(読書記録)意識と本質_井筒俊彦・構造と力_浅田彰
前書き
読書中に理解が難しかった箇所と、その解釈のメモや、意味が分からなかった語句などを記録していきます。
意識と本質 岩波文庫
東洋でもーーいま仮りに極東、中東、近東と普通呼び慣わされている広大なアジア文化圏に古来展開された哲学的思惟の様々な伝統を東洋哲学という名で一括して通観するとーー「本質」またはそれに類する概念が、言語の意味機能と人間意識の階層的構造と聯関して、著しく重要な役割を果たしていることに我々は気付く。
上部の引用は、これからの論考への重要な、著者の問題意識の書かれた箇所です。
この後、共時的という用語がよく出てきます。意味について以下に記載します。
共時的…言語学者ソシュールの用語。時間の流れや歴史的な変化を考慮せず、一定時期における現象・構造について記述するさま。⇔通時的。
構造と力 中公文庫
さて次に、レヴィ=ストロースの「冷たい社会」と「熱い社会」という理念型を導入しよう。冷たい社会――近代以前のほとんどすべての社会――は長期にわたって安定的な象徴秩序を維持しているが、そのための仕組みのひとつがトーテミスムである。並置された自然の系列と社会の並列が一挙に分節化されることにより、ふたつの系列の間にメタフォリックな対応が生ずる。言いかえれば、象徴秩序はコスモスとノモスが見合った形の二元構造をとるわけだ。
分節、メタフォリック、コスモス、ノモスの意味が分からない、以下にネットより引用。
分節…全体をいくつかの区切りに分けること。また、その区切り。
メタフォリカルと同様の意との事で、メタフォリカルのページより引用。
メタフォリック…隠喩 (いんゆ) 的であるさま。例:「—な表現」
コスモス…《(ギリシャ)kosmos》秩序整然とした統一体としての、宇宙。または、世界。秩序。調和⇔カオス。
ノモス…掟 (おきて) ・慣習・法律など、人為的なものをいう語。
「言いかえれば~」からの文を自己解釈してみる。「象徴秩序は世界そのものの秩序と、人造的な秩序の見合った形の二元構造をとるわけだ」と解釈できる。
おわりに
他にも本を読みましたが、意外に書きまとめるのは大変だったので、実際より少ない記録になりました。
お読み頂きありがとうございました。
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