ギャラについて思ったこと

おはようございます!テレビ番組の選曲やMAミキサー(整音) をしたりしている(株)MALの阿部と申します。
僕たち小さな会社の経営者やフリーランスはお給料ではなくギャランティ(成果物を納品して対価としてお金をいただく)ことで生活をしています。

ツイッターを始めて約1年半経ちますが、ちょくちょく

ギャラが安い、下がってきている、安く済ませようと発注してくる

というようなニュアンスの言葉が流れてきます。
ここに関して思うことをつらづらと書いていきます。

価値の決め方

僕は整音(動画の音声を聞こえやすくきれいにすること)や選曲(動画にBGMをつけたり、提案したりすること)を仕事にしています。
動画を作るとき(お金を払う側になったとき)一体何に予算をかけるのか。

僕が限られた予算で動画を作るのであれば、バズる・話題になる人を使いたい(キャスティング費、収録費)、誰かに広めたい(広告費)、いい動画だと思われたい(動画編集費、作家費)、ナレーションを入れたい(ナレーター人件費費、スタジオ費)、いい曲をつけたい(作曲または選曲音効費)

この中でも細分化や必要なものが出てくるとは思いますが、パッと頭に浮かんだ工程と費用。そしてこの順番で予算を割り当てたいという気持ちの制作者が大半なんじゃないかと思ってます。

つまり、音の処理なんて後の方にあるんです。ここで予算の調整をするんです。(全てではないです、楽曲ありきで作られるものなどもあります)

なぜか。それは音が良いからバズる、視聴率が上がる、視聴回数が増えるという効果が薄い(エビデンスが無い)ということがまずあると考えます。

こんなにいい音を作ったのに、こんなに悪い音を良くしたのに。

そんなことより映える映像や、見たこともない演出に予算を割くべきだと思います。それが流行らせたいという思いのあるものならば。

さらに昨今は制作予算の削減により、さらに予算を削減することを制作プロデューサーは考えています。価値のない(なさそうな)ところから削る。
僕がアカウントプロデューサーならそう考えます。

これらの理由でギャラが安いと僕は思います。

ならばその音の価値を如何にしてあげるか、プロデューサーに音の価値は大事なんだぞと伝える必要がありますそれも目に見える形で。

もしこれを見ている方が職人気質で誰にも負けない音を録る、作るということが出来る人であれば悩む必要はありません。
なぜなら、上記の必要な価値の基準が上位に来るからです。
「阿部を使いたいから、制作費を15万削って、整音費にまわそう」
例えばこんな風にあらかじめ決められている予算を先に確保するとこが可能です。

ただ僕は凡人中の凡人なので、どうすれば僕の価値が上がるか?を常に考えています。答えはまだありません。とりあえず人柄だけで勝負していますが、風前のともし火です。

さらにはどうすれば音の価値を上げられるか?そのことを常に考えてます。

実験していること

1、見積もりを出す
これはこの業界を経験していないと驚くでしょうがだいたいふわっと発注されてOAが終わるとふわっと●万円で。という結果発表があります。
そしてこれは大半がプロデューサーからの連絡です。
そのほとんどの場合が、音のやりとりをしているディレクターや演出さんよりも音の価値をわかっていません。

なので、何にどれくらいかかっているか(人件費や楽曲購入、著作権提出資料作成など)が見えてないのです。
どういう作業にどれくらい工数がかかっているのかを表にする必要があります。そしてそれを、先に概算でもいいから出すということが必要です。これをすると、音の費用にこれだけ必要だからという調整をすることを、見積もりを出さないよりはしてくれます(はずです)

2、音の価値(自分の価値)を上げる
ツイッターの別アカウントで、OA上で流れるBGMを呟いています。純粋に視聴者の皆さんに楽しんで欲しいという理由が第一にありますが、選曲で視聴率(視聴回数)は上がるか?という裏テーマもあります
もしこれが何らかの形で成功したならば、選曲の価値は高まると思います。
音の優先順位が上がります。
整音についても考えてはいますが、今文字でうまく伝えたれないので、形になったらまた共有させていただきます。
そしてさらに、SNSでちょっとだけ有名になろうとしています。
もし10万人くらいフォロワーがいたとして訴求力のあるMAミキサーがいたら下手に広告を打つよりもその動画にリーチするきっかけが作れるからです。広告費<MAミキサーになります。

予算は限られています

予算がないならモノを作るな!という意見もありそうですが(僕も一時期は思ってました)支払いたくても払えない事情もあるでしょう。無いものはないんだから、仲間内で愚痴を言い合うのではなく、じゃあこうすればギャラを確保できるよね、そしてその先に、支払われた金額以上の価値をクライアントに与えることができるよね!という考えかたを僕はこれからもしていきたいと思ってます。全ての物事を相手の立場になって考えていこう!

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