窓越しの世界 2022.6.19~7.1
6/19【体の仕切り直し】
トレーナーが付いたジムへ通うことにした。
10代の蓄えが底を付いたという実感がそうさせている。
年老いた時、しっかりと歩けるように。
体の仕切り直し。
6/20【血を失ったせいか?】
腕に刺さる針を凝視できずに目を逸らす。
数秒ほどで透明なガラスに3本分の血液が溜まっていた。
午後はずっと眠い。
血を失ったせいか?
6/21【そんな東京が好きだ】
また渋谷に来ている。
打ち合わせの後はサウナへ行き、食事をした。
空白の少ない空から雨が落ちる。
誰もが少し背伸びをして歩く、そんな東京が好きだ。
6/22【眩しい】
誰かに見せる顔を眺める。
3人以上人がいなければ見られない顔がある。
対面では決して見ることができないそれが、眩しい。
6/23【久しぶりに】
久しぶりに車に乗って10年通う修理工場へ向かう。
久しぶりに車の中で歌う。
久しぶりに。
6/24【夏の入口】
寒い。
あれ?涼しい。
暑くなりそうだ。
自転車で風を切る。
夏の入口。
6/25【知るということ】
目を閉じると、暗闇。
光を知ってしまった者にしか見えない闇だ。
知るということは、そういうことだ。
6/26【意識の中に消えた】
半額になった出来合いの寿司を手に取りレジに並ぶ。
味も形も同じ物の価値の半分は時間の経過で消えた。
意識の中に消えた。
6/27【相まみえないもの】
近所の銭湯で水風呂に浸かり、夕食はタイ料理屋へ入る。
イヤホンから聞こえる音と店内のBGMの混雑が、この店と街や、僕と世界にも同じようにある。
相まみえないものが、共存する。
6/28【風の正体】
昨日、梅雨が明けたらしい。
数日続いた風の正体を知ると、あの強い風の中にいた時の意味が塗り替えられる。
何も知らずに只々突風に吹かれていた自分が、これまでの全てに重なる。
6/29【何かの正体】
ステージへ続く階段のソファーに座り夕焼けを眺めていた。
自分の中で何かが確実に日没を迎え、真っ暗なステージで人工的な光に灯される。
沈んでしまった何かの正体を探す旅が始まるのだろうか。
6/30【今年の夏】
今年の夏は暑い。
口に出すと、毎年言っている気もする。
トトと新しいエアコンで暑さを凌ぐ。
7/1【虫ホテル】
幸せを感じることのできるものとの出会いがあった。
それは、眼差し。
真っ直ぐな眼差したち。
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