窓越しの世界 2021.5.6~18
5/6【側から見れば】
忙しくなる者。忙しくする者。
暇になる者。暇をつくる者。
側から見れば同じこと。
5/7【ひかり、闇】
真っ暗な場所を歩き続けることはできない。
かすかな光でも、それがあれば進める。
光だけでも人は迷うだろう。
闇が光を信じさせてくれるし、闇そのものが真実だったりする。
人や、言葉、景色、匂い、あらゆるものが光にも闇にもなり、ここにただ存在するだけ。
それに意味をもたらす理由を、それぞれが感じている。
5/8【ケースバイケース】
イメージを図に起こすのが先か、作り始めるのが先か、ただそれだけの違い。
ケースバイケース。
5/9【歌の無い音世界】
昨日の録音のやり直し。
手癖から離れて、やってみたかったけれどやる必要のなかったギターを弾く。
歌の無い音世界。
5/10【毎年そう思う】
八百屋からの帰り道、狭い喫茶店でアイスコーヒを注文する。
ミルが回ったから、挽ききたての豆でアイスコーヒーを入れてくれるんだと思うと胸が高鳴った。
毎日がこんな気候だったら、、
5月の今日みたいな日に毎年そう思う。
5/11【カワセミのブルーと高い鳴き声】
公園のベンチで今年の5月を満喫する。
さっきまで煮詰まっていたから、スタジオを飛び出してよかった。
カワセミのブルーと高い鳴き声。
5/12【嬉しい打感】
早朝のスタジオでピアノを弾く。
ふと、鍵盤に僕の体重が乗る感覚。
いい球を打てるようになったあの日みたいな、嬉しい打感。
5/13【シナプスを育てるしかない】
弾けない。
これはシナプスを育てるしかない。
それしか方法はない。
5/14【大迷惑な自分】
木陰になった芝生の上で寝転がる。
視線の先の銀杏の大木には沢山の蝶が群れをなしている。
綺麗だなと眺めていると、
「イタっ」
蟻に噛まれた時に気づく、彼らの住処に大迷惑な自分を。
5/15【うん】
理解の無い相槌を、僕はどれだけ打ってきただろう?
うん、うん、うん、
まだわからない。
うん、うん、うん、
何度目かのうんのそのとき、本当のうんが生まれる。
5/16【脆弱な言葉】
聞かれれば、話したいことはある。
聞かれないことは、話さなくてもいい。
密っそりと、記しておくぐらいでいい。
場が整わなければ脆弱な言葉ばかり持っている。
5/17【許す生き方】
疑いながら生きることは辛く悲しい。
疑いを晴らせるところまでまで行ければ霧は晴れるだろうが、一体どのくらいの人間がその展望を見れるだろうか。
何も疑わない生き方はもう無理だろうから、せめて、許す生き方があればいい。
5/18【割れたグラス】
グラスを2つ割った。
気が付いた時には割れていて、もう元には戻らなかった。
そこに口づけをした沢山の日々が、明日からはもう無い。
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