見えるので、攻撃側が覇権をとってもなんらおかしくありません。

集会のパワー調整に使うことができる上に、
終盤タフネス5以上につけば、簡単にゲームを壊せそうです。

赤は、火力こそどのアーキタイプでも使えますが、クリーチャーはかなりアグロ傾向が強く、2色の組み合わせにするときも、できる限りメインカラーにしたいですね。
当たり前のことですが、ゲームレンジの違う、ちぐはぐなカード(=不純物)をいかにデッキに入れないかが重要です。前述のように、テキストに直接書かれていないような細かいシナジーがあるので、いわゆる「23枚目」のカードまで、しっかり目を光らせてピック・構築したいですね。

そんな中、この人だけ「一人ちぐはぐ」に見えて不憫…

いずれにせよ、細かいシナジーやパワー調整、スペルのプレイタイミングがものを言うので、やるたびに意外な組み合わせやトリッキーなプレイが発見できる、面白い環境になるのではないでしょうか!
ムズそうで、いまの時点からあまり自分が勝てる気がしませんが、がんばってみます笑


最後に宣伝&スペシャルサンクスです。(いつもの。)

ぼくも参加している、リミテッド中心のDiscordサーバーです。

前セットは余裕なく、全然参加できなかったのですが、既に新セットの意見交換も活発です。

通話に参加しなくても、チャットでは7勝のデッキを共有や意見交換をしていますので、楽しいドラフトライフのお手伝いができるのではないかと思います。気軽にJoinしてくださいね。

以上です!最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
月末までどれくらいプレイ時間がとれるか怪しいのですが、がんばって『イニストラード:真夜中の狩り』中間報告編にたどり着きたいと思います。また!


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