ウタカゼミニシナリオ「お婆ちゃんの宝物」 「また今度…」「ドンどこ トロッコ珍道中」 「雨が降った後には(単発用)」

「お婆ちゃんの宝物」

●龍樹にかなり近い洞窟の前で君たちは、つい先日、ウタカゼとして認められたばかりの若者、ポポに出会った。

彼は君達に駆け寄ってきた。

「あの、祖母が大切な物がここにあるからって先ほど洞窟に入っていってしまって…」

●君達は彼の祖母について会ったことあるか、知恵+学問3連続2成功で、思い出してみよう。

【失敗】彼の祖母、ローズは年をとっても未だに現役のウタカゼで、任務の無いときは鍛冶屋を営んでいる。失敗したPCは彼女と一緒に旅をした事は一度もない。

ポポのの能力配分は勇気2知恵3愛情5(技能値3は全て歌に配分)

【成功】失敗時に得られる情報+ 君は、彼女の使命に同行した事がある。その際、彼女は勇気が最も高いスペシャリストタイプだった、大きな斧を難なく使いこなしていた印象がある。

●ポポは君達に話します。

「俺、ウタカゼになりたてで、まだ1人は心細いので一緒にいてくれませんか?」

彼と一緒に外で待つなら①

ポポも連れて洞窟に入るなら②に進みます。

ただし、ポポを戦闘に参加させたい場合は愛情+説得2成功する必要があります。

①夕方になると大きな斧を担いだ女性が洞窟から出てきた。「おや、あんたら孫のお守りをしてくれたの。困ったよ捜し物は見たらなかった。場所を間違えたか、もう誰かが持っていってしまったのか、仕方がないから他を探してみるさ」

苦笑しながら歴戦の戦士は龍樹に帰る。皆も一緒に帰ろう。

【おしまい】

****************②洞窟の中には蝙蝠が!

それでも君達はこの先に進むんだ!

勇気+冒険2連続2成功で走り抜け!

