窓越しの世界 2022.1.1~14
1/1【優しいなぁ】
何度かシャッターを押したけど、ほとんど大吉だった。
優しいなぁ。
TV画面のおみくじの向こうで働く人を感じた。
1/2【人のために】
今年はどんな一年にしたい?
少し黙って。
そうだな、人のために。
1/3【土の上を歩く】
柔らかく足を包み込む感触のある土。
落ち葉、虫、微生物、モグラ。
たくさんの生き物を感じながら、今年も歩く。
土の上を歩く。
1/4【フリクション】
NHKホールの改修工事を横目に左折。
目抜き通りの空きテナントを見ると感じる今という時代。
渋谷を歩く時の独特を作り出すのは、遠い記憶と現在のフリクション。
1/5【木製CD作り】
例えば、「失敗を恐れない。」
失敗をする余裕がある時も、その余裕が無い場合も。
その言葉は動かない。
次々に廃棄物を生み出す今日の僕は、前者。
1/6【時が積もる】
日常に無いスローモーション。
レストランの窓越しが刻々と雪景色に変わる。
時が積もる。
1/7【僕の膝】
暖房をつけない我が家の朝。
布団も畳まれ、行き場を奪われたトト。
テーブルに飛び乗り、乱雑とラップトップをもろともせずに僕の膝。
程なくストーブを付ければ敗北する、僕の膝。
1/8【整理整頓とは】
整理整頓とは。
移動、収納、分別、把握。
移動、収納、まではできるが、分別、把握がなかなかに手強い。
待てよ?分別把握が先では?
1/9【現代】
訂正されていく言葉。
更新されていく意識。
留まることの出来ないものを固定していく芸術の中で思う。
文脈ではなく、インパクトが優勢の現代。
1/10【丁度良い】
スタジオに到着。
寒さよりも自転車で温まった体が勝り、エアコンを付けるまでもない。
手袋も指先が出たものをチョイスしている。
このくらいの寒さで丁度良い。
1/11【時代を】
時代を意識すると、時代を離れることができる。
時代を離れると、時代を受け入れることができる。
1/12【気】
気を使う。
気を使わないという気の使い方もする。
何も言わずに、見守ることも。
自分自身に気を使うことも忘れずに。
1/13【文脈】
文脈を差し替えると、正当化できる。
交通事故も感染症も、文脈次第。
僕は自分の嫌いなところを見つける。
君の文脈で考えると、僕は嫌なやつだった。
僕の文脈は、自分でも分析しきれていない。
1/14【紙をペンが走るスピードで】
ポケットに入る小さいノート。
新しいスマホをやめて、そっちにした。
紙をペンが走るスピードで時間を留めたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?