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2021年総選挙各党公約比較-③公明党-

 10月31日の選挙を踏まえ、各党の選挙公約を比較検討したいと思います。第3回目は公明党です。

1ー1.新型コロナ対策(感染症対策)

 国産ワクチン・治療薬の迅速な開発、実用化を国家戦略に位置付け、必要な法整備を行うとともに早期に実用化を図るとしている。

 新型コロナのワクチンを来年も無料で行うとしている。

 より強力な司令塔の下に、医療機関の役割分担や連携強化、病床や宿泊療養施設と医療従事者を確保し、感染拡大時の医療崩壊を防ぐとしている。

 簡易臨時医療施設の増設を促進し、治療効果を高めるとしている。

 PCRの検査能力を1日100万件に大幅拡充し、抗原定量検査機器の増産により検査体制を抜本的に強化するとしている。

 新型コロナの後遺症の実態把握、死因究明を含めた原因究明の調査、研究に取り組むとしている。

1ー2.新型コロナ対策(経済・復興対策)

 雇用調整助成金の特例措置等について、特に状況の厳しい企業に引き続き配慮し、今年の12月までリーマンショック時の中小企業で最大9割の水準を確保し、感染状況を踏まえコロナ特例を継続するとしている。

 再就職、教育訓練、非正規雇用労働者のキャリアアップ、賃上げを行う中小企業等に対する支援拡充などの雇用対策を強化するとしている。

 生活困窮者支援のため、緊急小口資金等の特例貸付、住居確保給付金の再支給、自立支援金について、申請期限の延長、支給要件の緩和を行うとしている。

 日本政策金融公庫等が行っている実質無利子、無担保融資をコロナの影響が続く当面の間継続するとしている。

 休業、時短に伴う協力金の先払い、申請手続き・審査の簡素化を進めるとしている。

 休業等により売上が激減している中小事業者を支援する「月次支援金」を拡充し、迅速な支給を実現するとしている。

 ワクチン接種、PCR検査、抗原定量検査等による証明を活用して、感染防止を徹底することを条件に飲食、旅行、イベント参加を段階的に拡大する取り組みを進めるとしている。

 ワクチン接種が進んだ後の感染収束を前提とした「新・Go To キャンペーン(仮称)」による観光産業をポストコロナの経済振興の原動力として再開するとしている。

2.経済・財政・税制

 地域の小規模事業者、フリーランス等の悩みなどに適切に対処する「よろず支援拠点」の更なる機能強化を図るため、緊急時の拠点間連携や個々の課題等に適切に対応できる専門家の派遣、設置を進めるとしている。

 「中小企業再生支援協議会」の体制強化を図り、窓口での相談から事業性評価融資も含めた金融機関との調整、再生計画の策定など再生支援に万全を期すとしている。

 下請代金の支払いに係かる約束手形について、支払を60日間以内への短縮化を進め、廃止に向けた取り組みを行うとしている。

 地域の中堅・中小企業の経営人材確保支援のため、地域企業で活躍したいと考えている大企業人材と地域企業をマッチングする「地域企業経営人材マッチング促進事業」を着実に推進するとしている。

 改正銀行法に基づき、顧客に寄り添った支援を一層促進するとともに、ベンチャー企業、事業再生会社、事業承継会社に対する出資の拡大を後押しし、金融機関を要とした地域経済の再生に取り組むとしている。

3.社会保障

 地域医療介護総合確保基金を確保し、医療機関の集約化と重点化を行うととともに、病床の機能分化・連携、在宅医療の推進や介護分野との連携強化など、地域医療構想の実現に向けた取り組みを支援するとしている。

