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2022年のWhite Tee

イントロ

オンス厚め、首/袖/裾のリブが太い、乾燥機にかけてもヘタらない、肘上まである袖丈、長すぎない着丈、汚れてもすぐ買い直せる価格。白い無地Tシャツは2018年くらいからPROCLUBの2XLに着地。迷うことの多い洋服選びも白Tについてはほぼ解脱したと言っていいでしょう。

穏やかな心で今年も例年通りPROCLUBの2XLを買い足そうと各種ECを眺めていると(6月後半から品薄になってしまうためだいたい5月末-6月前半に買う)、corner printingにBAYSIDEなるボディーメーカーのTシャツが。

カリフォルニアのオレンジカウンティにある自社工場で作っているオールmade in U.S.A.のボディメーカーとのこと。垂直統合してるから価格も安い(日本の売値で¥1,500-2,000くらい)。

パッとみる限り、リブも各種丈感も調子よさそう。ロゴもかわいい。

去年の夏を思い返してみると、ボディの厚さが魅力のPROCLUBが故に高温多湿な東京の真夏だと暑くてしんどかった。さらに、一番の魅力である厚くて固いボディが故、乾燥機にかけるとリカバリーが難しいくらいシワシワになってしまう。

時間をかけてリカバリーすればある程度復活するが(もう一回ガッツリ濡らして部屋干しするetc.)、通常の生活ルーティンで運用を考えるとけっこう手間。できればこの時間はなくしたい。洗って乾いたら手入れせずにすぐ着たい。

なので、もう少しだけ薄くて柔らかいコットンのTシャツもクローゼットに居て欲しいと思っていた。長いことPROCLUBに頼っていたが、ちょうどいい出会いのタイミングということにして、BAYSIDEの無地Tシャツを試してみることに。

前提

改めて整理すると白Tへの評価軸は下記あたり。

下記あたり…って結構多い。場所と名称はこういう感じ。
  • リブ 2.5-3センチくらいあるとよい。

  •  キュッとしててほしい。鎖骨は出ない方がいい。

  • 袖丈 肘上ギリギリまでほしい。長すぎてもだめ。

  • 袖幅 腕より2回りくらい大きいくらい。あんまり大きすぎるのもシルエット変になるのでダメ。

  • 肩幅 肩幅+10cm前後が理想。ミニマムでも58cm以上くらい。

  • 身幅 肩幅と同じ〜もっと大きいくらい。

  • 胴の製法 丸胴。横割りだといい感じにドレープしない。

  • 着丈 洗濯を経て70cm前後着地くらいが理想。夏を越えた白Tは秋冬にスウェット/パーカーの下でレイヤードとして活躍してほしいのである程度の長さ欲しい。長すぎてもだめ。

  • 厚さ 6オンス以上くらい。透けなければよい。

  • 運用 洗濯して乾燥機にかけてもヘタらないタフさがほしい。多少縮むのはOK。襟とかスソがヨレるのは嫌。

  • 価格 ¥1,500-2,000くらい。汚れてもヘコまない価格。鼻水出てたり口が汚れたりしてる子を躊躇なくだっこしたい。あとご飯食べる時に紙エプロンとかそういうの基本的につけたくない。ご飯ぐらい気に入った服のまま食べたい。

比較(~2021)

これに沿って過去の白T変遷を整理してみると、こんな感じ。

今も着続けているのはALSTYLEとPROCLUBの2つ。

ざっくり振り返ると下記みたいな感じ。

2010年代前半

OFWGKTAとテリーリチャードソンの影響で(おそらく)世の中的にトップスはデカ目でパンツはタイトみたいな感じが流行っていた2010年台前半。

振り返るとAmericanApparelを割と長く着ていたっぽいけど、自分の好きなシルエットをピュアに追い求めるというよりも、若干サイジングに違和感を感じつつもトレンドっぽいものに流されて服を選んでいた記憶。

洗うとヨレる、オンスが薄いので透ける、値段高い、と言う感じで運用がけっこう大変だった。でもあの字間をツメたヘルベチカの感じが新鮮で良かった。店舗の感じも倉庫みたいでよかった。

