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土の上を歩く
みなさん、明けましておめでとうございます。
今年の年明けは沢山歩きました。
ふかふかな落ち葉の上を行くと、「土の上を歩く」たったそれだけの事がどんなに大切だったか、、、大切という言葉とも少し違うのですが、とにかく「この感覚が日常にあることと無いことの違いは大きい。」と、そう感じました。
茂みの奥の物音。出会い頭に慌て逃げ去るキジの後ろ姿。霜の溶けたぬかるみに足を取られたりしながら、土の上を歩くことに没頭しました。
僕は今、東京の片隅のビルの中にスタジオを構えて音楽をしています。近くの公園には硬く踏み固められた土と舗装された歩道があるばかりですが、それでも乾いた喉を潤す様な感覚がするので、よく足を運びます。
昨日、柔らかな土の上を歩く心地に触れた時、「そうだ、新しいスタジオの名前は『土の上を歩く』にしよう。」と、なんだかとても自然に思いました。
11年間を共にした「guzuri」という屋号にはとても愛着がありますが、どうも新しい東京のスタジオにはその名前がふさわしくないと感じていました。この半年、愛猫トトの名前をつけようか?それとも場所に由来するものがいいか?好きな画家の名前にしようか?とか散々考えたのですが、「土の上を歩く」という響が、妙にしっくりときたのです。というか、その感覚を携えておく必要を感じたと言った方が正しいかもしれません。
今、これまでとはまるで違う世界のようではありますが、僕らの足元には土があって、それは何も変わりません。豊かな土の上を歩いた感触が僕に教えてくれたことは、ただそれだけですが、それだけで十分でした。
この先「土の上を歩く」という理念のようなものを屋号に、まずはスタジオ。そのほかにも何か始めるときはこの名前を使おうと思っています。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
笹倉慎介
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