 医療従事者の確保・定着に向けた勤務環境改善対策等を強化するとしている。

 産婦人科医不足解消のため、医療提供体制の効率化や産婦人科医の養成、勤務環境の改善に努めるとしている。

 認知症の人の尊厳が守られ、希望を持って暮らせる共生社会の実現に向けた認知症基本法の早期成立を目指すとしている。

 施設等における認知症の利用者に対する手厚いケアが行えるよう、介護報酬が適切に評価されるように見直すとしている。

 介護離職ゼロに向けた介護事業者の処遇改善、再就職支援、介護福祉士養成や学生等に対する支援などで必要な人材を確保するとしている。

 ケアマネージャーの専門性の向上と処遇改善、国家資格化を検討するとしている。

 低年金者への福祉的措置である「年金生活者支援給付金」の実施状況等を踏まえ、更なる拡充を検討し、障害基礎年金の加算など所得保障の充実に向けた検討を進めるとしている。

 マイナンバー制度を活用して年金保険料の「免除制度」の確実な適用を図るなど、国民年金等の未納・未加入問題の解消に取り組むとしている。

 子ども家庭庁の創設、「子ども基本法」を制定し、子どもを権利の主体として位置づけるとともに、子ども政策について独立した立場で調査、勧告等を行う「子どもコミッショナー」を設置するとしている。

 出産育児一時金を現状の42万円から増額するとしている。

 低所得者層に限定している0歳児から2歳児までの保育料無料を全世帯に拡大するとしている。併せて幼稚園教諭、保育士等の処遇を改善するとともに、人材確保に取り組み、配置基準の見直しを図るとしている。

 低所得者を対象とした就学援助支給を増額するとともに、年収590万円未満の世帯まで段階的に対象を拡大するとしている。

 私立高校の実質無償化を現行の590万円未満から910万円未満までに段階的に対象を拡大するとしている。

 所得連動返還型奨学金制度を既卒者にも適用できるよう推進するとしている。

 待機児童解消のための「新子育て安心プラン」を実行し、小規模保育、企業主導型保育など多用な保育の受け皿を拡充するとしている。

4.教育

 2025年度までに小学校での35人学級を実現するとしている。中学校においても35人学級、将来的には30人学級を目指すとしている。

 学校の働き方改革の一環として、スクールサポートスタッフ、部活動指導員、ICT支援員など外部人材を活用しチーム学校の取り組みを進めるとしている。部活動の地域単位への移行、学校納入金の公会計化によって教員の勤務時間の削減を行うとしている。

 教職調整額の支給根拠である「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」を含めた勤務等のあり方について検討を進めるとしている。

 学校施設の耐震化100%を実現し、長寿命化改修等を通じた老朽化対策等による安全な教育環境の向上を推進するとしている。

 公立小中学校の主食、おかず、ミルクのそろった完全給食を実現するとしている。

 フリースクールへの支援、連携体制の構築などにより不登校の子どもの学ぶ機会を充実させるとしている。

 特別支援学級の教職員定数を改善するとしている。

5.農林水産業

 農林水産物・食品輸出額5兆円の目標達成に向け、重点品目の更なる販路開拓を行うとしている。

 マーケットインの発想で専門的、継続的に輸出に取り組む輸出産地等への重点的支援、大ロット・高品質・効率的な輸出物流の構築に向けた施設・拠点の整備、フードテック事業創出、種苗、和牛遺伝子等の海外流出防止、ALPS汚染水の不安払しょくを含めて、海外における日本産食品の輸入規制の緩和に勧めるとしている。

 有機農業の取り組み面積拡大や化学薬品低減、環境に配慮した肥料、飼料等の開発・国産への転換を後押しし、持続的な産業基盤の形成、消費者と生産者の相互理解等を進めるとしている。

 米の新規需要拡大、生産資材コストの削減、需給や価格の動向・見直し等の情報提供を推進し、生産者、集荷業者、団体等が安心して生産販売に取り組めるよう支援するとしている。

