窓越しの世界・総集編 2019年6月の世界
6/1【55】
今日のライブの出来は、55点くらいだろう。
普段できることが、出来ない。もっと、もっと、いいイメージがあるのにそこへ行けない。
自己採点はそんな感じだ。
僕はもっともっと頑張らなくてはダメだ。
舞台に立たせてもらえてるうちに、次のチャンスがあるうちに、もっともっとやらなければだめだ。
6/2【一度きり】
夜中に、何度も何度もうなされた。
昨日の歌への自責の念だ。
眠りながらも、あー、くそー、と無意識に声がでてしまう。
次があるなんて、思ってはいけない。
僕にとっても、目の前の人にとっても、その一度きりが全てだ。
6/3【眠い1日】
一日中眠い。
体に力が入らない、とても歌う気力が湧かずギターだけでもと弾き始めるが寝落ちしてしまう。
随分長い昼寝の後も、体が重い。
歌についてのメモを見返すと、ほら、もう忘れていることだらけ。
逆に、更新する新しい情報が多すぎるとも考えられる。
6/4【人生に食らいつく】
僕は忘れっぽい。
忘れっぽいけれど、決して忘れないことも多い。
こんな風に日々を書き留めることでつなぎとめられていく記憶のカケラ。
歌になる言葉は、僕のなかのひとかけらだけれど、忘れたくないことだけを残しているのかも。
忘れたくないことも、忘れてしまうのが、人生。
そんな人生に、食らいつくのだ。
6/5【そんな日を目指している】
心のどこかで、誰かのせいにする。
心の片隅で、誰かのせいだと思う。
そのことがとても嫌で、僕はそっと人から離れる。
誰かのせいにすることから解放されて、
ずべて自分のせいだと、心の底から思える、そんな日を目指している。
6/6【今年の梅雨】
曇ったり晴れたり。
そろそろ梅雨入りするという。
猛スピードで宇宙を駆け抜けている僕たちの地球の小さな島国に、今年も梅雨が来る。
じめじめ、寝苦しい夜、傘から吹き込む雨に濡れる靴も、なんてささやかで、平和。
今年の梅雨は、楽しめるだろうか。
長靴でも買ってみようか。
6/7【タバコを絶ったときのように】
早起き。
気持ちが良くて、もう酒などいらぬと思う。
素晴らしい一日が終わるとき、その充実感で、またうまい酒が飲みたくなる。
僕はいつか、酒を断つ日が来るのだろうか。
タバコを断ったときのように。
6/8【安心するとき】
安心するとき。実は用心しなければいけない。
安心するとき。本当は疑わなければいけない。
安心するとき。その裏で密かに不安の影が生まれるとき。
6/9【やり直し】
帰り道で、今日の声を聴き返す。
ため息、途方にくれる。
明日から、またやり直し。
6/10【外は、雨】
深夜。歌い疲れ、それでも一日を終わりきることができずにいた。
コンビニまで自転車を走らせようと外へ出ると、雨が降っていた。
外出を諦めて部屋に戻る。
気分ではないが、甘い梅酒をロックで呑みはじめる。
今日録音した歌が、数日後、僕にどんな風に聞こえるだろうか。
どうか、今日の歌が、糸口になりますように。
祈りかけて、やめてしまう。
外は、雨。
6/11【中身はまるで違う】
全部をやり直している気でいたけれど、そうではないような。
何度も通っている同じ道でも、こんな家があったのか、とか。
いつも飲んでいるビールの味が少し違って感じるとか。
同じことの繰り返しの中で、見えてくるもの。
繰り返さなければ、決して見えないものがある。
表面は同じ顔をしていても、中身はまるで違う。
6/12【進化するありのまま】
気力があまりなくて、ありのままで歌うと、なぜか良かった。
その声は紛れもなく「僕だ」って思えたけど、前の僕とどこか違っていて、
僕ではないものになりたがっていた僕が、少し成長してまた僕に帰ってきたみたいな、
そんな気がした。
ありのままは、進化をする。
それは、人類の歴史と同じだ。
6/13【後押し】
誰かの後押しがあって初めて形になることがある。
案外この世の中を動かしているのは、そんな後押しの連鎖だろう。
後押しをする人、される人、それぞれに役割があって、世界は回る。
青空の下で歌いながら思う。
6/14【自分の声】
結局、夜になるまで外へ出なかった。
話すように歌うことについて考えていた。
考えながらギターを弾いていたら、日が落ちていた。
誰かと比べることからどんどん遠ざかって、自分を見つけられるような気がする。
そして、自分が一番聞きたいと思う、自分の声が見つかると思う。
6/15【稲光の夜】
自転車に乗れるようになるまで、何度も転んだ。
あんなに失敗したので、今では、転ぶことの方が難しく思える。
それと似たようなことが、少しずつ始まっているけれど、そんなに甘くはないだろう。
雨音が換気扇を伝ってトイレの中に響いている。
音もなく、稲光だけがこの部屋に何度も届いた。
6/16【森の向こう】
豊かな森が目の前に広がっていて、その向こうに荒野が広がっている。
そんな風に想像できるくらい、カラッとした陽気。
