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イルミネーションスターズについての考察

はじめに. イルミネーションスターズ、歌と輝き

顔が良すぎる

イルミネーションスターズはアイドルマスターシャイニーカラーズのユニットです。
シャニマス唯一の同級生ユニットで、とにかく仲が良いことが特徴です。何度もお泊り会や旅行を通して信じられないほどいちゃついており、283プロの事務所に泥棒が入ったと、アイドルたちが勘違いするコミュがあるのですが、その時でさえ、いちゃつき始めてて驚きました。そういうのが好きな人にはお勧めできるユニットです。

もっとくっつけ!!

イルミネのコミュや楽曲では良く「ヒカリ」と「歌」という言葉が使われます。他のアイドルでもこれらの言葉はよく見られますが、まずはユニット名からしてキラキラしているこの子たちのヒカリを中心に見ていきたいと思います。

1 運ぶもの

光というのは物理的には不思議なものです。ただ、古くから知られていることとしては
・最も早く動く
・我々の目に映る
といった感じでしょうか。物理学者によってはフォトン粒子より速く動くタキオン粒子が存在すると考える人もいるようですが、少なくとも人間が認知できる中で最も高速で動くものが光です。
現代に限らず、この光は情報を伝えてくれるものとして身近な気がします。パソコンの文字も、twitterで流れてくるイラストも、光があるから我々に届きます。その点で、光は何か情報を伝えてくれるものと見れます。

2 イルミネーションスターズという優しさ

イルミネーションスターズ!!

イルミネはライブ等の仕事前にする掛け声があります。
「輝きを皆に届けよう。イルミネーションスターズ」
輝く、ということはどういうことでしょうか。
届けるものは他のもの、例えば、音でも、匂いでも・・・感覚から離れれば手紙や最悪twitterのお気持ち大長文でもいいわけです。
ですが、イルミネをはじめ多くのアイドルは言います
「輝きたい」

例えば匂いを考えてみましょう。
アインシュタイン-ストークスの式というものを使えば空間での分子の拡散の速さを計算できますが、そもそも空間に空気などがあるから拡散に時間がかかるのです。では宇宙空間のような真空ではどのくらいの速さになるのでしょう。東京工科大学の江頭教授によると、ほぼ音速程度で伝わるようです。また、音速を考えるといま私たちが生きているような空間を考えればほぼ340m/sです。
それに対し、光速を見てみます。これはほぼ、秒速30万キロメートルです。およそ匂いの拡散速度、音速の90万倍の速さです。距離の隔たりがあるときに、「一番速い」は「一番近しい」のように感じます。ここにある種の優しさがあるように感じます。

3 ヒカリのdesitination

光を届けるというのは、直接触れられない者に対して最も近い距離感を感じさせてくれる優しさだと考えます。
温度の様な温かみも、直接触れる安心感もないけど、アイドルが輝いた瞬間を、即目にすることができます。
さて、この光についてさらに見たいと思います。

イルミネは光を届ける星です。
今までの光はあくまで受け取る側の光でした。
視点を星にしてみましょう。

星からすれば光というものは何でしょうか。
それを考えるために、「星」について少し詳しく見たいと思います。

星は古くから永遠の象徴として言われます。
いつまでも輝くことを人々から望まれ、また星たちはそれに応えるようにいつも光り続ける。
イルミネの歌やセリフにちょくちょく出てくる言葉に「永遠」「無限」「これからも」というものがあります。彼女たちが星なら、これから先、少なくとも人間からすれば永遠とも思える時間輝き続けることができるでしょう。

しかし、ある時誰かが気付きました。
いつかの夜にあった星が、消えている。
星でさえ寿命があるようです。恒星は、光というエネルギーを出し続けているので、その姿は少しづつ、終わりに向かっています。

他にも気づいた人がいました。
今見ている星は、今の星の姿ではない。
光には速度がありますので、例えば太陽でさえ8分前の姿を見ているようです。これより遠い位置には、光が我々の目に届くには何年もかかる位置にある星も数えきれないほどありました。

