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窓越しの世界 2021.2.22~3.1

2/22【猫の日】
この60平米と、ベランダから見渡す景色が今のトトの全て。

最近は小さな赤い毛糸の玉が遊び道具のマイブーム。

猫の日らしいが、トトには何のこっちゃ。

2/23【白玉の主音の中で】
シンプルな音。

隙間だらけの。

白玉の主音の中で、歌は自由だった。

2/24【夢中は人生のご馳走】
陽が長くなって、、明るさの認識と時間のズレが生じ始める。
今日も法務局へ行きそびれた。

古いギターケースの中からアームを引っ張り出す。

古いベースケースの中からはベースを。

コーヒー豆を掃除する小ぼうきでハイハットを鳴らす。
壊れかけたベースアンプを騙し騙し鳴らす。

夢中は人生のご馳走。

2/25【渾身の景色】
カタカタ回る8mm。

代々木第一体育館を横切ったすぐ後で、西日がビルにあたり美しい。

「渾身の景色かもしれない。」と思った。

しかしその時、フィルム切れだった可能性がある。

現像が上がってくるまで、わからない。

2/26【青いインクの滲むテーブルの上】
青いペンで書くと、なんだか言葉が浮かぶ。

「青いインクの滲むテーブルの上」そういう曲の録音をした。

午後からはどんどん風が強い。冬を根こそぎ吹き飛ばしそうな。

2/27【自転車を走らせながら】
タイムリミットが迫ると、頭の回転が加速する。

夕暮れに向かう西に自転車を走らせながら、出来上がったばかりの歌を何度も聞き返した。

今日会うみんなに聞いてもらおう、そう思ったのだ。

2/28【お月さん、綺麗だね】
30分歩いて、10分自転車を漕いだ。

少し食べて、寝不足だった体をぐったりとさせる。

目が覚めると、月明かりの中でトトが眠っている。

「お月さん、綺麗だね」

そう言って、肉球を握りしめて、顔を寄せ合って、また眠った。

3/1【こんな天井だったけ?】
少し髪を切った。開けっ放しのドアから吹き込む風でカーテンが揺れていた。

10年通う美容室の窓際でカプチーノを飲みながら、天井を見上げる。

こんな天井だったっけ?

時間をかけなければ見えないものが、あるのだ。

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