 農地の大区画化や汎用化、畑地化する土地改良等による国産農林水産物・食品の生産性向上を図る基盤強化を含め、食料自給率の向上も目指すとしている。

6.環境

 2兆円のグリーンイノベーション基金を活用した技術革新、新製品の開発による新たな経済成長、雇用拡大を実現するとしている。

 再生エネルギーの早期主力電源化、2030年度の再エネ比率36~38%に向けて、財政支援、規制改革などを行い、毎年2%程度の比率向上に取り組むとしている。

 エネルギー自給率向上、CO2削減などの観点から既存の水力発電の改修、新設を強力に進めるとしている。

 脱炭素社会の構築に向けて火力発電の高効率化、カーボンリサイクル、排出CO2を地下に埋めたり直接回収する技術等の開発を強力に進めるとしている。

 原発の再稼働は原子力規制委員会の基準を満たし、立地自治体等の関係者の理解、協力を得て判断するとしている。

 原子力発電に代わる再生エネルギーを最優先の原則の下で、最大限導入し、原発の依存度を着実に低減する。原発の新設を認めず、省エネの推進、火力発電の脱炭素化に向けた取り組み、水素発電など新たな発電技術の導入を進めつつ、将来的に原発に依存しない社会を進めるとしている。

 プラスティック資源循環促進法に基づき、環境配慮設計の推進、ワンウェイプラスティック削減、分別回収などにより包括的な資源循環体制の強化を進めるとしている。

7.外交・平和(安全保障)

 日米防衛協力のための指針および平和安全法制に基づく適正な運用を重ねながら、日米同盟の抑止力・対処力を一層向上させ、緊密な情報共有および共通情勢認識の構築を行うとしている。

 「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた取り組みを強化するとしている。

 日米間で合意をしている嘉手納以南の土地返還計画の加速化、訓練の県外分散移転の着実な実施、在日米軍の再編などを通じて、目に見える形での負担軽減を実現するとしている。

 日中間における双方の有する懸念については、お互いに率直に指摘できる関係を維持すべきであるとしている。

 東シナ海、尖閣諸島付近での中国海警船舶の活動は国際法違反であり、南シナ海等での中国による一方的な現状変更の試みは認めないとしている。

 拉致問題の解決に向けて日本は主体的に取り組み、一刻も早いすべての拉致被害者の帰国を目指すとしている。

 NPT体制の強化とともに包括的核実験禁止条約の発効促進、核兵器用核分裂性物質生産禁止条約の交渉開始等に向けて積極的に取り組むとしている。

8.人権

 選択的夫婦別姓制度の導入を推進するとしている。

 女性差別撤廃条約の実効性を高めるための選択議定書の早期批准を目指すとしている。

 性的志向、性自認に対する差別等を解消し、自治体パートナーシップ認定制度の推進を図るとともに、これらへの理解増進法の成立を図るとしている。

 障がい者等の社会参画のため、農業、福祉双方の連携発展に向けた環境の整備、専門人材の育成等を進め、農福連携の全国的な推進を図るとしている。

 犯罪を犯した者の特性に応じ、就労支援をはじめとした息の長い支援を強化するとしている。保護司等の民間協力者への支援など、再犯防止の更なる推進を図るとしている。

 ヘイトスピーチ解消法の理念の下に、更なる実態調査、教育、啓発を行い、ヘイトスピーチを社会からの根絶を目指すとしている。

 在留外国人に対して支援する専門家の育成など、きめ細かな対応ができる社会の構築を目指すとしている。

 入管施設収容に代わる措置の検討、施設での医療等体制の整備を進めるなど、制度、運用の改善に取り組むとしている。

 日本で生まれ育ち、納税の義務等を果している永住外国人への地方参政権付与を実現するとしている。

9.憲法

 憲法9条1項、2項を堅持するとしている。別条項での自衛隊を明記する意見については、慎重に議論をするとしている。

10.その他

 上下水道、廃棄物処理などの事業について、国の支援の下でさらなる広域化、一元化を目指すとしている。

 犬猫の殺処分ゼロを目指し、犬猫の譲渡を推進するとしている。


第49回衆院選特設サイト(公明党)

第49回衆院選特設サイト(画像をクリックすると特設サイトに飛びます)


 いかがだったでしょうか。ここに挙げたのは私が注目した公約ですので、全部を知りたいという方は下記の「2021衆院選重点政策」、「2021衆院選政策集」をご覧ください。


2021衆院選重点政策 公明党

2021衆院選政策集 公明党

 次回は日本共産党の選挙公約を比較検討する予定です。

皆が集まっているイラスト1

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