我々が信じて疑わなかった星は、恒星の輝いていたころの残光でした。
つまり、残った光を受け取る瞬間に、その光の発光という現象は確実に終わっています。

このように、光の伝える情報でさえ、必ず過去の情報です。星はその極端な例だと思って下さい。

他の、感覚に直接的な情報伝達について簡単に振り返ると、例えば音を考えましょう。
特に歌です。
伝わる速度を考えれば、光よりも確実に、その響きを感じた時すでに、その現象は終わっています。

ヒカリのdestinationより「響き渡れいつまでも」
スマイルシンフォニアより「響け 空の果て あなたのココロヘ」
ヒカリと夜の音楽、またはクロノスタシス エンディングより「響き渡れ、どこまでも」
響いているということは、終わっているということです。
何かに何かが伝わっていて、伝わった瞬間には必ず、現象は終了しているのです。

4. クロノスタシス

話を少し戻しましょう。
星から見た光とは何なのか?
「最も早く遠ざかってしまう昔の自分の姿で、自分自身が変化してしまっているというどうしようもない事実の証拠」
だと考えます。

最新のイベコミュ「ヒカリと夜の音楽、またはクロノスタシス」(以下ヒカリと夜の音楽)でイルミネはその事実、特に、このままの関係が続くなんてありえない、ということに気づいている、という描写がありました。
星の例で出したように、イルミネが始まった瞬間は、同時にイルミネが終わるその瞬間への始まりであり、イルミネが輝くということは、輝かなくなる状態へ向かっているということです。例えば5thライブ day1で表現されたように、イルミネがイルミネでなかった世界線では、灯織がイルミネになれなかったかもしれないし、真乃とめぐるは最後に逆の方向に歩き出したかもしれません。イルミネは、ヒカリと夜の音楽で女子高生たちの関係が簡単に崩れたように、イルミネも簡単に崩れていたのかもしれません。

5 八宮めぐる

Japanese Kawaii

八宮めぐるの話をしたいと思います。
Star n dew by meから八宮めぐるについての考察が活発になりました。
主に、何故そこまでイルミネにこだわるのかのはなしですね。

めぐるSTEPではめぐるは、小学校で海外から転校してきた美人であるために、周りの人はなかなか話しかけづらかったという描写がなされました。小学生の身になってみれば当然異国で誰も助けてくれないような小さな教室にほっぽり出されて、よそよそしくされるのはかなり嫌な経験でしょう。もしかしたらトラウマかもしれません。

だから、めぐるは初めに話しかけてくれた子には大きな恩を感じている様でした。めぐるにとって、その身一つでは関わりづらい自分に関わってくれる、ということが大きなことなのだと考えます。もしかしたら、よりみんなが自分に関わってくれるように、運動で引っ張りだこになるまでスポーツを頑張るし、wing編等で見られたように、友達からの誘いを極力断らないのかもしれません。

そのように考えると、めぐるからすれば「人が人と関わる事」がとても大きなことでしょう。小学校で海外から来たことは、海外での関係を半ば断絶されて日本に来たということになります。又、「スポーツで頼られるめぐる」以外の自分に、みんなはあまり関わってくれていないと考えるのではないでしょうか。その上、その様な関わり方ではこれまで何度も新しい関係が始まっては途切れて、を経験してきたでしょう。

すなわち、八宮めぐるにとっての「関り」は「人と人の距離」や「存在の意味」の変化で簡単に壊れてしまってきたものだと考えます。だからこそStar n dew by meでのめぐるが、撮影現場の高校に言い残した言葉

「誰かに触れたい気持ちになった時、手を伸ばしてみてね わたしはその手に触れるから 絶対に握って離さないから 応援してるよ 心の中でいつもいつも……大声で」
等からは、より近くにいることを重視する姿勢が見えますし、
真乃に
「すごいめぐるちゃんじゃなくて、めぐるちゃんが好きだから 意味が無くても、そばにいたいなって……」
と言われ泣きじゃくって喜んだように、存在の意味を求められない関係を探していたのかもしれません。