人間とは、イマジネーションの生き物だと思った。
どんな状況であっても、イメージ、または妄想することができれば救われる。
本当は、他の誰も関係なのないところに、幸せがあるというのに。
ここに全てがあって、それだけで素晴らしいことだというのに。
僕は一体、何処へ気持ちを飛ばしているのだろうか。
この森の向こうには、ただの住宅街が広がっている。
6/17【さぁ、行きなさい】
焙煎室から見える公園の景色が僕に見せるのは、今ではなく過去だ。
その景色に過去が見えるようになった時、
僕はその場所を離れたくなる。
もうずっと前から、そうだというのに、
まだ僕はここにいて、過去を慈しむ。
あのころは、過去を生きている感覚があった。
幸せが充満していて、未来の自分が今日の日を慈しんでいるのが手に取るように想像できた。
風が吹くと、木々が応えて、僕に囁く。
さぁ、行きなさい、と。
6/18【少しずつ違う全部を】
なんども歌う。全部少しずつ違う。
少しずつの違いの中で、より良いものをすくう。
その少しずつ違う全部を、許せるようになりたい。
それだけだ。
6/19【幸せと不幸】
夕方の駅の人波を歩く。
僕はうまく歩けなかった。
なんとなく出来上がっている一方通行に気がつくまで、人の流れの中をたどたどしく進んだ。
そこにある幸せと不幸が、僕には痛々しく、時に羨ましくも映った。
6/20【歌うと、わかる】
うまく声が出ない。
今朝起きた感じだと、風邪っぽい。
じわじわくるもので、長引きそうだと感じる。
37度あたりに届いたり届かなかったりしていそうな。
活動には問題ない。
しかし、歌うとわかる。繊細な部分が機能していない。
6/21【必要と便利】
歩くことは、頭の中をクリアにする。
喉元に刺さった骨の違和感が消えるように、問題が解決する。
歩く効能と、今の状況を考えると、もう車は必要ではないかもしれない。
必要と、便利。
そのバランスを見つめる時。
6/22【なぎ倒してゆく】
大人になるにつれて、心のわだかまりは、少しずつ、そしてどんどん無くなっていった。
理解という言葉に置き換えて、消えていった。
僕は今、これまで理解で片付けていたものが、そうはできなくなっている。
僕は今、まっすぐだ。
たくさんのわだかまりが見えて、一つずつにぶつかるけれど、
そんなものにかまっている暇を許したくない。
つまり、なぎ倒してゆく。
6/23【それを言葉にするのは】
僕はよそ者でいられることが落ち着くのかもしれない。
なぜだろう。
よそ者でいられなくなった時、僕はそこから旅立ちたくなる。
どうしてだろう。
本当は知っているけれど、それを言葉にするのは寂しすぎる。
6/24【心も部屋も】
雨の朝。
昨日がまだ残る部屋を片付けていると、いつの間にか光が差してきた。
今日こそは整頓をしようと、丁寧にマイクを棚に入れてゆく。
はじめこそ綺麗に並べられていたマイクも、棚の容量を超えてしまえば、
積まれ、積まれて、いつも通りの光景に変わってしまった。
そして、僕の心も、部屋も、それと同じだ。決して好ましくはない。
6/25【今夜は中華】
自分で決めることがすべて良いだなんて思わない。
誰かに決めてほしいこともある。
諦めて、受け入れることで、心が軽くなる時もある。
赤い提灯の灯る店を目指し、少しひんやりとした夜道をゆく。
今夜は中華に決まった。
6/26【流動性】
旗が掲げられると 僕らは一つになった
青空にくっきりと 風にはためく
熱くなった胸のほとぼりが 冷める頃
いつかの言葉が 急に目覚める
それは動く 曖昧で流暢に 姿を変えて
トレンドが生まれる頃 僕らは離れはじめる
今はもう 鉄砲水のように淀む ただの流れ
どろだらけの靴 黒ずみのとれない手の平
いつかの言葉に 胸をしめつけられた
それは動く 曖昧で流暢に 姿を変えて
6/27【ギターと低気圧】
ひたすらにギターを弾くのは、ギターを忘れてしまうため。
ひらすらにギターを弾くのは、ギターと心を繋ぐため。
繋がっていることを忘れてしまうくらい、自然になるため。
台風が来るらしいが、
その低気圧は、台風になりきれない可能性もあるらしい。
6/28【実用前】
近づいている、実感。
まだだ、という実感。
あと一息、という実感。
その先に、実用がまっている。
まだ実用前の、試験段階。
6/29【そう、わかっているけど】
レコーディング帰り、深夜のコンビニへ立ち寄る。
空腹と疲れと充実感が作用して、カゴの中に積まれた食料。
これは僕の体に良くない。そう、わかっているけれど。
世界は「そう、わかっているけど。」で出来ている。
6/30【仲間が欲しくなる】
自分の中でまとまると、共有したくなる。
共有して、それをさらに向上させるディスカッションがしたくなる。
僕は今一人だから、仲間が欲しくなる。
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