失敗した人は成功した人と勇気の協力判定で1回だけ再チャレンジ可。難易度は変わらない。

【失敗】蝙蝠に追い付かれてしまった。瞳は赤くないが戦闘だ。

【成功】蝙蝠より早く奥にすすめたぞ。

●奥まで進むと斧を持った探し人がため息をついている。このあたりに探し物があるはずだったのだが見つからないとのこと。知恵の協力判定。

難易度は2連続3成功。ちなみにポポの知恵は3、ローズは2。

【失敗】

今日は一旦引き上げよう。きっとあそこのどこかに隠れてる。明日また挑戦だ。

【成功】

彼女が探してた物は昔、旦那とはじめて一緒にウタカゼの使命を果たした日、壊れてしまった武器。

子供か孫がウタカゼになったら、それを使ってペンダントを作ろうと決めていたのだ。

「忘れてた自分が悪いとはいえ、これはかなり薪をたくさん用意しないと溶かせないね…君達、ちょっとお願い事していいかな?」

●薪になる木の枝を探そう。

知恵+感覚 難易度は2。成功したら1d6振って出た数字分だけ薪が入手。ポポも薪拾いします

【合計20本】薪が拾えたらローズの鍛冶屋に行こう。

20に満たなかったら、希望を1消費してリロール。この場合は前に出した数と再チャレンジした数を足すことが可能。

「ありがとよ、ついでにお願いしたいんだが、デザインも考えてくれないかね」

●こんなデザインがいいんじゃないか、愛情+説得でローズにデザインの説明をしよう。

2成功:無難なデザイン

3成功以上:お洒落なデザイン

失敗:歴戦の戦士らしい無骨なデザイン

となるぞ。

●ローズはポポが自分の作ったペンダントを身につけてくれたのでとても満足気。

手伝ってくれた皆さんにハチミツを2つ、プレゼントしてくれました。

ポポが皆さんにお礼を言います。

「ありがとうございます。俺、まだ未熟だけど、皆に追い付けるよう、これから頑張ります」

「君らのおかげでとても助かった。あたしが君らよりうんと強いとしても自分が苦手なことに関しては独りでは全然駄目だった。

やっぱりお互いの得意不得意を補いあえる仲間っていいね。

あたしも昔の仲間のとこに会いに行きたくなっちまったよ。皆引退してるけどね」

ローズは大笑いしながらあなた達が自分の家に帰っていくまで手を振り続けていたのでした。

おしまい。

**********************************

「また今度…」

◆その若者は、幼い頃から病弱で、両親が亡くなるまで家から出たことがほとんどありませんでした。

1人になり、外に出てきた後も、彼が口にするのは嫌な気分になる言葉ばかり。

悲しくなる言葉ばかり。

◆彼が言葉を創るたびに、村中で悲しみと怒りが広がっていきました。

そんな空気に溢れた村にたまたま立ち寄ったのがウタカゼの皆さん。

若者は木の影から見つからないようにウタカゼ達を睨みつけていますが…。

◆若者の視線に気づけるか?

