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強すぎるアジサイ
あまりにも忙しすぎる6月。本当に声を大にして忙しい!!!!!と叫びたい。叫んでしまおうか。そのくらい、本当に忙しい。
もっといろんな人と話したい。もっとたくさん自炊もしたい。やらなければいけないことは揃いも揃ってやりたくないが、期限は迫っている。そんな6月だった。
あまりにも疲れきってしまい、無意識に不機嫌になってしまう。周りの人たちはみんな大好きで優しくて幸せな環境なのに、睡眠不足ややらなければいけないことへのストレスでプンスカしている気がする。誰に言われたわけでもないけれど、ちょっとした罪悪感で常に心が痛い。
もう嫌だーー。そんなことを思いながら実習終わりに急いで友達の誕生日の花束の予約をしに行ったついでに何か自分のお花も買おうかな、と見るとアジサイが目に入った。
「結構長持ちしますよー。」へー、長持ち。いっか。すぐ枯れたら悲しいもんね。とアジサイにすることに決めて持って帰った。1000円。
しっかり毎日お水を変えた。ピンク色のアジサイ。一週間くらいは元気で、やっぱり長持ちーーくらいの気持ちで眺めていた。
それにしても多忙で、1日水を変えるのを忘れてしまった日があった。あーごめん。アジサイ。そう思って花瓶を覗いた。!!!!!!水位が!!!!減っている!!!!!
花瓶のギリギリまでなみなみついでおいた水が2/3くらい減っていた。
忙しい毎日に、もう嫌だ、何もしたくないと思い、それでもやらなければいけないことはやらなければいけなくて、睡眠時間を少し削り、休みたい体を必死に起こして毎日頑張っていた。分単位で時間が惜しかったし、この頑張りを、誰も見てくれていないような気がして、悲しい気分になっていたこともあった。
だけど、アジサイは私が毎日変えていた水をしっかり吸って生きていた。一人暮らしの部屋だったけど、アジサイを買ってからは、アジサイと2人暮らしだった。減った水位を見て、アジサイが部屋で私の葛藤を見てくれていたんだと思えた。とても元気が出た。ありがとうアジサイ。強すぎる。私も全然まだいける。そう思って、またなみなみ水を注いだ。
それからまたしばらく経ち、アジサイは少し枯れ始めているものの、まだ元気で私の部屋にいる。まだしばらく、私はこの強すぎるアジサイと2人暮らしだ。
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