窓越しの世界・総集編 2017年6月の世界
6/1【それだけが】
1日が終わる時、どこで誰と居たいのか。
それだけが満たされていれば、なんとかなるのかもしれない。
6/2【幸運の足取り】
およそ幸運は、意図しないところから現れる。
そんな時、幸運の足取りは軽やかだ。
6/3【見切り発射】
見切り発車。
これまで通り。
全てが整ってから走り出すことなど、今はできない。
6/4【強制終了にアルコール】
疲れているのに、じっとしていられない夜がある。
フリーズしながら回り続けるハードティスクのような私。
強制終了にアルコール。
6/5【紅】
夕焼けの紅は、ほんの数十秒で瞬く間に消えた。
少し怖いくらいのコントラストに、心を奪われたという表現はそぐわない。
その景色を前に、私にできることはない。
6/6【場所について】
夕焼けの光を、テーブルランプに例える話。何度もその話を聞いているけれど、何度でも少し感動をしてしまう。
その人は、忘れた頃に現れて初めて話すかのように話し始める。
しばらくの間は夕闇に浮かぶテーブルランプを見るたびに、その話を思い出す。
6/7【梅雨入り】
窓から冷んやりとした風が流れ込む。すこし寒いくらいだ。
少し眠ってから、やっぱり電車に乗った。
過去と向き合うような気がしていたけれど、そこには今が流れていた。
6/8【さて】
電話越しの声は少し痩せていた。
遠い国で僧侶になった父親とはかれこれ15年は顔を合わせていない。
どこか遠い国での再会の方が気が楽であるが、さて。
6/9【模倣】
模倣をすること。
それによってでしか、今の私は無い。
理想の姿、イメージ、憧れ。
それ以上になることは、その先でしか考えられない。
そして、それ以外のものになるのだ。
6/10【ジェンガ】
日々が積もる。あれもこれも積み重なっていく。
積み重なっては崩れ、また積まれて行く。
ジェンガのような日々。
6/11【お陰様で】
雨の予報は覆り、気持ちの良い風が吹いた。
天気と同じように予定通りにはいかないことばかりだけれど、なんとかなっている。
周りのお陰様で。
6/12【三か条】
ゆっくりと食事をとること。
ゆっくりと話をすること。
整理をする時間をとること。
6/13【今年の夏の予感】
梅雨らしい雨が降る。やわらかい雨。
久しぶりにたくさんの水を吸い込んだ土は気持ちよさそう。
それにしても雨が少ない。今年の夏は、暑くなる予感。
6/14【日々を整える】
台湾料理屋の暖簾をくぐる。絶品のビーフンと瓶ビールで幕を開ける休日の夜。
休日を作ること。
そのために日々を整えること。
6/15【失敗の賜物】
餃子を焼く深夜0時。
さすが!と言われたものの、初めてうまく焼けた気がする。
これまでの失敗の賜物。
6/16【まだ冷たい夜風】
帰るという選択肢のない夜の、この街の夜の選択肢は一つ。
電話越しに注文まで済ませて、自転車にまたがる。
まだ冷たい夜風の帰り道。
6/17【気持ち良い午後】
若葉がいつのまにか濃い緑を湛えている。
気持ちの良い午後が始まって、客人や私たちはきっと今日という日が好きに違い無かった。
6/18【私はもう】
昨日よりも時間は早く動いた。たちまちやってくる夕暮れ。
私はもう、君やあなたの支えなくしては立つことはできない。
私はもう、自分の枠をはみ出してしまったのだ。
6/19【置き去りのもの】
駐輪所、散水設備。
今しなくてはいけないものは突然現れる。
ずっと前からあるしなくてはいけないことは、置き去りのまま。
6/20【たまには】
置き去りのものを1日で仕留めたので早めに帰り、夜の街へ出た。
1時間前に予約をした店に余裕を持って腰を下ろす。
早めに帰る。
たまには。
6/21【青さの全貌】
夕方になって、雲がとても早く動いた。
隙間から覗く青空は、目の覚めるような綺麗な青空に違いなく、それでもその青さの全貌を明かすことなく日が暮れていった。
今シーズン初めての荒天。
6/22【同じ波長】
歌がまた、新しい響きで問いかけてくる。
どうしても重なり合わなかったJamesTayorの声と同じ波長の瞬間を感じる度に、なんとも言えない達成感と、さてこれからが本番だという思いが同時に押し寄せてくる。
6/23【水っぽい】
春が行き、夏を待つ、どちらでもない季節。
夕焼けの鮮やかさが、水っぽくて目を奪われる。
6/24【夜道】
自転車で夜道を走る。夜道はこんなにも暗かったのだ。
暗がりを歩く人の姿に、通学路の帰り道を思い出した。
ヘッドライトが歩道を明るくしては駆け抜けていくを繰り返す。
6/25【おいおい】
16年ぶりに父に会う。
16年。
ちょっと、、おいおい。
6/26【その反対】
言葉の後に心がついて来た。
いい時もある。
今日はその反対。
6/27【眠る選択】
早く眠ることにした。
眠るという選択をしたのは、久しぶりな気がする。
6/28【朝の繰り返し】
雨が屋根を叩く音。鳥のさえずりと人の気配がしている。朝だ。
屋根裏は光が届かないので、早朝の明るみで起こされることはない。が、ついつい寝入ってしまうこともある。
一杯の白湯を体に流し込んでから、しばらくギターを弾きながら歌う。そんな朝をこれまでも、これからもずっと繰り返す。
6/29【待つこと】
カーテンを開けて、灯りをつけて、看板を出す。
誰かを待つともなく、待つ。
人生の大半は、準備をして待つことでもある。
6/30【遠くなる】
毎日歌っている。毎日探している。
見つけたと思っても、またすぐ遠くなる。
今夜はまた、見つけた。またすぐに遠くなる。