【知恵】+〈感覚〉難易度2

【失敗】

あなたは若者の後ろ姿しか見れませんでしたた。

なぜ彼は去って行ったのかは分からない。

分かるのは、彼が長袖長ズボンを着ていたということだけ。

【成功】

あなたは自分を見つめていた若者と視線が一瞬だけ合った。

その瞳は悪意の赤色でした。

◆若者は森の中に

【勇気】+〈冒険〉

3連続2成功で怪我をすることなく、森の奥深くに逃げていく若者を追うことが出来ます。失敗したら回数分PCは怪我により希望を1減らしてください。

◆若者を追わない場合。

ウタカゼ達は悪寒を感じた。

【愛情】による対抗判定。

GMはPCの中で最も低い愛情の数値と同じDPで対抗判定してください。

【失敗】急に死への恐怖が沸き上がってきた。

【成功】自分は耐えることが出来たが、村中から「死にたくない…怖い」と怯える声がぽつぽつと聞こえた。

若者が去った方向に近い人ほど震えている。

◆若者は、追い付かれそうになると、素手で近くの木をなぎ倒し、視界を遮ってきました。

そしてあなた達から姿をくらまそうとさらに速く走りはじめました。

完全に逃げられる前に、見えた詰めはとても鋭く、服からわずかに、服から僅かに見えた腕は黒ずんでいました。

若者が逃げようとしている場所に先回りしなければ、とても捕まりそうにありません。

☆【愛情】+〈心話〉難易度2連続2成功。

空を舞う鳥の声を聞こう。

【失敗】足跡のある場所は教えてくれたが、先回りは難しそうだ。

【成功】

小鳥の内1羽が皆さんに伝えます。

「彼はよく気に入った木の下で、捕まえた取りをそのまま食べるの。私、見てしまったことがあるわ。怖いけど、あなたたちにその場所を案内してあげる」

☆での判定で【失敗】している場合、若者を追いかけた結果、周囲に鳥の骨が散らばった木を発見します。

しかし、不意打ちで木の上から大量の石が落とされてしまいます。

PC全員1d6-2ダメージを受けてください。

☆【成功】している場合。

小鳥の案内で、背後にまわりこめる。

小鳥は、若者がくるのが分かると、飛び去ります。

しばらく待つと、若者が、後ろの方を何度も見ながら、自分がよく使う木の傍まで来ます。

若者に対して不意打ちをする事が可能となります。

不意打ちの場合、先行をとることができ、1人目の攻撃は自動成功となります。

しかし、二人目以降の攻撃には若者は防御判定を行います。

◆追い付かれた若者が口を開くと、そこにはまず、コビットには無いはずの鋭い牙がぎらりと光りました。

逃走中に破けたと思われる服の隙間からは、まるで魚の様に鱗が何枚も生えています。

赤い瞳は見開いているのに、視線が定まっていません。

若者は呟きます。

「帰りたくない」

「死にたくない」

「もう閉じ込められるはまっぴらだ…」

その言葉ににじみ出る感情は、虚無そのものでした。

【悪意の精霊】『虚無の若者』

戦い(噛みつき)PCの中で最も高いDPと同数。

狩り(鋭い爪)4

歌(獣の叫び)PCの中で最も低いDPと同数。

悪意:全PCの最大希望数と同数。

◆ウタカゼにとどめを刺されると…。

若者だった悪意の精霊。

その身体は砂のように崩れ始めました。

彼は崩れゆく身体を重そうに動かし、恨めしそうにウタカゼを睨み続けました。

砂の様に崩れながら泥の様に世界に固執する、その姿はまるで亡霊のようです。

…いえ、彼はすでに亡霊だったのでしょう。

生きたい願い、両親への憎しみが、彼の心身を満たし、悪意の精霊へと変質させたのです。

「また今度…また今度…母さん、父さん、僕も外に出たいよ…いつまで外に出してもらえな…」

彼は、あなた達を通して、自分の両親を見ているのでしょう。

最期の力を振り絞って、ウタカゼの首を握りつぶそうとしてきました……が、その腕も、身体も、目的を果たす前に、風が、彼のすべてをかき消してしまいました。

◆全てが終わり、村に戻ろうと歩き始めた時です。

まるで、それまで辺りを覆いかぶさっていた悪意を洗い流すかのように、雨が降り始めました。

その雨は、一粒一粒がとても小さく、当たっても痛くありませんでした。

村に戻ってきたあなた達の目の前には、元気な子供たちが、無邪気に走り回り、母親に叱られながら、家に戻っていきます。

「もっと外で遊びたーい!」

「はいはい、また今度ね」

◆子供たちが、笑顔を取り戻せたのは、ウタカゼが悪意を消し去ったからに他なりません。

あの怒りと悲しみに、村が包まれることはもう無いでしょう。

子供達は、母親にぶーぶー言いながらも、家に入ろうと歩き出しました。

そして、歩いてる途中で子供達は、あなた達に気が付いて、笑顔で手を振りました。

「ウタカゼ様ー」

その子たちに声をかけられるまで、あなた達が、何を感じ、考えていたのか。

降り注ぐ雨と、風だけが、ウタカゼの気持ちを知っているかのように、静かに、静かに、自然の音色を奏でつづけるのでした。

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「ドンどこトロッコ珍道中」

●皆が今まで迂回してた丘の中を

モグラ族のドンが穴を掘り仲間の

ウタカゼ達が知識を駆使して

線路とトロッコを敷いてくれたぞ。

しかし、最近、穴道のどこからか低いうなり声がするらしい…。

今回、君達に声の正体を調べて欲しいのがドンからのお願いだ。

●トロッコの使い方を覚えよう。

ドンがウタカゼから教えて貰った方法を皆に伝授するぞ。

【知恵】+<学問>で、方法を暗記できたか確認だ。 難易度は2連続2成功

【成功】トロッコの基本をマスターしたぞ。トロッコを使った行動をする際、ダイスが+2される。

【失敗】

覚えきれなかった。実践で覚えよう!

とりあえずトロッコには頑丈で長い棒と、ロープがセットされてるのは確認したぞ!

●トロッコに乗車だ!

皆で力を合わせて動かそう。【勇気】の協力判定だ!

【2成功1セット】

ちょっとしか進まない…。ドンが一緒に力を貸してくれるぞ。彼らの勇気も足して再挑戦だ!