他にも、めぐるはすぐ人、特に灯織に抱き着きますし、イルミネお泊り会でのはしゃぎ方がすごいですし、Catch the shiny tailで自分がセンターであることを悩む真乃に「真乃は、わたしの隣にいてほしいっ」ということで、真乃がめぐるの隣で灯織の隣、これが真ん中だといいました。ソロ曲HAREBARE!では「キミがキミであるコト それだけでいつだって 私を助けてる 知っていたかな」と、まるで真乃に言われたことのお返しかの様な言葉が出てきます。

それだけ、その人であるという事実だけで、誰かの近くに居れることが大切で、簡単に消えてしまう関係だとわかっているからこそ、イルミネの中でも特に、イルミネの終わりを意識している可能性が考えられます。

6 イルミネーションスターズ

これを踏まえて、ヒカリと夜の音楽、またはクロノスタシスをまた見たいです。
このイベコミュでは、親友で居続けるイルミネ三人と、親友では居続けられなかった女子学生二人が対比されています。

両者に共通していることは、「そのままの形でありたい」という願いです。そうはならないことを身に染みてわかっているめぐるは、イルミネで居れて嬉しい、という発言をしています。また、そこまで経験のないイルミネファンの女学生は、星に願うようにこのままで居たいという願いを手紙にしてイルミネに送っていました。

ヒカリはここではイルミネのことと取ります。夜の音楽が最後のオーディオプレイヤで聞いていたイルミネの曲だとすれば、「ヒカリと夜の音楽」は変わってしまった女学生二人の事だと考えられます。では対比されるイルミネは「クロノスタシス」でしょう。クロノスは時の意で、タシスは持続という意味ですが、確かに関係性が時間的に断絶されないイルミネであるとしても良さそうです。

そうすると、関係のもろさを理解しているめぐるが、クロノスタシス側で居られることは、彼女にとってはとても奇跡的な現象に感じられるかもしれません。だからこそイルミネで居られて嬉しい旨の発言もありましたし、ラストシーンのライブで、会場にいる人は初めからいた人だけではないし、次はいなくなる人かもしれないとうすうす感づいていながら、その誰かは必ずどこかにいるから、その人たちに届くように、寄り添える歌を歌いたいと言いました。

最後に、Star n dew by meから始まる簡単な話をしたいと思います。
これは読み方どうすんだ問題がかなりありますよね。発音だけで「スタンドバイミー そばにいて」でもよさそうですし直訳っぽく「Star and dew by me 私の隣の星と露(もしくは私と星霜?)」とかにもできますが、星がイルミネの二人ならstarsですし、露がまたわからない。nとdewだけフランス語っぽい音と考えて(アンドゥトロワ)「スターアンドゥバイミー 星一つ二つ、私の隣」と読めば意味としては結構いいかもと僕も考えてみました。と、いろいろな説が散見される部分ですが、どの形でも「by me」はみな一様にそのままで読みますね。初めの「そばにいて」は言い換えれば「離れないで」となります。

終わりに. めぐるマジでかわいい

こうみるとめぐる本当にかわいくないですか

めぐるの中での「離れないで」が「寄り添いたい」であり「心をぎゅっとしたい」と考えると、それが達成された時のめぐるの喜びようが可愛すぎて、もっと喜んでほしいと思ってしまうような魅力があります。
例えば、言わずもがなStar n dew by meでのめぐるの「真乃と灯織やーと、捕まえたですゾ~」とか号泣ポイントだし、関係性がもろいと理解してこその”今”を楽しむ八宮めぐるだと思いますし、もしかしたら、距離に関係なく誰かとつながれるビデオ通話なんか、めっちゃ楽しそうにやってるのかと思うと可愛くて仕方がないです。

だからこそ、5thライブDAY1の真乃とめぐるが分裂する演出は、少し疑問だったりするのですが…。

長々とありがとうございました。
今回はイルミネの考察ということで、時間の都合上八宮めぐるの話をマシマシで発表しましたが、真乃と灯織にも信じられないほど尊い点がたくさんあるので、ぜひ見てみてください!
また、長文すぎるので、noteで出したいと思いますので、興味などありましたら読んでいただけると嬉しいです。

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