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2021年総選挙各党公約比較-④日本共産党-

 10月31日の選挙を踏まえ、各党の選挙公約を比較検討したいと思います。第4回目は日本共産党です。

1ー1.新型コロナ対策(感染症対策)

 「いつでも、誰でも、無料で」という大規模・頻回・無料のPCR検査を、職場、学校、保育所、幼稚園、家庭などでの自主検査を大規模かつ無料で行えるように、国が思い切った補助を行う、としている。併せて保健所の臨時増員を確保し、定員化するとともに正規の職員を増やすとしている。

 感染症に対応する、政府から独立した科学者の専門機関(感染症科学者会議・仮称)を新たにつくるとしている。

1ー2.新型コロナ対策(経済・復興対策)

 中小企業、個人事業主、フリーランスに持続化給付金・家賃支援給付金を再支給するとともに、コロナ危機が終息するまで継続するとしている。雇用調整助成金も同様としている。

 コロナ危機で収入が減った人、生活に困っている人に一律10 万円の特別給付金を数兆円規模で支給するとしている。 

2.経済・財政・税制

 中小企業予算を1兆円規模に増額としている。

 最低賃金を時給1500円に引き上げ、全国一律最賃制を確立するとしている。

 非正規雇用への置き換えをすすめた1990年代以来の労働法制の規制緩和を根本的にあらため、非正規から正社員への流れをつくるとしている。

 労働者派遣法を抜本改正し、派遣は一時的・臨時的なものに限定し、正社員との均等待遇など、派遣労働者の権利を守る派遣労働者保護法をつくるとしている。

 残 業 時 間 の 上 限 を「 週15時間、 月45時間、年360時間」とし、連続11時間の休息時間(勤務間インターバル制度)を確保するとしている。

 高度プロフェッショナル制度を廃止するとしている。

 退職強要を許さず、解雇規制法をつくるとしている。

 租税特別措置や連結納税など、大企業優遇税制を廃止・縮小し、法人税率を、中小企業を除いて安倍政権以前の28%に戻すとしている。

 富裕層の株取引への税率を欧米並みの水準に引き上げ、所得税・住民税の最高税率を現行の55%から65%に引き上げるとしている。富裕層の資産に毎年低率で課税する富裕税や、為替取引額に応じて低率の課税を行うなど、新たな税制を創設するとしている。

 消費税率を5%に引き下げ、インボイス制度の導入を中止するとしている。

3.社会保障

 感染症病床、救急・救命体制への国の予算を2倍にするとともに、ICU病床への支援を新設して2倍にするとしている。また、公立・公的病院の削減・統廃合を中止するとしている。

 医師の削減計画を中止し臨時増員措置を継続するとしている。

 生活保護を「生活保障制度」に改め、必要な人がすべて利用できる制度に改革するとしている。

 「住居確保給付金」「生活福祉資金特例貸し付け」の支援の延長・拡大、給付への切り替えなどの支援を強化するとしている。

 児童手当の18歳までの支給、児童扶養手当、就学援助の額と対象の拡大など、子育て世帯に向けた継続的・恒常的な現金給付を拡充するとしている。

4.教育

 大学・短大・専門学校の学費をすみやかに半額に引き下げ、高等教育の無償化をめざすとしている。

 私立高校の負担の軽減をすすめ、高校教育の無償化をすすめるとしている。

 学校給食の無償化をすすめるとしている。

 コロナ下の子どもを支えるため、数万~十万人規模の教職員の緊急増を行うとしている。

 小中高のすべてで、将来は20人前後の学級となるよう、少人数学級化を加
速させるとしている。

 教育予算をOECD水準に引き上げ、教育費負担の軽減、少人数学級などを行うとしている。

 改悪された教育基本法を、憲法と子どもの権利条約の立場から改めるための国民的な検討に着手し、教育委員会が子どものために政治から独立して職権が行えるよう、制度の見直しにとりくむとしている。

 子どもの尊厳と基本的人権の尊重を、校則に関する国の基本姿勢とするとしている。

5.農林水産業

 所得補償・価格保障など家族経営をはじめ農業経営を支援するとともに、無制限な輸入に歯止めをかけ、過去最低まで低下した食料自給率を引き上げるとしている。

 緊急の米価大暴落対策として、政府による米の緊急買い入れを実施し、過剰在庫を市場から隔離し、政府が買い入れた米は、生活困窮者、学生、子ども食堂などに供給するとしている。