(ドンはモグラ族大人の数値を使用)

【2成功2セット以上、3成功1セット以下】 

トロッコが勢いよく線路の先を進んでいると線路のすぐ隣に岩が落ちている。岩から鳴き声が聞こえる…。

【知恵】+感覚で2成功したら狐の鳴き声ではないかと気づくものの、トロッコはスピードがあり、鳴き声の前を通りすぎていく。

【3成功2セット以上】

トロッコで穴の中を進んでると鳴き声が一瞬聞こえたけど、あっというまに反対側についてしまった。

●もう一度トロッコで中に入って鳴き声の正体を調べよう

さっきは気合を入れすぎたみたいだ。任意のメンバーで【勇気】の協力判定だ。

失敗したらトロッコは穴道に入る前で止まってしまうぞ。

2成功で程よい位置にたどり着けるぞ。3成功以上は反対側までたどり着いてしまうぞ。

●上記判定に参加してないメンバーで穴道の中を走行中【愛情】+〈心話〉を使って声の主に呼びかけたり【知恵】+〈感覚〉で探したりできる。2成功で、岩の傍にいる動物が何者か分かるぞ。

【知恵】狐の匂いがする

【愛情】「岩が落ちてきて痛いよう…」

●トロッコが止まったら

岩の近くに何がいるのかすでに知っていたら【知恵】判定は無し。〈心話〉に成功した人が狐に近づく場合は問題なし。まだ知らない人が近づくと狐は威嚇してきます。

その場合は個別で【愛情】+心話。2成功で狐は威嚇をやめて「しっぽが岩に挟まれて痛い…」と話しかけてきます。

●岩をどうにかしよう。

岩をどかすか砕くか、PLの提案に合わせた判定を行います。

(岩の耐久値は15です)

岩をどかす際にトロッコに入ってる棒を活用する場合はダイスを+2してください。力を合わせて岩をどかすなら【勇気】の協力判定で、成功した数値分、耐久値を削れます。

耐久値が0になったら岩は完全に狐のしっぽから離れます。

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「雨が降った後には(単発用)」

◆ここのところ龍樹をのぞいて近隣に降り続ける雨。

誰よりも早く異変に気付いたウタカゼが、調査しているので他のウタカゼ達は部屋で待機しつつ日々を過ごしてました。

◆毎日退屈だなぁと数日過ごしていたある日、調査に行っていたウタカゼが戻ってきました。

◆しかしそのウタカゼはながい時間雨と戦っていたためか体調を崩して寝込んでるそうです。

そのウタカゼはコビットの青年名前はドトム。乗りうさぎのココアをお供に雨に打たれることも覚悟で外を調査していました。

◆コビットのウタカゼ本人は寝込んでいるが、彼の相棒乗りうさぎのココアに情報を知らないか尋ねてみよう。

【愛情】+〈心話〉難易度2

【成功】そのウタカゼは探索中、雨の中だというのに煙の臭いを嗅いだ。

【失敗】ココアから、とんちんかんな話が飛び出してきた。


◆ココアからイメージが送られます。

ドトムは龍樹の周りをくまなく調査していると小さな小川の方向から謎の煙が見えました。

そのにおいをかいだドトムは「悪意の精霊だ」と本能的に察知したが、長い時間雨に打たれて体が弱ってきている事と煙を嗅いだ結果自分のなかの希望が強制的に削られていくのが感じたため、撤退してきた。

◆愛情に失敗してもココアはあなたを頼りにしようと、懸命にどこかに一緒に行こうと急かします。

ココアを連れていくかどうかは任意です。

クエスト2,3個進めたらボス戦となります。

龍樹からさほど離れていない小川の近くに怪しい影が紫色の炎を焚いている。

「雨を雨を…」

よく見ると口らしき穴が金魚の口の様に動いており、その隙間から牙が見える。

それは赤い瞳をしたテルテル坊主だった。

赤い瞳のテルテル坊主(有利:知恵)

(元情報はクモ。基本p133。狡猾の数値2を狂暴に移動させる。)

毒牙(追加ダメージ1d6-3)

テルテル坊主を倒すと雨はやみ、黒い雲は風に吹かれて消え去った。

もう嫌な気配はしない。

さあ、龍樹に帰って皆にもう大丈夫だと伝えよう。

君の後ろには光り輝く虹が大きく空に描かれていたのでした。

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