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窓越しの世界 2021.12.12~29

12/12【ということもある】
問題は遅かれ早かれ発生する。

いつかどこかで必ず起こる。

なんども失敗して、身に沁みる。

とりあえず逃げることが効果的、ということもある。

12/13【舞台の上の全てが】
感動して、反省した。

リハのことを、稽古と呼ぶことにした。

舞台の上の全てが輝いて見えた。

12/14【没頭】
一本の電話で、すっかり抜け落ちていた予定に気がつく。

落胆とともに滲むのは、忘れるほどに没頭することがある喜び。

12/15【トト湯たんぽ】
睡眠不足が引き起こした睡魔にうなだれていると、強い圧力が襲ってきた。

トトが僕のシュラフに潜り込もうと必死だ。

チャックを開けてトト湯たんぽをゲット。

12/16【まるで似た性質】
昨日から始めたケーブル作り。

350度に熱した鉛がはぐれメタルのように広がる。

熱の伝わり方で溶けない時もあるのを見ていると、言葉や気持ちもまるで似た性質。

12/17【選択するターム】
様々な経験が台無しにすること。

それとは逆もあった。

穴に埋めるべき経験を選択するタームにいる気がする。

12/18【生命の螺旋】
利害は様々に変換できる。

複雑な構造のそれは、生命の螺旋にある。

12/19【それを楽しみに】
どの一枚に心を惹かれるか。

それを楽しみにしていた。

12/20【そのあからさまが】
あからさまなトト。

ストーブの前で、こちらを悠然と眺めている。

ストーブが消えると、僕の膝にやってくる。

そのあからさまが、羨ましくもある。

12/21【意味を失う】
朝から解凍して夜に食べる。

電子レンジの無い生活。我が家には炊飯器も無く。

トースターも無い。

7年くらい経つと、不便という言葉が意味を失う。

12/22【オフラインへの憧れ】
電源を落としてみると、風景の色彩が変わる。

曇った窓ガラスを西日が明らかにするように現実の密度が増す。

オフラインへの憧れがそうさせている。

12/23【10年は覚悟している】
往復を繰り返す弓の運動を見ている。

そこへたどり着くまでの時間が途方もないこと。

それだけはよくわかっている。

10年は覚悟している。

12/24【3時間半のフルコース】
ちょっと席を外して表へ出ると雨が降っていて、そのことを伝えようと思った。

今の僕はきっと、いつかの思い出の中にいるのだ。

そんな実感が確かにあって嬉しかった。


12/25【いつかまた】
小さな廃校を通り過ぎるとき、無性に後ろ髪をひかれる思いがした。

知る筈のない記憶を作り出して、涙したくなった。

いつかまた、ここへ来てみよう。

12/26【早く帰ろうよ。】
街が織りなす地平線にうっすらと滲む太陽の光を見た。

環八の渋滞でなかなか車が進まない。

トトが引っ切り無しに膝の上へやって来ては何かを伝えようとしている。

早く帰ろうよ。って。

12/27【例えば今日は】
手の中にあるもので決まる決断。

手の中に無くて諦める決断。

例えば今日は、スタジオの機材レイアウトを変更。

12/28【伝えることができない】
続けた者だけが見ている景色がある。

どんなに言葉を凝らしても。

凝らしてはみるけれど。

それは多分、伝えることができない。

12/29【解釈を得られなくとも】
朝の脳内景色を愛している。

綺麗だとか、美しいとかが、素直に見える。

なぜ?の回答に解釈を得られなくとも。

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