2010年代後半

ALSTYLE
そんな中、池ノ上の某セレクトショップでSupremeのボディをOEMで作っているメーカーだと教えてもらった(気がする)ALSTYLE。リブも太い/身幅もたっぷり/コットンも柔らかすぎず厚め/価格も安くていい、という感じで最高。好きなシルエットに出会えた感じで、今も着ています。

ただ着続けると首元がデロデロになってしまうのと、袖幅が広いので腕をあげるとワキが出てしまい場面によっては恥ずかしい。

こんな感じ。ちなみにPROCLUBは袖幅が狭めなので安心。

Camber
じゃあもっとオンス厚くして袖幅が狭いのにすればいいじゃないかということでCamber。これも最高。もちろん最高。なんだけど、オンス厚すぎて夏めっちゃ暑い。そして着丈がちょっと短め。ここまで短いと秋冬にレイヤードで使いにくい(私の場合)。

そして単価が高めで汚れたらヘコむレベル。去年はハリケーンで工場が浸水した事件で手に入れにくいとかもあって価格が高騰してたけど、今年も在庫が少ない印象。引き続き高そう。

"いいものなんだから高い値段払ってでも買えばいいじゃん"と思う自分もいるんだけど、5,000円近い服が汚れるとやっぱヘコむ。服が汚れたくらいでヘコんでる自分を客観的に見て、そんな自分にさらにヘコむ。でも白Tは毎日着たいし、そんな毎日毎日"服が汚れないように"みたいに気をつかいたくない(たまにそういう気をつかう服を着る日も欲しいけど)。

リサイクルコットン系のボディ
"価格が高い"という観点でいうと、リサイクルコットン。時勢もあり2019年くらいからリサイクルコットンのボディメーカーがいくつか出てきたので、国産のものと海外のものそれぞれ試してみた。が、結局どちらもワードローブにはならなかった。

蜂蜜みたいに服を移動〜加工するというイメージでハチらしい。かわいいね。

国内のメーカーは着心地の良いドライコットンを目指している感じ。部活を思い出す懐かしい質感が苦手なのでリピートはしなかった。日本の夏は蒸し暑いから、万人ウケはしそう。おそらくオールバーズみたいな感じで、自社製品はあくまでポートフォリオ/プロモーション目的で、認知が広がったら素材メーカーとして大手ブランドと契約するのがキャッシュポイントだと思うので、早々に認知が広がって3,000円前後くらいで型のよいリサイクルコットンの国産White Tshirtsが販売されることを願ってます。個人的にはファミリーマートのアパレルとディールして欲しいなあ。

見たことあるようで少し違和感ある感じのグッドフォント。かわいい。

海外のメーカーのは、リサイクルコットンの中では一番質感がよかった。少し生地が柔らかすぎるけど、厚さもALSTYLEくらいあり、リブも太くて身幅もたっぷりあってドレープもいい感じ。ただ襟とか袖幅がめっちゃ広い。このHEAVY WEIGHTのTシャツを買ったんだけど、写真に写ってるモデルの着用写真みたいな襟周りには誰が着てもならない気がする。めちゃくちゃTシャツの重心を後ろにして着てるか、彼らの僧帽筋がめちゃくちゃ発達してるのか。

あとはやっぱ高い。日本国内で代理店販売しているところが見つからなかったので、手に入れるには並行輸入するしかないんだけど、そうすると結局Tシャツ1着で8,000円近くなってしまう。8,000円か〜。

PROCLUB
ということで着地したのが冒頭に記載したPROCLUB。こうして思い返すと、やっぱ最高の白Tだな〜と感じます。そんなに高くないし、比較的容易に手に入るというのもいい。

いくつかの無地白Tをトライしてみた結果、今も継続して着続けているのはALSTYLEとPROCLUBの2つ。その2つに対してBAYSIDEはどんな調子なのか。楽しみ。

購入〜比較(2022)

BAYSIDE
corner printingで加工なし無地BAYSIDEの白2XLを購入。1,750円+送料1,000円=2,750円。単品で買うと高いけどまあよし。