 海外産のミニマムアクセス米の買い入れを中止するとしている。

 輸入材依存を是正し、木材自給率を高めるために、国内材の公的事業での使用拡大、民間の利用拡大への支援など、林業の再生に力を入れるとしている。

 不漁で経営困難に陥っている漁業者への魚価の補償、経営支援を行うとしている。

6.環境

 乱開発を規制し、盛り土の崩壊やがけ崩れ、堤防決壊、液状化被害などの危険箇所の点検と対策を実施するとしている。

 2030年までに、電力消費を20 ~30%削減す、石炭火力・原発の発電をゼロにするとしている。電力の50%を再生可能エネルギーでまかなうとしている。

 脱炭素と結びついた農業・林業の振興をはかるとしている。

 交通政策を脱炭素の観点から全面的に転換し、鉄道、路線バスなどの公共交通を重視するとしている。

 電気自動車などを普及し、2050年までに自動車からCO2 排出をゼロにするとしている。

7.外交・平和(安全保障)

 核兵器禁止条約に署名・批准する政府をつくるとしている。

 「北東アジア平和協力構想」を推進するとともに、平和の地域協力の枠組みをアジア・太平洋・インド洋に拡大し、地域と世界の平和に貢献するとしている。

 東シナ海、南シナ海などでの中国の覇権主義的行動に強く反対し、その中止を求めるとしている。

 尖閣諸島周辺での中国公船の覇権主義的行動に対しては、外交的対応とともに、文民警察である海上保安庁による対応に徹するとともに、中国側の
体制増強や尖閣周辺での行動のエスカレーションに対応して、海上保安庁の人員、船舶、装備など、対応能力の充実をはかることを求めるとしている。

 台湾問題の解決は、台湾住民の自由に表明された民意を尊重すべきであり、あくまでも平和的な話し合いで行われるべきで、中国が軍事的圧力・威嚇を強化していることに、日本共産党は強く反対するとしている。

 中国の脅威を利用した軍事力増強に反対する一方、排外主義と侵略戦争を美化する歴史修正主義には反対するとしている。

 日朝平壌宣言(2002年)にもとづき、核、拉致、過去の清算など、諸懸案を包括的に解決するために「対話による平和的解決」に知恵と力を尽くすことで北朝鮮問題を解決するとしている。

 辺野古新基地建設を中止し、普天間基地の無条件撤去を求めるとしている。

 オスプレイは危険であり、沖縄からも本土からもただちに撤去することを求めるとしている。

 日米地位協定を抜本改定するとしている。また、国民多数の合意で、日米安保条約を廃棄し、対等の立場にたった日米友好条約を結び、本当の独立国といえる日本をつくるとしている。

 自衛隊を海外で戦争させる安保法制を廃止するとしている。

 F35など米国製兵器の「爆買い」や「空母化」などの大軍拡をやめ、軍縮へ転換するとしている。

8.人権

 企業に男女別平均賃金の公表、格差是正計画の策定・公表を義務づけるとしている。

 女性が多く働く介護・福祉・保育などケア労働の賃金を引き上げるとしている。

 選択的夫婦別姓制度をいますぐ導入するとしている。

 同性婚を認める民法改正を行い、LGBT平等法を制定し、社会のあらゆる場面で性的マイノリティーの権利保障と理解促進を図るとしている。

 日本政府に、日本軍「慰安婦」に対する加害の事実を認め、被害者への謝罪と賠償の責任をはたさせます。「軍の関与と強制」を認め、歴史研究や歴史教育を通じて「同じ過ちを決して繰り返さない」とした「河野談話」にそい、子どもたちに歴史の事実を語り継いでいくとしている。

 ウィシュマさん死亡事件の真相解明のために、情報・真実の公開、入管関係者から独立した第三者による検証を行うとしている。

 非正規滞在者の地位を安定化するために、在留特別許可の要件緩和・明確化などをすすめるとしている。

 アイヌ民族の生活向上と権利保障をすすめ、同化政策をはじめ民族の権利を侵害してきたことに対して、国としての謝罪と国民への周知が必要としている。

9.憲法

 日本国憲法の前文を含む全条項を厳格に守り、平和的・民主的条項の完全実施を求めるとしている。

10.その他

 野党共通政策を「日本共産党2021総選挙政策」に掲載している。

日本共産党2021総選挙政策

「日本共産党2021総選挙政策」(画像をクリックすると特設サイトに飛びます)

 次回は日本維新の会の公約を比較検討します。

皆が集まっているイラスト1

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