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コラボ頭部管の製作

久々に銀管に木の歌口の頭部管(コラボ頭部管と命名していた)を作ることになった。

最近になって漆仕上げで小さめの穴の頭部管のみを作ることにしていたので、最初は製作を躊躇ためらっていた。
銀管でも同じように作れないことはないのだが、ピッチとテーパー形状との関連や、漆塗りの手順などを考えると簡単には着手できなかった。

それでもあれこれ考えているうちに、ある程度構想が固まり面白そうに思えてきたので着手することにした。


使用する木はジリコテ(シャム柿)に決まったので、角材から寸法を切り出して中心にΦ16の穴を開け、さらに外周を丁度良い寸法に削って円柱にした。

今までは真鍮薄板の型を使ってリッププレートと歌口穴を罫書けがいていたのだが、今回は図面を引いてレーザー彫刻機を使用した。

今回は歌口を管に仮付けして歌口穴を仕上げ、一旦外してから歌口を漆で仕上げてから再度管に接着する工程なので、ネジによる固定方式にした。

ドリルで歌口穴センターと
ネジ位置を穴あけ

この状態でピッタリの位置で管と接合するように、テーパーリーマで円柱の穴を調整する。

木部の穴をガイドにして
管にマークと穴を開ける

円柱からリッププレートの形状を削り出し、雌ネジポスト用のザグリも裏側に加工しておく。

真鍮丸棒を加工して雌ネジポストを作り、管にロウ付けする。

位置決めしてワイヤーで絡げてロウ付け
ついでに銀のエンブレムもハンダ付けし
磨いて仕上げる

ネジで仮止めして位置のずれが無いか確認した後、管と木部それぞれの穴をある程度広げ、再びネジでしっかり固定した状態で歌口を加工して仕上げる。

今回木部の漆塗りを終えて最終的に管と接着した後に、なるべく手を加えたくないのでしっかりと仕上げておく。
ネジ止めの状態でも音が出せるので、ピッチ等音の確認も済ませておいた。


摺り漆すりうるしの工程を10回重ねて完成
漆乾燥時のためのスタンドも作ってみた

接着には修理も考えてシェラックを使用するが、ネジ止め併用だと安心だ。

はみ出た接着剤の処理は面倒なのでマスキングしておく
木部もこのあとマスキングした

接着後特に問題なく処理でき完成!


クラウン上部を木にしてみた
材料はボコーテ

吹いてみると小さめの歌口穴であることを感じさせないのびやかな音がした。
やはり木管と銀管の中間的な音色になるようだ。

少しだけ動画にしてみたのでよろしければ・・・



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