冒頭の評価軸に沿って比較してみるとこんな感じ。

商品軸と評価軸それぞれ1~3で採点して決定分析したシート。

微差だけどPROCLUB。

しかし数字が示すようにBAYSIDEもめちゃくちゃいい。まずリブの太さが完璧。そしてALSTYLEでやや不満だった袖幅が少し狭くなってるのと、オンスがALSTYLEとPROCLUBの間くらいなのがアガった。これなら真夏でも快適に過ごせそう。

ただ、襟のツメ具合/袖丈&幅/着丈の長さあたりが、非常に非常に微差なんだけどPROCLUBの方がよい。数字で見るとどの要素もたった数センチの差なんだけど、この微差が積み重なった結果、全体のシルエットにかなり影響するっぽい。

実際に着たものを比較するとこういう感じ。

それぞれ2XL着用。180cm/66kg。

ということで、今回わざわざ比較してみて、私にとってPROCLUBがめちゃくちゃ痒いところに手が届くプロダクトであることを改めて知れました。

BAYSIDEは、PROCLUBを超えるほどではなかったけどクローゼットに常備したい白T。暑くて今日はPROCLUB着たくない〜という日が多そうな7-8月はBAYSIDE着る場面が増えそう。各種ECサイトを見る限り、PROCLUBと比べると若干手に入れにくそうだったので早めにストック買っておきます。

出会わせてくれたcorner printingに感謝。今後もシルクプリント発注させていただきます。

アウトロ

久しぶりに新しいボディの白Tを着てみたけど、めちゃくちゃ気分がアガる。新品てだけでアガるのに、初めての白Tってのがより熱かった。新しい髪型にチャレンジするのに近い感覚。1,000円カットでフェード部分だけ整えてもらうのとはちょっと違う(それはそれでアガるけど)。

服について"これでもう悩まなくて大丈夫"というプロダクトに出会うことを目指してるんだけど、白Tについてはここ10年くらいでそれに近づいた実感もある一方、今回新たな白Tを試して"まだ出会ってない親友との出会い"みたいなものへの高揚感を久しぶりに感じました。もう悩みたくないという気持ちよりも、新たな出会いへのワクワクが勝ってしまった。これが服を買う時の醍醐味だったよな〜という気持ちをしみじみ噛み締めました。感謝。

田我流が何かのインタビューで言っていた釣り好きの間で使われる格言の一節"一生幸福でいたかったら、釣りを覚えなさい"ってところがすごい好きで。意味はよくわかんないけど、まあ色気なく言えば、釣りは一生かけても理解しきれないくらい懐の深いもの、ってことだと思うんだけど。

今まではこの言葉を聞くたびに釣り人は羨ましいな〜と思っていたけど、自分にとっての白Tdigはここで言う釣りみたいなものになりえるんじゃないか?という気がしてきました。

現時点で趣味欄に"白T"とか書くと、"奇をてらった様子おかしいやつって思われちゃうよな…"とか自分で気にしちゃいそうなので、いつかフラットな心で堂々と書けるようになるまでdigり続けていきたいなあ。

今後もまだ見ぬWhite Tshirtsとたくさん出会えることを願って。
合掌。

Appendix

街を見渡すと、無地のTシャツとかオーバーサイズが市民権を得てる感じ。これが昨今の90sブームの影響下にある一過性のものなのか、普遍的なものなのかわかんないけど、前者であるならばこのブームの何タームか後に"タイトでドレッシーなlate00s〜early10sブーム"が来るんでしょうか(私の2010年前後のイメージはこんな感じ)。

そうなった時に、かつての自分のようにトレンドにおもねらず、普遍的に好きな格好でいられるかどうか、検証してみたいとおもいます。今はオーバーサイズの無地Tが着やすい時代だと言うことも正確に捉えておきたい。数年後振り返った時に"あの時はポパイがつくったオーバーサイズトレンドに振り回されて2XLの白Tを着ていた"とか言ってる可能性もなくはない。

なるべくトレンドに振り回されず、自分の体型とバイブスに合った服で過ごしていきたいもんです。

あと、そもそもPROCLUB以外の白Tを検討するきっかけの"乾燥機かけたあとシワシワになっちゃう"問題は、コットンが硬いとかそういう問題じゃなさそうでした。少なくとも今回比較した3つ全部で起きた。白Tのdigと並行して、洗濯の方法もdigしていきます。。

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